国連への協力に関するものみの塔協会の説明が幾つかの支部に送られる

十月のニュースの記事でお知らせしたように、インターネットを通じた情報公開の努力を通して、ものみの塔協会と国連との長年にわたる協力関係が明るみに出ましたが、その後、世界各地のエホバの証人からこの問題に関する説明を求める手紙が協会本部に寄せられました。これに対し、ものみの塔協会はオランダ、ドイツ、ポルトガルなどの支部に対して、通達を送り、幾つかの支部はこれを個人個人のエホバの証人に対しても説明しています。これらの幾つかの手紙は原文のまま、あるいは英訳されてインターネット上で世界中に広められています。

興味あることは、これらの手紙では協会が異なる説明を行なっていることです。一つの説明は、国連NGOに登録したのは、国連の図書館を協会が調査のために使うことができるためであったとのことです。この理由は複数の手紙の中で繰り返し述べられているので間違いないでしょう。一方ポルトガルの支部あての手紙では、エホバの証人の人権を擁護する目的であったと述べています。いずれの場合にも、協会は自分たちの目的(図書館の利用、人権の擁護)に国連を使う目的でNGOに参加しただけだから、そのことに問題はないとしています。また、1991年の登録時点では、NGOが国連憲章を尊重するという条件は無かったとも言っています。しかし、その一方で現在のNGOに関する国連の基準はエホバの証人の教えに反していることを認め、そのことに気が付いたから、今回脱退したのであると説明しています。またこれらの手紙では今までと同様、インターネット上で得られるものみの塔組織の批判的な情報を信じて受け入れることを厳しく戒めています。

しかし国連を頭ごなしに否定している団体が、国連の協力団体になること自体の偽善性については、全く言及されていません。これは例えば、政治家が暴力団と協力関係にあって暴力団から便宜を図ってもらったとしても、その政治家は暴力団の本来の活動を支持したことはないから、暴力団との協力関係は問題がない、と言い訳するのと同じことでしょう。この説明の中では、協会が自分たちの判断に誤りがあったことを認めておらず、あくまでも「正しい目的のためには(国連を使うという)手段は正当化される」という、昔から政治家が自分の行動を正当化するために使われてきた論理が一貫して使われています。ものみの塔協会のこの説明は、賄賂をもらった重役が、「私がこの賄賂をもらったのは、会社の発展のためであったのでその目的は正しいものでした、でも賄賂をもらうことがいけないことであると気が付いた時、私は賄賂を返しました、だから私は何も間違ったことをしていません」と言うのと同じことでしょう。この言い訳の中には、何が何でも自分たちだけがエホバの組織であるから、どんなことをしてもそれは目的のために正当化される、だからどんなに不完全であっても最後まで組織を批判してはならない、というものみの当協会の底知れぬ傲慢さと独善が見事に現れていると言えるでしょう。児童性的虐待問題が次々に明るみに出ても、言い訳と正当化の口実だけで切り抜けようとしてきたものみの塔協会は、ここでもその傲慢な態度に微塵も変化のないことを世界中に宣言しているのです。

(12-2-01)