ものみの塔協会、他の「新宗教」諸宗教(サイエントロジー、統一原理教、創価学会、等)との提携に乗り出す動き?

本年9月10日から12日まで、イタリアのトリノではCESNUR(Center for Studies on New Religion−新宗教研究センター)の会議が開かれました。この会議は、いわゆる「新宗教」が集まって、世界的に高まるマスコミの「反カルト」キャンペーンに対する対応を協議するもので、「宗教的霊的少数派:21世紀に向けて」と題されています。興味深いのは、この会議にものみの塔協会の代表者が出席していることで、他の新宗教、たとえばサイエントロジー、統一原理教、創価学会、モルモン教、ニューエージ、オカルトなどと並んで、エホバの証人の「少数派宗教」の立場が論じられています。

イタリア語、フランス語、英語を混ぜて書かれていますが、この国際会議のプログラムをCESNURのこのウェブページで見ることができます。9月11日のプログラムを見ると、ニューエイジやバハイのシンポジウムと混ざって、エホバの証人のシンポジウムが4時15分から開かれ、パターソンとブルックリンから派遣されたものみの塔協会の代表団が、フランスとドイツの支部からの代表と合同して、エホバの証人の法的な問題を議論しています。

このものみの塔協会の動きには幾つかの興味ある側面が指摘できるでしょう。ヨーロッパ各国において、反カルトの矢面に立たされたものみの塔協会が、他の同じ悩みを持つカルトと一線を画するのではなく、逆に「呉越同舟」とばかりに、他のカルトとの提携に動き出したことです。CESNURは表向き新宗教を研究する独立の研究組織のように見えますが、その現実は、その創始者で主宰者であるMassimo Introvigneは、サイエントロジーを含む多くのカルトの擁護者として、ヨーロッパで批判を浴びています。彼はまた、ブラジルの極右団体とも関連があるとされています。

ものみの塔協会は、表向きは世界のエホバの証人に「真の唯一の宗教」であると教えながら、一方このように政治的な動きでは、組織の勢力を維持するためであればこのようなカルト擁護団体と提携することも辞さない、なりふり構わない姿が浮き彫りにされるでしょう。本年7月のフランスでの課税の抗議では、協会は「自分たち以外にはキリスト教はない」という建前を隠して、自分たちは「三番目に大きなキリスト教教派」と定義づけていましたが、はからずも、自分たちが「大いなるバビロン」と同列の団体であることを認める結果となりました。

次のものみの塔の記事に見るように、ものみの塔協会は信仰合同、あるいは世界教会運動(エキュメニズム)の動きを糾弾してきました。

ほかにも、エホバの証人に対して言われる苦情が二つあります。一つは、世界教会運動に加わらないということであり、もう一つは、いわゆる「攻撃的な改宗活動」を行なっているということです。これらはいずれも、初期クリスチャンに対しても浴びせられた非難でした。カトリック教会、正教会、プロテスタント教会などを含むキリスト教世界がこの世のものになっていることは否定できません。イエスに倣うエホバの証人は、「世のものではない」のです。(ヨハネ 17:14)信仰合同運動によって、クリスチャンのものではない行動や信条を助長する宗教組織と結託することなど、どうしてできるでしょうか。(ものみの塔1993年7月1日16頁)

今回のCESNURへのものみの塔協会の参加は、「キリスト教世界」との信仰合同運動には参加できなくとも、ものみの塔協会がCESNURのようなカルト擁護団体とは提携する用意があることを明確に示すものとして、注目に値するでしょう。

(9/30/98)