フランス政府、フランスのものみの塔協会に対して300万フランの課税を決定。
ものみの塔協会はこれに対して抗議、7月5日付けニューヨークタイムズ紙に異例の全面広告を掲載

フランス政府課税当局は、過去数年間にわたってものみの塔協会の、寄付の内容とその活動の実態を調査し、その非営利宗教法人としての待遇を検討して来ましたが、6月22日付けでエホバの証人の協会に対する寄付は、課税の対象になると決定し、過去4年間にわたって寄付金の60パーセントに当たる300万フラン、日本円にして72億円の課税を決定しました。

これに対して、エホバの証人側も異例の迅速な対応をし、ものみの塔協会広報部の報道発表によると、ヨーロッパ15ヶ国からエホバの証人がパリに集められ、抗議すると共に、この決定を不服として裁判で争うことを決定したそうです。フランスのルモンド紙、6月30日号はこのいきさつを詳しく報道しています。次ぎのリンクを訪れて下さい(但しフランス語で、記事全体を読むには5フランを払う必要があります)。

Un redressement fiscal de 303 millions de francs pour les T駑oins de J馼ovah

フランスはこの数年、国全体がエホバの証人を「カルト」として認識し、その見方が定着した感がありました。フランスでは毎年2パーセントの割合でエホバの証人の数が減っています。今回のフランス課税当局の決定もこのような背景があると思われます。

またブルックリンの協会本部は、7月5日付けのニューヨークタイムズの日曜版に、一頁を占める全面広告を出し、その中で、統治体のを代表してライマン・スゥイングルがフランス大統領にあてた、公開の手紙を掲載しています。このイメージはそのニューヨークタイムズの全面広告です。統治体の見出しのついた便箋を使い、統治体員が代表してサインしている点に注目下さい。

この公開状の中で統治体は、今回のフランス課税当局の決定は、エホバの証人を差別するものであると激しくフランス大統領に抗議しています。 この広告の興味ある点は、ものみの塔がマスコミを最大限に活用して、その主張を全面的に押し出してきた点です。今までの伝統的なものみの塔協会は、マスコミの報道からは避けることが多く、批判的な記事や事件には、報道機関を通じず、むしろ直接裁判に訴えてきました。今回のこの統治体の動きはその伝統とは少し異なるものであり、最近協会内に作られた広報部(PR)が、重要な対外宣伝工作に乗り出していることを示唆しています。

もう一つの興味ある点は、自分たちのものみの塔の組織を、フランスのなかで「三番目に大きなキリスト教」であると定義していることです。別に出された広報部の報道発表では、「他の二つのキリスト教教団が課税されないのに、三番目に大きなキリスト教教団が課税されるのは不公平である」とも述べています。これは一見論理の通った議論に聞こえますが、ものみの塔協会のそれまでの言い分を思い出すなら、実に不可解な議論です。なぜなら、エホバの証人とものみの塔は、自分たちのみが真のキリスト教であり、他のいわゆるキリスト教教派はすべて背教者であると糾弾し、自分たちの宗教が、他の世間一般のキリスト教の一部でないことを強調することが、彼らのキャッチフレーズであったからです。しかし、ことお金のことになったらなんという君子豹変なのでしょう。なんと自分たちは他のキリスト教教派と同列だと主張しだすのです。

ものみの塔協会と統治体は、エホバの証人以外にもキリスト教が存在し得ることを、この広告や報道発表の中で対外的に認めています。しかし一般のエホバの証人にはどのように教えているでしょうか。ここでも協会指導部の「二枚舌」がつぶさに見られるのです。ブルガリアの調停でも、対外的には輸血を受け入れる信者に統制や処罰は行わないと言いながら、信者に対しては、今後も以前と同様、悔い改めずに輸血を受け入れる信者は排斥処分にすると断言しているのです。

今後も、ものみの塔協会の対外宣伝工作を監視していく必要があります。

(7/7/98)