戸別訪問に届け出は不要−アメリカ連邦最高裁、ものみの塔協会の上訴を認める

昨年10月20日のニュース「アメリカ連邦最高裁、ものみの塔協会の家から家への伝道の権利に関する上訴を審理すると発表」の記事でお知らせしたように、アメリカ連邦最高裁判所は、ものみの塔協会から上訴されていた、家から家への戸別訪問に際して村に届け出を必要とするオハイオ州ストラットン村の戸別訪問に関する条例が憲法違反であるという訴えを検討していましたが、6月17日にその判決を言い渡しました。

この判決では、この条例は憲法に合意しているというそれまでの下級裁判所の判断を覆し、8対1の圧倒的多数で、ものみの塔協会の主張を全面的に受け入れる事になりました。判決内容では、この条例が余りに広い活動を規制するために、アメリカ憲法に保障された言論と表現の自由の侵害することになるとしています。この判決文では、この条例によって例えば村内の共同の活動のための戸別訪問や、慈善事業の寄付の要請、学校活動の一環としての戸別訪問に始まり、ガールスカウトのクッキー販売やクリスマスキャロルやハロウィーンの活動まで全て規制されることになり、アメリカ憲法の基本精神が損なわれることが大きな理由になっています。

この判決は、早速アメリカ国内で様々な反響を呼んでいます。戸別訪問を活動の主体としている人々は、エホバの証人だけでなく皆この判決を歓迎していますが、一方では静かな日常生活に、勝手にドアベルを鳴らして侵入してくるエホバの証人のような訪問者から、どのように個人の静かな生活を守る権利を保障できるかが、今後の大きな課題となるでしょう。

しかし一般の人々が知らない、しかし非常に重要な問題は、ものみの塔協会がアメリカ憲法の精神である言論と表現の自由を全く認めていないことです。これは、エホバの証人の内部事情を知らない人には分からないことであり、アメリカでも世論はこの点を問題にしていません。しかし、たとえばエホバの証人の集会で届け出なしに広告を配布することはできるでしょうか。エホバの証人以外の様々な大会では広告を配布することは許されることがありますが、届け出のありなしにかかわらず、エホバの証人はそのようなことが許されるでしょうか。答えは明らかです。エホバの証人であれば誰でも、組織を公然と批判する言論と表現の自由が全く禁止されていることを知っています。ここでも、ものみの塔協会は自分のやっていないことを他人に要求する偽善者の姿がありありと見られます。

インタビューを受けたものみの塔協会の代表は、直ぐにストラットン村にエホバの証人の訪問者が送られると、勝ち誇ったように語っていました。ストラットン村だけでなく、エホバの証人のような戸別訪問に辟易したアメリカ国民が今後、どのような手段で「訪問されない権利」を守るか、が注目されます。

(6-23-02)