インターネットに対する協会の立場が「目ざめよ!」誌に示される

 「目ざめよ!」誌7月22日号で、注目を集めていたインターネットに関する特集記事が掲載され、協会がインターネットに関して、今後どのようにエホバの証人を指導するかの指針が示されました。

 これまで、ものみの塔協会は、「王国宣教」95年9月号6頁、「ものみの塔」93年8月1日号17頁、などの記事を通じて、コンピューターによる電子掲示板(BBS)は「霊的危険」に自分をさらすことになるから、と言ってエホバの証人に対して大きな警告を出していました。従って、ごく最近まで、表だってインターネットを使うエホバの証人の数は限られていました。この状況に大きな変化が起こったのは、1997年1月で、この時、ものみの塔協会は自ら静かにインターネットに参入し、そのウェブサイトを公表しました。興味あることは、これに続いて多くのエホバの証人が、待ってましたとばかりにインターネットに進出し、日本でも、多くのエホバの証人によるウェブサイトがこれを機会に雨後の竹の子のごとく登場しました。しかし、その一方、エホバの証人とその研究生で、インターネットに進出したかなりの部分が、ものみの塔批判の文書にさらされ、ある人たちはニューズグループや、メールリストを通じてそれまで全く知らされていなかった、ものみの塔協会の隠された実態を知り、自分の属する組織をあらためて真剣に見直す人が世界的に続出しています。また、それまでエホバの証人の中で、組織に関して疑問を持ちながらも、発言をひかえていた「改革派」のエホバの証人が、世界的にインターネットを通じて国際的に協調した改革運動を繰り広げ始めました。

 このような事態に対応する、ものみの塔協会のインターネットに対する方針はどのように変化するかは、今後のものみの塔協会の方向を占う上で、重要なものと注目されていました。今回の「目ざめよ!」誌の記事では、ごく一般的なインターネットに関する基礎知識を紹介し、次にインターネットの欠点を幾つか述べています。そして最後にインターネットのはらむ危険性を述べた後、「平衡の取れた見方を保つ」ことを勧めています。この記事では、前の「王国宣教」と同様、ニューズグループへの参加をかなり否定的に書いてはいますが、全体的に見て、インターネットを使うことを「悪」と断定してはいません。注意事項や危険に関する警告は他の一般マスコミに書かれていることと大差はありません。ここに書かれた協会の立場は、最近のものみの塔の多くの事柄に関する指導と同じパターン、つまり、「平衡の取れた見方を保ちながら、良心で決断する」という立場です。

 この記事に関して、何人かのエホバの証人の意見を聞きました。かなりの人々は、協会がより鮮明にインターネット反対の姿勢を打ち出し、情報統制を強めるのではないかと予想していました。しかしこの記事を読んだエホバの証人の多数は「協会はインターネットの使用に注意を促しながらも否定的ではない」と見ており、今後、これにより、エホバの証人のインターネット使用は更に増えることが予想されます。改革志向の一部のエホバの証人は、この記事は、他の最近のエホバの証人の教義の変更とあいまって、既存の強硬路線に反対してより解放的な協会を目指す改革派が、ブルックリン指導部の中で発言権を強めてきたことを示すものと語っています。しかし、このインターネットに対する柔軟的な路線は協会にとって痛し痒しの決断なのです。恐らくこれにより、今までの強硬派が押し通してきた、厳重な情報統制がなし崩しに骨抜きにされ、ますます開放的な討論がエホバの証人同士、エホバの証人とその批判者たちとの間で、盛んになり、エホバの証人のマインドコントロールの必須要素である情報統制が崩れ去る可能性が高くなっているからです。高齢者が大半の強硬派指導部は、恐らくこのインターネットの本当の威力に気がついていないでしょう。この実質的インターネット解禁が、ものみの塔の根本的基盤を少しずつ浸食していく可能性はかなりあり、今後の世界的な証人の数の増減にどのような影響があるかが注目されるところです。

 なお、この記事には一言も協会のウェブサイト、http://www.watchtower.org/ に関しての言及がなく、協会がいまだに、このウェブサイトがエホバの証人の間に広く知れ渡ることを望んでいないことを、示唆しています。協会指導部は、今までの文書と集会と戸別訪問とによる伝道の方法にこだわるか、思い切ってこの新しいメディアを使うのか、多分迷っているのではないかと思われます。(6-21-97)

(6-21-97)