朝日新聞がエホバの証人輸血裁判に関して特集記事を掲載

6月9日付けの朝日新聞夕刊は、「こころ−読者が考える」という特集ページを掲載し、2月に東京高裁で判決の下った、エホバの証人輸血裁判に対する読者の反響を集めています。特集の総括的な論評は北九州大学法学部教授で憲法学専攻の滝沢信彦氏によって書かれ、投稿者には、医師、元エホバの証人の研究生、エホバの証人の家族、キリスト教の牧師、そして二人の現役のエホバの証人と、エホバの証人に関係はないが彼らの立場に賛同する人と反対する人が一人ずつ、が含まれています。

この特集では、一人の医師はエホバの証人の輸血拒否が他者に重大な迷惑をかけることを指摘し、もう一人の医師は、エホバの証人特有のマインドコントロールの存在のゆえに、「自己決定権」の内容には問題があることを指摘しています。これに次いで、元エホバの証人研究生は、信者の間で厳しい情報統制とマインドコントロールが行われている実態を自分の経験から語り、信者の家族は教団の気ままな方針変更によって信者の命が左右されてきた歴史を訴えています。そしてキリスト教の牧師は、輸血拒否の自己決定が、実は教団の統治体の決めた戒律に過ぎないことを鋭く指摘しています。

この特集記事は、エホバの証人の輸血拒否の根本的な問題点が、これらの短い投稿を通じて初めて少しながらでも、一般の人たちに紹介できた点で意義のあるものと考えられます。

なお、この夕刊特集ページは全ての人が目を通せるものではありませんでしたので、「エホバの証人と血の教え」のウェブマスターが、その内容を彼らのウェブページに載せています。もし6月9日の朝日新聞夕刊に目を通す機会の無かった方は、このページをご覧下さい。

(6/18/98)


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