ブルガリアのエホバの証人についての質問

(12-12-98)


主の御名を賛美します

  先生のホームページはよく訪問させていただいています。
義理の妹(弟の妻)がものみの塔の研究生になって14年余りになります。
8年ほど前にバプテスマを受けています。子供たち(高1と小6の男の子)は集会に
行ったり行かなかったりの状態です。
私自身は義妹のことがあって聖書を読むようになり、2年前に洗礼を受けました。
もちろん義妹には秘密にしています。
義妹は4年ほど前から研究生になっていますが、ここ1年ほどはほとんど集会にも
行かない怠け者の研究生と信じて、別の所に住んでいるのですが、ものみの塔誌や
めざめよ誌を持ってきてくれています。
エホバの証人のホームページに以下のような記事が載っていたのですが、本当でし
ょうか?
この事に関連したことを御存じでしたらお教え下さい。よろしくお願いいたします
。

エホバの証人記者クラブ 	
	
ニュースサービス 	
ブルガリア政府がエホバの証人を認可 	
1998年12月1日更新 	
 
1998年10月7日、ブルガリアのエホバの証人はブルガリア政府から宗教団体としての
正式な認可を受けました。	
ブルガリアのエホバの証人は、共産主義政権の倒壊した直後の1991年7月17日にいっ
たん合法団体としての認可を得たものの、1994年に宗教団体を制限する法律が施行
され、さらに正教会の聖職者からなる委員会がエホバの証人の登録更新の手続きを
拒否したことにより、他の38の団体と共に非合法組織とされました。	
それ以来ブルガリアのエホバの証人は、無分別な警察による逮捕、虐待、財産の没
収など、幾多の人権侵害に甘んじてきました。	
エホバの証人に対する人権侵害の波に転機が訪れたのは1996年のことです。	
この年、ブルガリア・ヘルシンキ委員会と「国境なき人権」が作成した報告書はエ
ホバの証人を含む少数派宗教団体を擁護し、「彼らは誰も宗教的信条によって犯罪を
もくろんだことがない」と述べました。	
さらに1997年7月には、ヨーロッパ人権委員会がブルガリアのエホバの証人を擁護す
る決定を下し、ヨーロッパ人権裁判所にこの問題を委託する準備を始めました。	
これを受けたブルガリア政府は、ヨーロッパ人権委員会の仲介のもとでのエホバの
証人との話し合いに応じるようになり、1998年3月までには、ブルガリア政府とエホ
バの証人は合意に達し、協定書が作成され、ヨーロッパ人権裁判所がそれを受諾す
るまでになりました。	
その協定書の内容に基づき、今回のエホバの証人の認可が行われたのです。	
これは東ヨーロッパにおける人権の勝利の新たな局面の到来をしるしづけるもので
す。	
このブルガリア政府の決定は、エホバの証人のみならず、自由を愛するブルガリア
のすべての人たちにとって大きな益となることでしょう。
なお、この合意に基づく協定書はエホバの証人の教理の変更を意味するものではあ
りません。	
むしろこの協定書は、ブルガリア政府がエホバの証人の信条を理解し、尊重する内
容となっています。     	

《編集者より》
この情報は、ニューヨークのエホバの証人の本部から発表されたもので、恐らく内容に大きな間違いはないと思います。私は旧共産国で信教の自由が確立されるのは歓迎すべきことで、素直にこの知らせを喜びたいと思います。ただ問題はここでも、ものみの塔のやり方の常で、情報が一方的であることです。(それだからこそ、この情報センターの必要性がなくならないのですが。)ものみの塔協会がヨーロッパ人権委員会で、この宗教団体の認可の代わりに何を約束したかが全く書かれていません。これに関しては1998年1月22日のニュースに詳しく書きましたので参照して下さい。ものみの塔協会はその調停の中で、ブルガリアではエホバの証人は自由に輸血を受けるか受けないかを選択でき、その選択によってものみの塔協会はエホバの証人を処罰したり統制したりすることはしない、という要旨の約束をしました。しかし、この約束は、現在のエホバの証人の教義と方針とは全く異なっています。現在エホバの証人が故意に自分の選択として(無理矢理医師や裁判官の指示によるのでなく)輸血を受け、そのことを悔い改めなければ、そのエホバの証人は間違いなく排斥処分になります。従ってエホバの証人は決して自由に輸血を選択して、その結果処分を受けないということはあり得ないのです。このことは、ブルガリアだけで輸血拒否の教義が別の形で適応されるのか、教義が変更されたかのどちらかの可能性を意味します。ものみの塔協会はしかし非公式に、どちらの可能性も否定し、輸血拒否の教義にはブルガリアでも世界のどこでも同じように変更がないと主張しています。そうであるとすれば、ただ一つ残った可能性は、ものみの塔協会がヨーロッパ人権委員会で偽りの約束をしたという結論しか残らないというのが、現在の理解です。


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