人間関係をゼロから作り直しています−エホバの証人二世より

(11-18-99)

初めて投書します。
私の家族は、父だけが未信者で、みんなエホバの証人になっています。
自分も、物心がついたときから、ずっと聖書を勉強して、考え方とか、完全に生活
は、聖書に従った生活でした。

バプテスマは中2の時に受けて、補助開拓者として熱心に働きました。
学校時代はあまりいい思い出がありませんでした。
あの時代はエホバの証人はあまり知名度もなく、いろいろ学校行事があっても参加で
きないものが多く、それができないというと先生に暴力やいじめにあってきました。
柔道や騎馬戦、盆踊り、選挙活動、それらができないという理由で学校では異端児扱
いを受けていました。
立場的には、先駆者としてエホバの証人のなかでみられ、注目されていたので、あら
ゆる仕打ちを受けたとしても、絶対にひるむことは、許されない状況でした。
そのおかげで、自分の通っていた学校に関しては、エホバの証人というだけで、参加
できない行事には、参加しなくてもよくなったようで、後から入学してくる証人の子
供は、何の苦もなくそれらの問題は、クリアしています。

自分が不活発になり始めたのは、大学に進学したときからです。
とにかく、親から離れたかったので、県外の大学を選びました。
なぜといわれても、今考えてもあまり思い出すことができません。
ただ、覚えているのは、今しかチャンスがない。そのあとは大学に入ってから考えよ
う。それだけでした。

大学時代は、とにかく自由でした。
集会には、最初の2年間は、がんばって一度も休まず通っていましたが、大学に通っ
ているだけで偏見の目でみられるのがいやになり、いつにまにか、いくのをやめてし
まいました。
兄弟たちは、これから、この世の中が終わりの日にむかっているのに、なぜこの世の
学業に時間を割くのか、私の行動にいつも疑問視していたようです。
ただ、帰省したときは、母親の泣く顔が見たくなかったので、また地元の友人は、エ
ホバの証人しかいなかったので、伝道に参加したり、集会に出席したりしての2重の
生活をしていたのです。

そして、大学を卒業。
普通に世俗の仕事につきました。
母は、どう思っているのかは、話してくれないので分かりません。
でも、集会には、全く参加していません。
もちろん伝道もしていません。
だから、自分がエホバの証人のなかでどう思われているのかも、わかりません。
でも、まだ排斥の処分はされていなく、まだ籍はあるそうです。

今は、故郷に帰っても、以前友人だった兄弟たちとも会うことはなく、孤独を経験し
ています。

そして、私は、自ら進んで自分の道を歩き出しました。
帰るところがなければ、自分で作り、必死に自分の居場所をつくろうと努力していま
す。
結婚をして、子供もできました。
私が、言いたいのは宗教なんかで家庭がバラバラ、友人関係もバラバラにされること
がどれだけつらいか、そして、今は、29になってようやく、ゼロからもう一度、人
間関係を作りなおしはじめています。
これから、どうなるか分かりません。でも、今の大切な家族は守ってゆきたいと思っ
ているのです。

公表してもよいのですが、完全に匿名でお願いします。

《編集者より》
掲載と返事が遅れたことをお詫びします。あなたの証言は、典型的なエホバの証人の悲劇を浮き彫りにしています。あなたの青年時代は心理的、社会的に取り返しのつかない痛手を受けました。しかしあなたにとって本当に幸いしたことは、高等教育を受けられたことでしょう。多くのエホバの証人はまさにあなたのような辛い人生を送るのを恐れて、心のどこかに納得がいかない所があっても、とにかく心をかたくなに閉ざして組織に留まっているのです。どうか勇気を持ってゼロからもう一度人間関係を作りなおし、あなたの大切な家族、特にあなたのお子さんをこのような悲劇から守ってあげて下さい。