現役エホバの証人の方より9月15日号のものみの塔誌の「時の計算」の記事について

(10-23-98)

 はじめまして。最近パソコンを購入し、インターネットによって当サイトを発見し
ました。私は一応現役のエホバの証人です。一応というのは、自分が「不良信者」で
あることを自覚しての言い方です。また、「背教者や反対者の文書は読むな」という
ありがたい忠告を無視して、いろいろなサイトを見て回っておりますので、筋金入り
の不良信者ということになるでしょうか。
 9月15日号のものみの塔誌を研究する時期なので、今回はそのことについて私の
感想を述べさせていただきます。この件については、「ものみの塔協会、1914年
の年代計算を放棄する方向へ」の記事を参照してください。
 さて、「信仰は時の計算によるものではない」とか「時の計算によって信仰を支え
る必要はありません」とお達しが出ることで、BC607年から「七つの時」(252
0年)を経て1914年に諸国民の定められた時(異邦人の時)が終わる、というト
ンデモ本にでも出ていそうな「時の計算」を信じる必要がなくなり、私としてはほっ
と一安心といったところでしょうか。
 ただし、ものみの塔のこの記事は、「時の計算によって信仰を支える必要はありま
せん」と抽象的に言っているだけで「時の計算」の具体例はその場では示していませ
ん。読者が「時の計算とは何ぞや」と追求して初めて、「七つの時」を典型的な例と
する年代計算の教理のことを言っているのだな、と推量できるようになっています。
それに、ここしばらく年代計算に関する話題がものみの塔誌に取り上げられていな
かったので、ごく最近に信者になった方(そして恐らく注意深く読んでいないその他
大勢のエホバの証人、かく言う私も先のニュースでのご指摘がなければ、そうなって
いた可能性大)は「時の計算によって信仰を支える必要はありません」と書かれてい
ても、何も気づかずに読み飛ばしてしまうだろうと思います(特定の教理について数
年間沈黙し、それから調整するのはいつものやり方ですね)。
 ただ、ここで注意しなければいけないのは、先のニュースでも指摘しておられたと
おり、1914年に諸国民の定められた時が終わった、という教理そのものは動かし
ていません。どうでもよくなったのはあくまで「時の計算」のほうです。
 お達しが出てから発言するのもなんですが、私は前々から「七つの時」に関する年
代計算というのはまゆつば物だと思っていました。
 第一に、出発点のBC607年ですが、先のニュースや他の記事にも指摘してあるこ
とですが、バビロンによるエルサレム攻略の年はBC607年ではありません。この客
観的事実をねじまげて、BC607年だと主張するために協会は涙ぐましい努力をして
きました(エホバの証人の方は「聖書に対する洞察」の年代計算、年代学、年代記述
の項をご覧ください。また、「あなたの王国が来ますように」の巻末資料もご覧くだ
さい。BC607年にこだわっている方はこの協会側の資料と、この件を扱ったイン
ターネット上の記事を読み比べて、自分の頭で判断してください。私としては、もは
やBC607年を支持することはできませんが、BC607年を引き続き支持する方もお
られようかと思います)。
 第二に、「七つの時」の計算の仕方です。端的に言ってしまえば、これは数を使っ
たお遊びだと思います(私が「これは数遊びだ」と思う自由があるのと同様、「これ
は統治体が聖霊に導かれて解明した真理だ」と思う自由もあります。真理として扱い
たい方は引き続き真理として扱っていかれればよいでしょう)。
 以上の2点(他にもいろいろありますが省略します)により「七つの時」に関する
教理はまゆつば物だと思っていました(正確に言うなら、最初は真理として信じ込ん
でいましたが、徐々にまゆつば物だと思うようになりました)。
 したがって、今回の「時の計算によって信仰を支える必要はありません」というお
達しは、私のような不良信者にとっては「ああ、そうですか」というだけのもので
す。
 最後になりましたが、村本さんにお礼を申し上げます。先のニュースでのご指摘が
なければものみの塔9月15日号の重大性について気づかなかっただろうと思います
ので。

《編集者より》
現役のエホバの証人でありながら、このような組織の本質に関する洞察を持たれていることに敬意を表します。特に、「特定の教理について数年間沈黙し、それから調整するのはいつものやり方ですね」と言うのは実にものみの塔組織の方針を端的に表していると思います。最近のものみの塔組織は、教理の変更を徐々に、信者に衝撃を与えないような形で、「気が付いてみたら変わっていた」と言うような形で行おうとしています。あなたの指摘された西暦前607年の問題も、まさしくそのような形で変更が行われています。確かに1914年に諸国民の定められた時が終わった、という教理そのものは動かしていませんが、大きなものみの塔の流れの中でみれば、年代計算を押しやり、「この世代」の教理を変更することにより、いずれ将来、1914年自体を変更する布石を敷いていると私は見ています。いずれ1914年の教義自体が変更されることは間違いないでしょう。それがいつかは私は予想できませんが。

あなたは現役のエホバの証人として「最初は真理として信じ込んでいましたが、徐々にまゆつば物だと思うようになりました」と書かれていますが、他にも組織の教えの中に「まゆつば物」はありませんか。どうか組織の教えを総点検して下さい。その中で他にも「まゆつば物」を見つけた時に、そのような「まゆつば物」を真理として教える組織が、「神の霊感を受けた唯一のエホバの地上の組織」であるのかどうか、じっくり考えてみたらいかがでしょうか。