「エホバの証人の組織と活動―アメリカの非営利会社組織について」に対する反論−ものみの塔協会は「会社」ではない?

(9-27-99)

「エホバの証人の組織と活動―アメリカの非営利会社組織について」に対する反
論  by K.M.

   corporationには確かに「株式会社」の意味があるが、その他に「法人」の意
味もある。ものみの塔聖書冊子協会はエホバの証人の宗教法人団体であり、会社
ではない。そもそも、ものみの塔は書籍雑誌の売り上げで莫大な利益を得てなど
いない。確かに、1990年までは完全寄付制にはなっていなかったのは周知の事実
である。しかし、だからといって、そうした寄付を不当な目的に使用したことは
ない。すべて出版費やベテル奉仕者の払い戻し金、特別開拓者の生活費に当てら
れたのである。そもそも、協会は株などは発行していない。

   corporationは、字義的には「からだ」を意味する。これは聖書の中で「会衆
はキリストの体である」と論じてあることと合致する。ゆえに、ものみの塔が
corporationやincorporated(Inc.)を用いているからといって何ら不当なこと
はないのである。

《編集者より》
これは、今まで何度も「…に対する反論」として投稿して頂いた、現役エホバの証人の方からのものです。非営利宗教法人団体であることと株式会社であることとが一つの団体において両立することは、アメリカの非営利会社組織についてに詳細に記載した通りです。「書籍雑誌の売り上げで莫大な利益」を得ているかどうかは、何と比べて「莫大か」によるでしょう。確かにアメリカの大企業と比べれば、比べ物にならない少ない売り上げでしょうが、宗教団体としては莫大な売り上げの中に入ると思います。

あなたは「ものみの塔聖書冊子協会はエホバの証人の宗教法人団体であり、会社ではない」と言って、ものみの塔協会の会社としての実態を信じることができないようですので、ここにHarris InfoSource (http://www.harrisinfoonline.com/)という企業情報サービス(日本で言えば帝国データーバンクのようなもの)からコピーしたものみの塔聖書冊子協会の企業情報を紹介します。これによれば、ものみの塔聖書冊子協会は private company に分類され、1995年度の売り上げは7億ドルとなっています。

Watchtower Bible & Tract Society of New York Inc.

 Publishing - religious periodicals (publishing arm of the Jehovah's Witnesses)

 Address:                25 Columbia Heights (map)
                         New York, NY 11201-1300
 Phone:                  718-625-3600
 Fax:                    718-625-3066
 Web Site:               --

 CEO:                    Milton G. Henschel
 CFO:                    Lyman A. Swingle
 HR:                     Max Larson

 Fiscal Year End:        August
 Sales Year:             1995
 Sales ($ millions):     700.0
 1-Yr. Sales Change:     2.9%

 Employees:              6,000
                                                                     
 Company type:           Private company
ものみの塔協会は、毎年10月の初めに株式会社に義務づけられている年次株式総会をニュージャージ州のジャージーシティーにある大会ホールで開いています。しかし、株主はアメリカ人だけであるために、アメリカで発行される英文のものみの塔誌にしか、この総会の通知は出ません。あなたが信じられないのも無理はないかも知れません。たとえば1999年7月15日号のものみの塔誌、29頁を見て下さい。そこには『サムエルは「予見者」でしたか、それとも「預言者」でしたか』という囲み記事が見られますが、アメリカで出されている英語版ではその代わりに「1999年10月2日、年次総会」という通知が同じ場所に掲載されています。ここに集まるのは一般のエホバの証人ではなく、協会の株主です。

なお、この点は「ふれ告げる人々」の229頁にも少し触れられています。

*** 告 229 15 組織の構造の発展 ***
協会の定款には出資者の取り決めが述べられており,それによると,総額10(米)jの寄付をした人には協会の理事・役員会の成員の選出に関する選挙権が与えられました。
ここで「出資者」と訳されている言葉は、英語の原文では "shareholder" であり、お手持ちの英和辞典で見てわかる通り、これは「株主」と訳されるべき言葉です。この「ふれ告げる人々」の文章を会社法によって言い換えれば、協会は10ドルの投票権付き株を発行して、その投票によって理事役員を決めるようにした、という意味です。もちろん、これは私的会社の非公開の株ですから、それによって投資の利益を得ることはありませんし、10ドルの価値は何年たっても変わりません。また配当を出すかどうかは、総会で任意に決めることができ、協会がこれまで配当を払ったとういう話は聞いたことがありません。

corporation という言葉を使うことには、何も不当なことがあるとは私は思いません。ものみの塔協会は、非営利宗教法人として、法律で決められた手続きに従っただけで、その際、corporation, incorporated という言葉を使われざるを得なかっただけです。「会衆はキリストの体である」から corporation という言葉を使ったというのは、とんでもないこじ付けです。全ての会社はキリストの体に関係していようがなかろうが、全て法律で corporation と呼ばれるからです。