母親と共に離脱できた元エホバの証人研究生

(6-23-96)。


 はじめまして。キリスト教のページを探していて、「エホバの証人日本語情報セン
ター」を見つけましたので、お便りしています。私は、3年前にものみの塔の組織か
ら出て、クリスチャンとなり、現在、大学院生です。何かの参考になればと思い、教
会で証ししたときの文章を以下に記します。
「救いの証しをさせていただきます。
 私は、ノンクリスチャンの父とクリスチャンの母との間に生まれ、聖書の言葉から
「人を愛することができるように、そして愛される人になるように」と「愛子」とい
う名前をつけてもらいました。私が幼い時は、母は教会に行っていましたが、私が小
学校に上がる前からエホバの証人と研究を始め、私が小学校1年生の時にエホバの証
人となりました。そんな母に連れられて、私も幼い時からエホバの証人の集会に行く
ようになりました。幼い時は言われるままに素直に信じていましたが、中学・高校と
年齢が上がるにつれて、小さな疑問を持つようになりました。しかし、エホバの証人
は自分たちこそが唯一の正しい組織であると主張し、良い行い、つまり伝道によって
救われ、エホバの証人でなければハルマゲドンで滅ぼされると教えています。ですか
ら、疑問を持ちつつも、怖くてエホバの証人の組織から離れることはできませんでし
た。やがて大学に進学し、親元を離れて生活するようになりましたが、エホバの証人
との研究はずっと続けていました。疑問を持ちつつも離れることもできないで、中途
半端な立場に肩身の狭い思いを、もう何年もしていたので、思い切ってエホバの証人
になってしまおうかと考えていた頃のことでした。母がご近所のクリスチャンを通し
て、教会に通うようになったのです。私はびっくりしました。母は私にも、エホバの
証人の集会にあまり行かないように婉曲にすすめたり、エホバの証人は他の宗教組織
の出版物を読みませんから、母の手紙なら読むだろうと、元エホバの証人の証しやエ
ホバの証人の間違いを、手紙に書き写して頻繁に送ってくれるようになりました。そ
れから間もなく、ウィリアム・ウッド先生の「エホバの証人の教えと聖書の教え」と
いう本を送ってくれました。私はこんな本を読んでもいいだろうかとためらいました
が、まだ研究生だからと自分で自分に言い訳をしてその本を読んでみました。そして
、その本を通してエホバの証人がいかに間違った組織であるかを知ったのです。私は
ほっとした反面、今までやってきたことは全て無駄だったのかと呆然としました。そ
んな不安な気持ちのまま、実家に帰った時、福音を聴くことができ、1993年5月にイ
エス様を私の救い主と信じて救われたのです。救いは行いによるのではありませんで
した。「あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分
自身から出たことではなく、神からの賜物です。行ないによるのではありません。だ
れも誇ることのないためです。」(エペソ2章8,9節)。私は恵みのゆえに、信仰によ
って救われました。その信仰さえも神様が与えてくださいました。自分の力で良い人
になろうと頑張っていた罪人の私を、イエス様は十字架の贖いによって救ってくださ
いました。規則に縛られていた以前と比べて本当に自由になりました。後になって、
母や教会の方が熱心に祈ってくれていたことを知りました。神様の憐れみによって新
しく造り変えてくださったこと、そしてもう一人ではなく、イエス様がいつも共にい
てくださることを、ただ感謝するばかりです。「私たちは神の作品であって、良い行
ないをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行
ないに歩むように、その良い行ないをもあらかじめ備えてくださったのです。」(エ
ペソ2章10節)。神様がこれから私にどのような道を開いてくださるのか楽しみにし
ています。 」
 母が、再び教会に行くようになったのは、良心の呵責に耐え兼ね、鬱病になったこ
とがきっかけでした。現在は、母も妹も共にクリスチャンとなり、教会につながって
います。ものみの塔は、マインドコントロールによって人の人生を狂わせてしまう恐
ろしい組織です。それは、外に出て見て初めて分かったことでもありました。一人で
も多くのエホバの証人が組織の間違いに気付き、キリスト教会につながることを願っ
ています。
 このページの中で、レイモンド-フランズ著「良心の危機」の紹介がされていまし
たが、この本は読んで見たいと思いつつ、日本語訳のものが出ていないのであきらめ
ていました。書評だけでも読むことができ、感謝しています。一日も早く邦訳が出版
されることを願っています。(英語で読めたら一番いいのですが...。英語が苦手で
苦労していますが、英語は必要ですね。)このページ、楽しみにしています。是非、
多くの人に活用されますように。村本先生もお忙しいこととは思いますが、頑張って
ください。奥様と娘さんのことも、お祈りさせていただきます。


《編集者より》
素晴らしい証しを投稿いただきありがとうございます。ご家族が心をあわせて行動できたのがよかったのかもしれません。お手紙の中にA.U.さんのご家庭に主の導きがあることがよく感じられます。どうかこのページに現、元、エホバの証人の方々が投稿して下さることをお願い申しあげます。


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