マインドコントロールから自分を取り戻すまでー北海道在住の元JW2世

(4-11-99)

 村本さん、初めまして。北海道旭川市在住のべべといいます。ハンドルネームです
ので、記載を匿名にする必要はありません。

 約半年間に及ぶインターネット社会への参入により、再びエホバの証人の世界へ介
入することを試み、自分と同じJW2世の存在と彼らとの交流を経て、自分の中で閉
鎖的に置かれた感情と精神が取り払われ始めました。
 そして先日、このJWICのホームページを閲覧することで、自分の中にあったマ
インドコントロールの足かせがすべて取り払われ、離脱への道のりと精神回復の工程
をほぼすべて完了しました。
 とはいっても、職場や親しい友人たちには、自分にマインドコントロールによる苦
悩が長年あったなどとは、思いもしなかったでしょうけど(^_^)

 自分は母の入信により20年あまり、この組織と深く関わってきました。組織を離
れたのは社会に出てから1年ほどで、幼少から何度かの研究を繰り返し、献身に至る
前に社会(世俗)との両立に精神的に疲れ、自然消滅の形を取りました。
 それは結論として、学生時代自分が示したエホバの証人への信仰は、一人前の人間
として社会を踏み出すまでの間に、ハルマゲドンが到来するだろうことを願った一時
しのぎのつなぎであることの現れでした。そしてその思惑がもろくもはずれたとき、
社会に適合していくための知識があまりにもなかったことの衝撃と、教義に基づいた
良心の基準にマインドコントロールによる背景が隠されていたことを、日常生活の経
験から痛感する苦悩が始まりました。
 これまで証人として過ごした学生時代から、その存在を身を潜めるようにして友達
からも、職場からも一切素性を見せることなく、もう一人の自分を包み隠して生きて
きた。
 言えるはずもなかった。一般常識的に生きている人間にとって、エホバの証人は明
らかに異質の宗教習慣を持つ、特別な扱いでしかなかったからだ。当然子供たちの間
で快く受け取られるはずもないことを、幼いながらも知ってきた。こうして不活発に
もエホバの証人として聖書を学びつつ、神と楽園の到来を信じる自分と、小学中学と
ごく普通の子供たちと共存していく自分の、二つの裏表ある自分を使い分ける生活を
繰り返してきた。
 どの時期においても、この異質の宗教習慣を持つ基準からつくられた良心から、行
動のすべてを義の基準に従って理性が抑制し、時には言動の現れとなって、周りから
ちょっと変わってるように受け取られ、自分自身でも個性的であることと変わり者で
あることを自ら提唱してごまかしてきた。
 職場環境においても、社会の一般常識に通ずる知識の未熟さが指摘されるのでは
と、常に懸念して、最初のうちはきっとどこか閉鎖的に警戒していたのだと思う。
 今は仕事にも馴染んできて、よく内面を理解してくれる先輩方に恵まれ、その不安
も払拭されつつある。やはり、自分は他人と違っているんだというコンプレックスか
ら、友人にも同僚にもいつも劣等感を感じていた。
そして、ネット社会に何の気なしに入って、この半年間で自分は見違えるように、自
分の絶望視した意志を取り戻してきた。
インターネットを介して、JW2世として閉鎖的に孤軍奮闘していた自分が、いとも
安易に同じ立場の2世と知り合え、誰にも打ち明けられなかったことを吐き出せた。
やっと、離れてからの自己嫌悪と無情な思いから救われてきた。
確かに、自分一人のことを思えば、ほとんど存在しなくてもこの世には何の支障もな
い。
自分自身がいることに生き甲斐を感じない限りそれ自体意味もないと思ってる。
将来本当に幸せを感じ、生きてることに感謝できるという保証もない。
でも、同じような境遇の仲間たちがいて、これからもそういった人たちが増えること
になる以上、このまま何も事を起こさないまま、生きてるわけにもいかなくなった。
何かやっていきたい。これからも続くこの問題に対して、何かやってみたい。
そう思うことで、揺れ動くことのなくなった感情が興奮するのを感じた。
今思うことは、そのために自分の生き方を恥じずに打ち明け、生きる証として示して
いくこと、
そして今自分が成し遂げたいことを勇気をもって示すこと。
専門学校の理解者だった先生、本当の自分を見せれなかった友人たち。そして現在の
職場関係。
知れば、「エホバの子」とののしられ、冷たく見られるかも知れない。
すべてを話し、この問題に苦しめられる仲間を少しでも抑えることができれば、誰か
らも認められるようになるかもしれない。
どちらにしろ、自分は今さら怖じ気づいて、自分を恥じたりはしない。
コンプレックスから来る弱さは全部ふっきれてるから。
友人たちが軽視するなら、よく語り合ってきた熱い人生観も偏見ばかりの見せかけに
過ぎないと思うだろう。
親身になって理解するなら、自分はJWが「不義な者」「悪い交わり」と決めつけた
この世の理解ある人たちに本当に敬意を表したい。
もし20年前のあの時、母が入信してなかったら・・・
そう考えると、逆に何か益のある有意義な人生が果たして送れたかと疑問に思う。
これまで、どんなにそうであったらと悲観して過ごしてきたが、ここまでの過程を経
てきて、今は大きな課題に取り組めることに感謝している。
そして、今までの人の良さが災いして悔やんだことも含め、これまでの素直に育った
自分、穏やかに生きれたこと、人を思いやれる心を持てたこと、人のつらさを知れた
こと・・・
これらはすべてJWだったことで得られた賜物だった。
JWでなければ、得られなかったものだった。
真理から離れ、自暴自棄に陥り、自己嫌悪と罪悪感で誰にも干渉されず、そこにいる
ことすら誰にも気づかれずに、生きたかった。
それは、真理による良心が核を成していた自我があまりにも無力で、もろかったこと
に気づき、こんなにも簡単に気力を失えるものなのかと肩を落とす結果になったから
だ。
そして今、新しい自我が自分の内面に核を造り出したんだと思う。
生命力の強いユーカリの木のように・・・
外側から作られた人格が炎で焼かれ、眠っていた内膜の皮が貼られ再生されるよう
に。

そして、今の霧が晴れた自分がいる。
JWにまつわる人生の数々は、結論として今の自分を生み出し、生きることへの課題
を与えてくれた。家庭はごく普通の平凡で何の不満もない核家族であった分、このJ
Wとしての人生は自分を満たすのに十分な刺激があったに等しい。それを考えると、
何もなければ何の意義も見いだせず、平凡な日々を暮らすだけの毎日に飽きていたか
も知れない。
これで良かったんだ。本当は。
だから、組織を糾弾するでもなく、母親を憎むでもないんだ。
組織の方針に寄らなくては、自分のより所を得られない人もいる。むしろ、組織はそ
ういった人たちに必要不可欠な後押しと現在の生活様式を併せ持って助言をしていけ
る、模範的な姿勢を示していければ、この不安な世の中「この世の人たち」とも良い
関係を持っていけるのではと切望している。
他に感じてることはありますが、ほとんどここに来ている2世や元証人たちが代弁し
てますので、これでとりあえず終えます。僕はどんな精神不安や感情の欠落からも自
分を取り戻せることを、この問題から逃げないことで立証しました。
今は北海道を拠点に、真理を失って苦しむ元証人たち、2世たちへの交流活動を拡大
していこうとしています。
今日、数年組織を離れてた元証人の夫婦に接触して、着実に活動し始めています。
村本さん、整理がついたら、その後をお伝えしますね。これからもよろしくお願いし
ます。
北海道在住の方、いつでも快く心の癒し引き受けますので、ご連絡くださいね(^o^)

以上を読者の広場にご掲載ください。長すぎるので、編集しきれない場合は2つに分
けてください。
では。

《編集者より》
掲載が遅れまして申し訳ありません。あなたの心の深奥を公開して下さり、必ず他の元エホバの証人や、エホバの証人をやめようかと考えている人々の大きな励みになると思います。また、あなたがインターネットを使い出したことで、多くの似たような環境の人々と交流でき、自己を回復できたことは、インターネットの大きな効用として認識を新たにさせられます。

最近、エホバの証人の子供たちの問題が文藝春秋で取り上げられたり、元二世の方が手記を出版したりして(情報源のページを参照)、これから社会の注目を集めることでしょう。このウェブサイトの一つの目的は、元エホバの証人の方々がお互いに支援し合える基盤を作ることでしたので、あなたのお便りは大変嬉しく読ませていただきました。