本人の幸福という観点からの考え−本人が幸せならそれでよいのでは

(01-21-97)

最近、エホバの証人の人がよく家に来られます。その人自身はいい人みたいなの
ですが、どのような宗教団体かはよく知らないので少し調べてみようと思い、こ
のページに辿り着きました。この団体がどうゆう団体かがわかりました。じっさ
いその教義などにはかなり疑問を抱きます。しかし、宗教の目的とはなんだろう
と思うとその熱心な信者の方が幸せならばそれでもよいのかなという気もしま
す。エホバの証人の教義がばかげていて社会的には認められないようなもので
も、本人が幸せならばその宗教は救いを与えていることにならないのでしょう
か。もちろんその宗教団体が社会的な悪(破壊的であったり、信者からお金をだ
ましとるなど)を行っているとかならば、別ですが。家庭崩壊もようするに宗教
感の違いで、一方の宗教が他の宗教を異常に拒否しているが故の悲劇のような気
がします。もちろん、背教者に対しての脅し、脱退により不幸になるとかの教え
でやめたくてもやめられない人を作っているということに対しては不幸な人を作
っているということで悪だと思うのですが。どの考えが誤っていて、どの考えが
正しいというのは当人が決めることであると思います。そして、信者の人が間違
っていると思うのは、自分で考えていないことであると思います。しかし、自分
で考えてその宗教を信じている人に対しては何も言えないのではないのでしょう
か?何か論旨が混乱していますが、要するにマインドコントロールをしているよ
うな宗教団体はいけない、と思いながらもそれにより幸せな人がいるのならばい
いのかなということです。家に来られる人は一見幸せそうです。この団体の人達
は幸せな人々なのでしょうか、不幸な人でしょうか?

《編集者より》
確かに自分の宗教を各人が選ぶのはその人の自由であり、それは尊重すべきでしょう。私はそのことを否定する積もりは全くありません。問題は、エホバの証人があなたのおっしゃるような事をすべて否定していることなのです。彼らは他人がエホバの証人以外の宗教(たとえばキリスト教や仏教)を選んでいると、それらは全て間違いであり「偽りの宗教」であると宣伝します。彼らはあなたが、自分の宗教をすてて、あるいは無宗教の立場を放棄して、エホバの証人の宗教に変わることをしつこく勧め、一旦その中に入ると自分たちの宗教を批判したり調べてみることを禁止し、出るに出られない状態を作り上げるのです。私がエホバの証人の実態に関する情報を広めようとしているのは、このような危険性を世界の人々に知らせるためであり、個人個人の宗教の選択を否定したり、一つの宗教が正しくて他が間違っているということを訴えるためではありません。まさにそのような訴えをしているのがエホバの証人であり、私はそれに対して警告を発しているのです。私の立場はエホバの証人と違って、あなたの宗教を捨てなさいとは言っていません。隠された情報をしっかりと見て考えて下さい、それからの決定はあなたの問題です、というのが私の立場です。

本人が幸せであればそれでいいではないか、という議論も、もし本当にその通りであるなら、私もそれは否定しません。しかし、議論をわかりやすくするために極端な例を使いますが、麻薬中毒にかかり、麻薬を使って恍惚状態になっている人を見て、「本人が幸せであるならそれでいいではないか」と言ってわれわれはその人にもっと麻薬を与えるでしょうか。(もちろんここでは麻薬が合法的に手に入り、麻薬の使用が他の健康を害さないという、ありえにくい前提がありますが。)たとえこの麻薬中毒者が健康を害さずに幸せに見えても、私は彼の麻薬中毒を直し、麻薬なしの生活に戻すべきであると思います。似たようなことがマインド・コントロールにかかっているカルトの信者にも言えるのです。確かに彼らは幸せに見えます。しかし、その幸せが本当に彼らの求めているものでしょうか。そうである人もいるでしょうが、そうでない人も沢山いるのです。後者の人々は、情報を制限され、心理的圧迫の中で十分な理解ができないうちに信者になり、幸せに見えるようにふるまうことを訓練されている人々です。(私は決してエホバの証人の全員がそうであるとは言っていません。)そのような人々に「夢から覚めて」現実を知ってもらい、「麻薬なし」の幸せな生活があることを示してあげること、これが私のやろうとしていることです。

エホバの証人の人々が本当に幸せかどうかは一概には言えないでしょう。このような調査は非常に困難ですし、「幸せ」の定義の仕方にもよるでしょう。ただ、元エホバの証人で現在心理療法士になったバーグマンという人が調査をした報告がありますし、それ以外にもいくつかの精神医学の論文がありますが、エホバの証人の間には、一般の非エホバの証人に比べて精神障害者が数倍の率で多くいる、という事実があります。これらの多くはうつ病や、不安神経症です。エホバの証人の教義を調べてみればわかりますが、彼らは遠くにある手に届くか届かないかわからないような「絵に描いたもち」を目指して、毎日難行苦行の集会の数々と長時間の野外奉仕に出ない限り、救いはないのです。イエス・キリストを信じることにより直ちに救いを得て幸せになれる一般のクリスチャンと対照的なこの教義は、エホバの証人が、たとえ表向きは幸せそうに見えても、心の中で癒されることのない葛藤を持って生きなければならない本当の理由なのです。