「御相談申し上げます。」−友人の奥さんについて

(1-6-97)。


 ホームページを見せていただいてエホバの証人の問題点が良く解りました。 人
は信教の自由を持つという法律の文言から他人の宗教についてとやかくいうのは
控えなければと言う思いがありました。しかしエホバの証人はカルトであるとい
うことが解った以上見て見ぬ振りはできないと思いました。解説ありがとうござ
いました。 実は私の友人の奥さんの事で問題を抱えました。 七年前私の友人か
ら奥さんがエホバの証人の宗教に凝っていると相談を受けました 。なんとかや
めさせたいのだがということでした。友人の生活は豊かで経済的な苦労はなく息
子二人に恵まれなに不自由なく生活しており、多くの信者が行っている家から家
への伝道活動や 家庭を疎かにする事は絶対に認められないと言うことした。家
庭と子供たちと自分の生活を守るために 宗教を続けるか家を出るかという選択
を迫り、同時に環境の似ている私たち夫婦としょっちゅう会って、舅や姑への不
満や子供に関する不安などをおしゃべりをするようにしました。奥さんは家を出
て一人立ちをする自信はありませんし、私たちとは言いたい放題のことを言うよ
うになってきたので、この問題はそのままになっておりました。私たち夫婦は、
彼女の宗教問題は一応解決または納まったと思っておりました。 昨年2月、そ
の相談を持ちかけてきた友人が突然癌に冒されていることがわかり余命がいくば
くもないということでした。彼女は実に献身的に看病をしましたがその甲斐もな
く 6月末に50歳の短い人生を閉じました。 亡くなられた後の始末が何かと大
変だったにもかかわらず、又今まで何もかもご主人にやっていただいていて、重
い物もお財布も子供のこともすべてご主人にお任せでやってきていた彼女が、実
にしっかりと明るく見事にこなして 私ども周りの物はとても感心いたしまし
た。それから6ヶ月がたち、その間私たちにできることは出来る限り御相談にの
りながら一番親しい友人夫婦としてお付き合いをしてきました。 年が明けて先
日、彼女が私の家にお遊びに行きたいという連絡がありお待ちしておりましたと
ころ”エホバの本”を置いていました。最初の驚きは”また始めたのか”という
こでしたが、すぐに息子さんに会って確かめたところ、お父様が生きていらした
頃からつまり7年前のあの話し合いの時からお母様はずうっとお父様に隠して信
仰を続けており、そのことを二人の息子さんは知っていたそうです。お母様が隠
して信仰を続けていたことをお父様は知っていたと思うかと言う私の質問には 
お父さんとはその事を話したことがないので解らないと言うことでした。友人の
私が今思い返してみると11月頃から徐々に彼女に変化が感じられ12月に入っ
てからは明らかに違っているのですが、ご主人を亡くした若い奥様の事ですから
何があってもそんな事もあるだろうぐらいに考えておりましたが、息子さんのお
話では12月にお母様はもう隠れてやることはないのだからと言い、学校に入っ
てしまったそうです。現在は週のうち4日は夜10時半頃まで宗教の勉強に出か
けておりますし、昼も出かけていることが多いそうです。お友達も私たち夫婦以
外はすべて宗教関係の人ばかりだとも言っておりました。 息子さんたちも私た
ちも彼女の信仰を止めさせることはこういう経過からしても大変難しいと思って
います。むしろ今まで家庭からお金を持ち出すことも、子供を引き込むこともな
かったので、お母さんがそれで生き生きして満足ならば続けていても構わないと
いうのがご長男の意見でした。次男はそれでも止めてほしいと言っております。
二人は十九歳と十七歳です。彼女には亡くなったご主人からかなりの金額の遺産
が入っておりますが、息子さんたちにはこの宗教はお金を集めない宗教だから心
配ないとお母さんは言っており二人の息子さんは信じているようです。 よしん
ば献金の心配がないとしても、死の病の床の上からこの家族の行く末を託された
私たちは今後どの様なことに注意をして行かなければならないかをアドバイス頂
ければ幸いです。感想文をと言うことでしたが、他に教えていただける方を知り
ませんので無理を承知でお願いいたします。

《編集者より》
あなたが書いておれれる「息子さんたちも私たちも彼女の信仰を止めさせることはこういう経過からしても大変難しいと思っています」という見方に私も賛成です。Hさんがどれだけエホバの証人に関する知識と経験をお持ちか分かりませんが、私の経験から言うと、何の知識も経験もない人間が無闇やたらに反対意見を述べることは、ただ逆効果になるだけでしょう。このお手紙の状況では、鍵になるのは息子さんの決断でしょう。もし息子さんがお母さんの救出を決意されるのなら、息子さんたちが主導権をとって色々の救出活動が出来ると思います。しかし友人の奥さんというあなたの立場だけで救出に踏み切るのは困難が多いと思います。エホバの証人の救出には、その証人の人の心の奥底を理解し、その不安と苦悩を自分の身を持って一緒に耐えていくだけの覚悟と能力が必要です。Hさんができること、それは多分エホバの証人の知識を広める本、例えばウィリアム・ウッド氏の「エホバの証人 マインド・コントロールの実態」のような本をそっと渡してあげて、こっそりと読む機会を作ってあげる事ぐらいでしょうか。エホバの証人はこのような本を公然と読むことはしませんが、ひっそりと一人で読むことはあります。もちろん、そのことでこの方の信仰が直ちに変化することはないでしょうが、それが「疑いの種を撒く」ことになり、何年か後に実を結ぶことがあるのです。


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