「大会ホール 新たな資金源」

(10-3-04)


 エホバの証人は年に3回規模の大きな集会つまり大会を開きます。そのもっとも大きな
規模が地域大会(例えば名古屋ドームや福岡ドーム等の大きな施設で開催される3日から4
日間開催される)で他の2つが巡回大会(2日間)、特別1日大会と呼ばれるものです。そし
て近年この2つの大会の殆どがものみの塔協会所有の「大会ホール」と呼ばれる施設で開
かれており、この施設が現在協会の大きな資金源となっていると思われます。以前これら
の大会は民間施設で開催されていましたが、予約が取りにくいこと、使用料が多額で信者
に負担が掛かる等の理由から、協会は独自にホールを持つようになりました。ところが、
これら大会ホールは、建設予算から、使用することが見込まれるエリアの信者一人当たり
の寄付金を算定し、それを会衆ごとにとりまとめ、寄附をさせるのです。(このとき各会
衆にアンケートをとり、平均より少ない寄付金の会衆は、一層の寄附を励ますよう長老達
は発破を掛けられます。)その後購入した土地及び建物の所有権は協会本部に移り登記が
行なわれます。つまり協会は一銭たりともお金を出さず大きな施設を所有し、そこから大
きな資金を生み出すことができるようになるのです。(この点は、某仏教の宗派が寺や施
設を建設するとき信者1人当たりの寄附金を割り当て、その寺や施設から多くのお布施を
上げるのになんら変わるところはないように思われる。)しかしながら、信者は建設の寄
附を徴収されたので、無料でその施設を使用できるかと言うとそういう訳ではないのです。
大会ホール建設直後、ホールを維持するのに、1人あたり3000円から4000円のメンテナン
ス料が掛かるとの発表がなされ、信者は高額の建設寄附を要求された上に、なおかつメン
テナンス料まで暗に強要さるのです。1回の大会でおおよそ一巡回区約1500人が集まりま
すので1回の大会で450万円から600万円の寄附が集まることになります。そして各週末必
ず大会が開催さますので年間52回開催されることから、年間で2億4千万から3億1千万円の
資金を1つの大会ホールは稼ぎ出すと考えられます。さらに協会は近年特別1日大会なるも
のを開催していますが、私は以前大会の会計をしていたので分かるのですが、2日間の大
会と、特別1日大会の寄附合計はさほどの差が生じません。つまり特別1日大会により大会
回数を多く開催することの方が多くの寄付金を集めることができるのです。そして1つの
大会会場で多くの巡回区が大会を開催することにより当然回転率が上がり効率よく資金を
集めることができます。ですから、信者の利便を考えると言いつつも、ある信者は便利で
あるが、別の信者は不便を強いられのが現状です。例えば九州大会ホールは福岡にあり、
鹿児島の信者はわざわざ泊りがけで、さらには高額の高速バスを利用し朝6時30分に起き
て大会に出席しているのです。(近くの民間施設を利用すればこれらの余分なコストは掛
からない。公共の交通手段が使えないため車で行くしかなく、そのため大きな事故が幾件
も発生している。信者のことを本当に考えているのか疑問である。)さらに問題なのが、
その不明瞭な会計です。例えば大会ホール建設の寄付金が余った場合(殆どの大会ホール
建設では寄付金が余る)、それらは全て協会の懐に入る仕組みになっており、その金額が
いくらであったかは、寄附した信者には一切公表されていないのです。さらに、以前は大
会開催の都度、その大会における寄付金合計は大会終了日に報告されていたにもかかわら
ず、現在では一切報告されていません。(長老たちの集りでさえ報告されていない。)そ
の理由は、外部の反対者に知られたくないからだとのことです。そうです、寄附した信者
のことは全く無視しているのです。協会は、各会衆に対し毎月1回厳格な会計報告をさせ、
皆に発表し寄附を促しているにもかかわらず、大金の集まる大会の会計報告は全く行いま
せんし、ついでに言うと支部の会計報告もこれまで信者に対して1度も公表されたことが
ありません。この点においては他の世俗の宗教となんら変わるところはないのです。
 さらに聞くところによると、九州大会ホールでは民間の弁当販売店が隣接しており、そ
この弁当を注文することがホールを使用する各会衆の信者に強制ではないものの公に求め
られています。それも巡回監督の手紙によりそれが強力に推奨されているのです。そして
その業者のオーナはなんと大会ホールの土地の以前の所有者なのです。土地を売り多額の
お金を得、さらには信者を餌に商売をする。この一人の地権者のためにどうして信者が弁
当を買う必要があるのでしょうか。巡回監督の説明では、この人物は地元の有力者であり
様々な便宜を図ってくれているので地元にお金を落とす必要があると言っているそうです
す。果たしてこのようなやり方は聖書的といえるのでしょうか。イエスは神殿で信者を食
い物にしていた両替人やはとを売っている者をどのように見なしたでしょうか?地元の兄
弟や姉妹達の中には、弁当を買うことに抵抗を感じている人が少なくないそうです。イエ
スの模範が頭にある人であるならあたりまえのことだと思います。そのような思いをさせ
るこの大会ホ−ルを果たして神とイエスは祝福されているのでしょうか?九州大会ホール
の建設準備段階で2回ほどエリアの全長老が集まったそうですが、その会合ではそのよう
な話(弁当販売施設が併設されること)は全く聞かされていなかったとのことです。もし
聞かされていたならば、心有る良心的な長老なら当然反対していたに違いありません。し
かしそれとは逆に、協会本部の統治体のメンバーは当然これらの計画を知っていたと思わ
れます。なぜ彼らは承認したのでしょうか?なぜ反対しなかったのでしょうか?
 日本では近年、王国会館基金なるものによる王国会館の建設ラッシュが続いています。
そしてその業に携わる者は、奉仕時間としてその時間を報告できることになっています。
(建設メンバーに開拓者が多いのはこのため。野外奉仕には出ず建設奉仕で時間を入れよ
うとする。果たしてイエス・キリストは聖書の中で、宣べ伝えることと、王国会館建設を
同列におかれたことがあるだろうか?疑問である。)そして最近では、バブルがはじけて
安くなった土地を、それも特に都市部の物件を物色させ、大型の王国会館の建設を進めて
います。それにより更なる寄附の獲得を目指そうとしていることは見え見えです。そのた
め信者は今後更なる寄附を求められるようになると思いますが、そのような都心部に集中
する王国会館は、決して信者の利便性を図るものではなく、ただただ寄附を集める手段と
化していくものと予測されます。大会ホールと王国会館建設基金で新たな資金を集める。
この点でも他の宗教となんら変わるところはないのです。

《編集者より》
エホバの証人の大会は、ものみの塔協会の大きな収入源であり、そのために大きな大会がしょっちゅう開かれています。日本の大会ホールでの実情は、非常に興味のある協会の方針ですが、アメリカでも同じ様なことが行なわれています。アメリカでは地域大会は今でも場所を借りてやっているようですが、たとえば公共施設を使って駐車場を無料で使用させてもらう契約を市の当局とした後で、信者にはそのことを隠して、大会会場の駐車券を買わせたことが数年前に問題になりました。ワシントン州のタコマ市で起こったことですが、ものみの塔協会が市に偽りの申請をして資金を儲けたことが地元の新聞で大きく問題にされたことがあります。いずれにしても、エホバの証人は「清い宗教」、「他の宗教団体と違ってお金もうけをしないから」と思っている方がいたら、このような現実があることを心にとめるべきでしょう。ものみの塔協会も、「世の」他の宗教(ものみの塔が「大いなるバビロン」と蔑む一般の宗教)も、本質的には何も変わることがないのです。


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