「本質」

(5-21-04)


鋭敏に考え抜かれた言葉を伝えて下さりありがとうございます。

「ものみの塔という宗教の本質に問題」について、会衆が直接受ける原因は、組織の中枢
(ものみの塔聖書冊子協会ニューヨークブルックリン本部の1900年代初期ラッセルか
ら受け継いだラザフォード及びノア)の発案が決定した規則、それを会衆内の人々が摘要
しようとして問題が生じ、時として規則を攻撃材料として集団的に個人をいじめる傾向が
あります。

しかしそういう行為をする側の人々が平静でいられる事は難しいようです。現に自分に降
り掛かった出来事から1ヶ月もしない内に、直接的また間接的関わった人達の間で、さま
ざまな出来事が起きていったからです。それは二度の連続する車の事故を起こした姉妹や、
ツメを剥ぐといった痛々しいケガをした姉妹、その他に骨折をした姉妹たちがいて、この
ことは立てつづけに起きていきました。

そのような情況下の会衆の中で、依然として留まり続けながらも公的機関を利用して組織
の出版物と比較出来る本から調べて見ることにしました。当時まだPCが無かったもので
すから、まず情報源としてはそこからが近道でした。調べていく内に、組織の偽ってきた
事柄が次々に分かり、これ以上組織の中に留まっていることは、何の意味もない事だと考
えた末、組織から離れることを決意し、集会に行くのを徐々に減らしていき、寄附をしな
くなりました。その代わりに、市が開催する講演会に出席し、世の中の人達がどの様な考
え方や感情表現を持っているのか直接知ることにより、自分の以前の感覚を呼びさます機
会としてとらえ、そのことを続けていきました。

また当時研究生だった人にも、調べた内容を徐々に話していくことによって、その方も組
織から離れることを望まれ、行動に移されました。現在その方とは良き友として互いに交
流を保っています。そして仲の良かった姉妹にも証言してゆき、同じようにその姉妹も組
織から離れられました。

その後に取った行動として、出版物を処分することでした。この件に関しましてはチリ紙
交換の業者に依頼しましたが、「宗教の本は価値が無いから、引き取ることは出来ない」
と一旦は断られましたが、交渉の末持っていってもらいました。

当然組織の出版物は、トイレットペーパーと交換することは出来ませんでし  た。この
様に組織がどれ程、自分達の知識や規則を重要視していても、トイレットペーパー一個の
値にもならなかったのです。

考えてみると、会衆内で起こった出来事も同様に、無意味な組織の基準によって人を裁く
人達こそが、敗北者なのだということを知るに至りました。    

今まで、自分の脳を組織の考え方でコントロールされてきた事から開放されて、自分の自
由な意思で考え、自由な感情を表現することへ変化しつつ、回復への道を歩続けていると
ころです。

この5月の光の中で、木々の新緑がまばゆく目に映る、この時の瞬間をも「自分だけの脳」
を働かせて考えたり、感じとったりすることは、自分の生きている表現であり、生きる楽
しさへとつなかっていくのだと思います。

そして村本様の驚くほど詳細な資料によって、組織が隠してきた偽善がより一層確かなも
のと確信を得、この社会の中で勇気を持って生きていく貴重な助けになっています。

《編集者より》
これは「全体を見ることが出来ない巡回監督」に続く投書で、4回目の投書であると思います。組織を自力で出ることの出来た人の共通点を見てみると、あなたのように自ら研究する知恵と能力と勇気があることがいつも浮かび上がってきます。逆に言えば、組織に留まる忠実なエホバの証人の共通点は、これらの資質が不足しているように思います。もちろん例外も多くあると思いますが、脳の発達とその自分の脳に忠実であることが、ものみの塔のような教条的宗教への隷属から人々を解放する一つの鍵であるようです。


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