「今の激しい思い」を投稿された方へ

(2-10-04)


あなたの投稿を読んで。どうしても口をつぐんではいられない気持ちになりました。
何故なら、私は元熱心なJW一世で、あなたと同じような子供を組織の中で育ててき
た母親でもあるからです。
もし許されるのなら、あなたの前であなたの気の済むまで謝りたいと感じました。勿
論そんな絵空事があなたの失った人生を取り戻す為の何の役にも立たないことは百も
承知ですが・・・・
気持ちを動かされて、投書する失礼をお許し下さい。

あなたもおっしゃっていた通り、あなたのお母さんも私も、この不安定な世の中で自
分の人生の方向を見出せず、家族の幸福と安全を求めて道を尋ねただけの平凡な主婦
の一人でした。
そんな、人の心の闇に巧みに入り込んだカルトの教えのせいで、そして自分自信の物
事の真相を見通す力のなさのせいであなたのような犠牲者を産み出してしまいまし
た。
私達は知らず知らずの内に被害者と同時に加害者となっていました。


私は、「知らなかった、気がつかなかった」と言う事が自分の罪を払拭するとは思い
ません。
それに気づいた今、出来る限りを尽くして贖罪をしていくべきだと考えています。

勿論、力のない自分に出来る事は限られています。二度と同じ轍を踏まない事、ある
いは、こうした投稿をする事ぐらいしか出来ないのかもしれません。
何の足しにもならないのかもしれませんが、それでも、あなたのような苦しい叫びを
聞いた時、今、自分の手の中にある精一杯をしたいと感じます。

『苦しかったね。辛かったね。よく今日まで頑張って生きてきたね』そう、心から言
いたいです。

あなたは、幼いとき母親を殺しておけば良かったと後悔していると言っておられまし
た。
あなたの考えは理解できるし、その気持ちをとがめるつもりはありませんが・・・・
でも、良かった。 そうしなくて、本当に良かった。 
今以上に自分を苦しめてしまう事をしなくて本当に良かった。
今以上に傷ついてしまうことをしなくて良かった。

あなたの幼い時の右脳は正しい判断をして、あなたを守ってくれたのですね。
そんな判断力を持つあなたは、苦しかったかもしれないけれど、本当に心優しい、誠
実で、強い人なんだと思います。
だからこそ、あなたの魂は、どんな虐待の中でも抹殺されることなく叫び続けてきた
んだと思います。


私は、そんなあなたを、今度は貴方自身が大切にいたわってほしいと心から望みま
す。
もうあなたの苦しみは十分です。
子供の頃から周囲の大人達によって訓練された、貴方の左脳は、相変わらず以前と同
じ思考パターンで、貴方の思考を誘って、貴方を苦しめているかもしれません。
でも、もうそんなものに支配される必要はないのです。

そんな貴方の思考は、貴方が持ちうる思考の中の、たった数%にすぎないからです。
貴方には、そんなちっぽけな考えから解放されて、大きく羽ばたく可能性が詰まって
いるのです。

どうか思い出して下さい。
貴方が回りの大人達に害される前に持っていた、貴方自身の、人の英知を越える大き
なものに包まれた大きな心を。
貴方は今、それを忘れてしまっているのかもしれませんが、自分の心の中を怖れずに
じーっと見つめてください。
貴方の心の奥底でそれは、早く見つけてと囁いています。

子供の頃、貴方は自分の周囲の環境を選ぶ事は出来なかった。自分の生きたい様に生
きることは許されなかった。
でも、今は、自分の生き方を自分で選択する事が出来るのです。
貴方は、憎しみや、苦しみや、悲しみから解放される自由を選択する権利があるので
す。
どうか、その権利を投げ出さないで下さい。

貴方が、これからも憎む事や、恨む事、そしてそれによって苦しみつづける事を選択
するなら、貴方は第二の災害に苦しむ事になります。
避ける事が出来なかった第一災害だけで十分です。
これから生じようと待ち構えている第二災害は、貴方がその気になりさえすれば避け
る事ができるのです。

確かに、その道筋は今まで歩んだ事のない、見知らぬ道でしょう。
初めは、戸惑い、どの方向に進むのかさえ分からないと思います。
多分、想像できないほど、たくさんの勇気を必要とすることでしょう。
でも、大丈夫。
貴方の猫ちゃんも応援してくれているし、その道を先に歩み始めている、たくさんの
仲間達がいます。
そして、私達の力を遥かに超える、私達には理解し難い大いなるものが、貴方の心を
導いてくれます。

だから、勇気を出して、前に一歩足を踏み出してみましょう!
まず、第一歩は、ペンを持って、ノートを広げて、そこに貴方が今持っている、感謝
することの出来るものについて書いてみてください。
それから、別のページに、貴方の願いを書いてみてください。
何でもいいのです。どんな小さな事でも。大きな事でも。

初めは、貴方の左脳が邪魔をして、書く事をためらうかもしれません。「ばかばかし
い・・どうせ・・・」って
でも、諦めないで続けてみてください。そして明日もそれをやってみて下さい。そし
て、頑張ってそれをしばらくの間続けてみてください。
きっと何かが見つかる筈です。

 勝手な事を色々書いてすみませんでした。
 貴方を始め、貴方と同じように傷ついた人達の心が一日も早く癒されますように・
・・・
 かつての私のように・・・

《編集者より》
これは『「元模範的JW2世、現在、不活発(背教者?)その半生と、今の激しい思い・・」』に対するものです。あなたな「こうした投稿をする事ぐらいしか出来ない」と書かれていますが、こうした投稿こそ(別にこのサイトに限定するのでなく、世間一般に発言していくという意味で)あなたができる非常に重要な活動であると思います。あなたの投書は、元エホバの証人だけでなく、現役の証人や、これから証人になろうと考えている人々にも読まれ、それらの人々の心に必ず何らかの影響を残すことでしょう。このようなコミュニケーションが、今後のカルトの悲劇を最小限に食い止めるのに大きな役割を果たすのです。あなたの元エホバの証人としての役割は、今後も重要なのです。


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