「元模範的JW2世、現在、不活発(背教者?)その半生と、今の激しい思い・・」

(2-1-04)

 失礼を致します。 毎月、このサイトが更新されるのを楽しみにしていま
す。 また、多く方から寄せられる様々な内容のメールに返答する際の、村本
様の極めてバランスのとれたコメント・対応能力には、誠に驚くべきものがあ
り、感心することが多いです。(これはきっと多くの方が感じておられるで
しょうが・・) 

 私は、典型的なJW2世のもので、現在20代半ばの者です。 私の経験や現
在考えていることが、ほんの少しでもいいから、私と同様の背景をもつ方たち
の参考・助けになればと思い、また自分の感情の吐露として、誠に勝手ながら
メールをさせて頂きました。 どうか、よろしくお願いします。


 私は母がJWでした。典型的な、父:未信者(一時は強く反対、後に無関
心)母:JW1世・専業主婦という家庭でしたので、環境は容易にご想像頂け
るかと思います。 私が3歳の頃から母が研究し、その後すぐ献身。私自身
は、14歳中学2年の時に献身。兄が1人いますが、彼も中学3年で献身しまし
たが、高校に入ってすぐ不活発な状態となり、3年後に、排斥されました。 
哀しいことに、私は現在兄とは、ほとんど絶交状態にあります。 JW関連のあ
る複雑な問題ゆえ、普通の兄弟のように、笑って話し合うことができないので
す・・。 彼もまた、JWゆえに自殺・発狂に追いこまれるほどの苦労を抱え
て生きてきました・・。

 私自身が献身したのは、一番は、終わりが近い・必ず来る、という強迫観念
からでした。さらに、当時の会衆の雰囲気・圧力です。(これは、本当に巧妙
なものがありました・・特に、親がJWだと、あらゆる手段を駆使して、思いが
けない角度から子供であるこちらの人生・生活に強力に取り入ってくるもので
す・・) 若く、同年代の友人を最も強く求める年頃でもあり、周囲のJW人た
ちに受け入れられたい気持ち(世との交友がない分、その埋め合わせをJW内
部に求めて・・これもJW組織が信者を取りこむためのワナですがね・・)も
強いものでした。 また、兄が排斥され、”お兄ちゃんは、ハルマゲドンで滅
ぼされるんだ!”と、毎日絶望の淵にいた母をこれ以上悲しませることにも、
非常に困難なものがありました。(カルトは、人の善意・親切心をまさに逆手
にとって取りこむ、悪魔的なまでに巧妙なシステムが完成されていると感じま
す)

 私は献身後、非常に模範的な兄弟となりました。 補助開拓を行い、学校で
も多くの友人に証言しました。 集会や、大きな地域大会とかでも、度々イン
タビューされたりするようになりました。 特に個人研究には、本格的に取り
組みました。 卒業後、JWが経営する会社へ入社。が、不活発化してゆくの
は、その1年後でした。 その後は、言葉では表現できないほど紆余曲折を経
て、現在に至ります。

 私は、小さい頃(5歳?)からこの宗教に、漠然とした不気味さ・不信感を
感じてきました。ずっと、ずっと、何かがおかしい・絶対おかしい・・そうい
う思いを強烈に感じてきました。この宗教に関わってたら人生が狂ってしま
う、破滅に追いこまれる、絶対そうなる・・。自分の場合は、絶対に・・。 
直感的に、でもはっきりと、そう感じていました。自分はこれから逃れられな
いかもしれない・・そうも感じました。(右脳が自由に活動する子供の直感力
は、時に、訓練されて左脳が活発化した大人の思考力を簡単にしのぐ場合があ
るのかも知れない、と思います・・)

 私が、初めて本気で自殺したいと思ったのは、6歳の頃でした。 自分に
は、多分、地獄のような人生しか待っていない・・・、そう感じたからです。
 JWをやめるのも、大変ないばらの道が待ってる(一気に、家庭崩壊。すでに
洗脳されていたので、ハルマゲドンへの恐怖心。)・・一方、自分を押し殺し
てJWを今後やりつづけるのも、耐えられない・・。 漠然とした、巨大な恐怖
感が私の中の全てを占めていました。

 周りの友達が、大人に自然に甘えたり話したり、楽しそうに笑っていること
が、なぜあんなにできるのだろう?と信じられず、いつも緊張と恐怖と怒りと
自己嫌悪でイッパイの自分が、窮屈で窮屈で、仕方ありませんでした。 (虐
待された子供の典型的な精神状態に近いと思います) そんな幼い私はいつ
も、自分は大人になったら強くなって、自分にこんな訳のわからないモノを押
し付けたヤツら(母と、母を支配化においている宗教組織の圧力?)全員を絶
対、皆殺しにしてやる。そう思っていました。こいつらをどうやって殺してや
ろうか? 信じられないことですが、それを頭で想像しながらニヤニヤしてい
ました。 自分が苦しめば苦しむほど、やつらに仕返しするときの喜びは大き
くなるんだ・・密かにそう思うのが習慣になっていました。

 でもそうした真っ黒な異常心理を、子供らしい素直な態度で表すことは、当
然、できることではありません。 私は、宗教に少しでも反抗すると、すぐに
ムチでひどく打ち叩かれましたが、そのとき、思わず自分を押さえきれなく
なって、普段の私の異常心理の本心が態度に出てしまう時がありました。 そ
れは、いまで言う完全にキレタ状態になりました。大暴れし、残忍な態度でヤ
クザのような言葉で、母に反抗しました。 母はそれをみて、サタンが取り付
いた!と大声で悲鳴をあげていました。 また、私がそうなる理由がまさに、
自分が子供に押し付けている母の宗教にあることを理解しない父は、ひどい子
供だと言い、父にもひどい扱いを受けました。 誰にも自分の気持ちを理解さ
れないストレス。親に甘えたい年頃なのに、不本意にも親とひどい対決をしな
ければならない葛藤と重圧。 なぜこんなに幼い自分が、こんな複雑で難解な
状況に追いこまれているのか?、自分も何がなんだか全てが解らない恐怖と不
安・・。そんなこんな全ての感情がごちゃ混ぜになった気持ち・・。それが私
の子供時代の記憶です。

 私は当時からよく恐ろしい夢を見ました。毎回同じような内容の夢です。そ
れは、数百、数千万匹もの蛇、マムシたちが、交尾時のようにゴチャゴチャに
絡まり合って、それらが自分のわずかな足場以外の環境の全てを覆い尽くし、
うねうねと気持ち悪く蠢いているのです。 JWという化け物に支配され、進
退が極まった私の、精神世界での恐怖・おぞましさが、無意識の夢のなかで表
現されていたのだろうか?・・と思います。

 私は、大人が全く信じられなくなり、裏と表を使い分けるしたたかな子供に
なり、本心をいつも隠した幸せそうな子供を演じる術を身につけるようになり
ました。 同時に、そんな自分を、なんてひどい子供なのだろう?と恐ろしく
も感じており、自分はやっぱり異常な、悪い子なんだという罪の意識をも、
はっきりと感じていました。 これが後に、JWのいう”人間の罪深さ”の概念
(=だから、JW以外はハルマゲドンで滅ぼされて当然、の教理)の理解と結び
ついたとき、”聖書はやはり本当のことを言ってるのかも・・”となって、私
がJWへ傾倒して行く大きな引きがねと相成りました。 同時に本心では、”
私がJWの教理を反駁することで、復讐を果たしてやろう”という、あまりに
もリスキーな挑戦心があったようにも思います。(だから、JWを熱心にやれた
のかも) また、長年宗教と闘いつづけ、自分を偽り続けることへの疲労感
が、徐々に蓄積されていた結果、朦朧となっていたのかも知れません。

 そして私が、ある時期、非常に熱心・模範的なJWであったにも関わらず、
のちに不活発になるのも、子供時代の最初の直感、”この宗教は何かがおかし
い・・、絶対におかしい・・”というぬぐいがたい感覚が、深層心理の核に
あったからではないかと思います。

 実際、私が熱心な個人研究をすればするほど、そこに、どうしようもない深
い矛盾を、多く発見するようになりました・・。 皮肉にも、真剣な個人研究
をやればやるほど、JWたちの教義の矛盾が無視できないほど目立つものとなり
ました。 あらゆる文献を調べても、組織のお偉方にしつこく聞きただして
も、返ってくる答えは常に、ぬかに釘を打つように手応えのない、まともな答
えにならない、むなしいものばかりでした。(むしろ彼等は、そうしたあいま
いな状態にあることを、積極的に望んでいるかのようでしたが)

 純粋な教理に関して言えば、今私はハッキリと断言できますが、JWの教義は
基本的に、ただの人間の創作、作文です。 なんの権威も正当性もありません
ので。 JWのいうようなハルマゲドンが来ることは、絶対にないと考えていま
すし、JWのいう神やサタン、楽園などは、まず原理的に存在を支える土台自体
がない、空虚な妄想であると思っています。 

 めざめよ!塔4ページ目の、”本誌の発行の理由”にも毎月明記されていた
ように、いわゆる世代の理解を、”偽ることのできない、変わることのない神
の約束”として、JWは40年ほども信奉してきました。 95年ごろだったで
しょうか、それが突然、非常に欺瞞的な、いかがわしい方法で簡単に変えられ
ました。 ようするに、神が何も約束などしていないことを、組織は勝手
に、”これは神の約束である!”として、その権威でもって信者の生活をコン
トロールしていました。 彼らの神の約束・責任とは一体なんだったのか?、
偽ることのできない神の約束とは?、組織・統治体とは?、自分が幼いころか
ら、地獄のような思いでやってきたこと、投げ打ってきた青春は?、断ち切っ
て来た夢は、友人は ?

 その後私は、うつ病になり、自殺未遂を何度も繰り返しました。ぬぐいさる
ことのできない後悔と、自責の思い、自分は馬鹿だという思い・・。 そして
なにより、幼い頃感じていた、あの深い深い、真っ黒な憎悪と怒りの感情・・
が蘇りました。 その後の私は、本当に狂った人生を歩むことになりました・
・。母とも、何度も大ゲンカし、死ね死ねと言いつづけ、やり場のない怒りを
犯罪に向けるしかない生活でした。(警察にも、捕まりました) 何にも希望
が持てず、キズをいやされることもなく、さまよい歩き続けました。

 今はある程度よくなりましたが、時々、自分でもコントロールできない激し
い感情に呑み込まれてしまい、気持ちが落ち着くまで休憩することがしばしば
あります。自分が今のように少し持ちなおしたのは、飼っているネコのおかげ
だと思います。心の休息を本当に与えてくれますので。 あと、一番大きいの
は、ある程度の、お金を得たことです。経済的に、少し余裕を作れるようにな
り、趣味なども作れたことです。一応申し上げますと、こうなるまで、一発で
排斥になる行為を、山ほどやってきました・・。あんなにJW的だった自分
が、そんな風になるなんて、本当に人生は解らないモノです・・。

 実は今現在でも、幼い頃に、JWだった母親を殺しておけば良かった・・、と
本気で後悔することが、多々あるのです・・。(大人になって不活発になって
から、親の目前で、そう吐いたこともありましたが) 法的には、少年法が適
用されて、私は当然、可愛そうな虐待犠牲者として無罪。 世間的にもJWの問
題(特に、ムチの虐待とか)が、全国のテレビや新聞雑誌マスコミで大々的に
クローズアップされ、真の意味での大局的な”奉仕活動”ができたのに・・・
なんて思います。 実際そんな事件が起きたら、歴史的な大ニュースになるこ
と、間違い無しです。宗教について、社会や国家が真剣に考えざるを得ない、
無視できない衝撃のキッカケになるわけですから、結果的には、偉業ですらあ
ると思います。


 また私の場合、これから親が歳とって、老いて行く先で、面倒をみなければ
成らない状況が予想されるわけですが、感情的に自信がありません。

 何も解らない幼かった自分に、巨塔のようにそびえ立つ冷酷で難解で巨大な
宗教を押しつけ、少しでも聞き従わなければ、家畜のように残酷な態度で全身
を打ち叩き、精神的に自分を追い詰めた母。 本来、人生で一番幸せな記憶に
包まれるべき幼年時代・青春時代を強制的に剥ぎ取り、その代わりに、終生消
えないほどの根深い憎しみと呪いと後悔を植え付けた人。 (そして、そうし
た狂人に仕立て上げた、JWというカルト宗教の悪魔的システム全体・それに組
する者たち・・・) あんなに仲の良かった家族・兄弟関係だって、今や、修
復しがたい複雑な状態にあります。哀しいです・・。

 そんな母であっても、老いて行って面倒を見ない子供は、世間から悪者扱い
されます。 その時、大きな葛藤に圧迫される自分は、それにどう対処すれば
良いのか。 本当に、自信がないのです・・。 思わず、ひどい言葉を吐いて
しまうかもしれないし、耐えきれず、殺してしまうかも知れない・・。 普通
の家庭なら、そんな時は、元気で平和だった家族の昔話を、みんなで楽しく振
り返りながら、親への感謝の気持ちを感じたりするのかも知れません。

 が、JW2世として、極めて特殊な環境下で育った子は、それを押しつけて人
生を狂わせた親(しかも、”善意だった”、”あなたと一緒に楽園に生き残り
たかったから”、”真理だと信じていたから”という、子からすれば何に怒り
をぶつけていいのか、どうにもやり場のない怒り・・)と、そのようなほのぼ
のとした空気に浸ることは到底できることではないのです。 (しかも、私に
は復活がある! なんて妙に活気付きながら、死んで行くとしたら・・) そ
う感じざるを得ない自分が哀しくて・・、また、そんな人間関係を作り出して
しまう、JWの悪魔的なまでに精緻なカルト・システムに、どうしようもない怒
りと絶望を果てしなく・・・、感じてしまいます・・。 そんな時、私は本当
に、死にたくなります。 もう、全てを終わらせてしまいたい、と。

 でも、私は同時に思うのです。 要は、母も、愚かだったのだ、と。 ホン
トに世間知らずで、理知的にも決して賢くない、ちょっと社会から孤立した専
業主婦の母。主婦業と2人の男の子の子育てに圧倒され、一人の人間としても
色々と迷い不安があったはずの30代前半に、当時今より遥かに勢いがあっ
て、”主婦友の会”みたいな優しそうなJWたちの一群が、それこそ水も漏らさ
ぬような完璧な理論武装と下準備のもと、”羊さんが見つかった!”と大喜び
で近づいてきたのです。 なんの免疫も批判的な思考能力もなかった母がカル
トに洗脳されるのは、仕方の無いことだったのかも知れない。 本人は、嬉々
として、毎日JWをやってるのですし。

 でも、カルトは皆が加害者であり、同時に、被害者でもあります。 皆が
皆、お互いを監視し、騙しあって、むしろ互いが互いを騙すことを嬉々として
やる。 同時に、自分をも騙してゆく。 カルトの被害者とは、一体なにを誰
を憎めば、怨めばいいのでしょう? また、どうすれば、そんな憎しみのキツ
イ感情を癒すことができるのでしょうか? 本当に、難しい問題です。


 私は、常々思うのです。 カルト宗教とは、”人間の愚かさと複雑さの闇
の、究極の結晶として在るもの” なのだと。 人がみなが持つ愚かさと複雑
さのゆえに、人は悩み苦しみ、もがき、あがく。その結果、闇を覗かせる亀裂
が心に生じるが、その亀裂をカルトはいつも探し回っており、またそこにカル
トは流れ込む。 なぜならカルト宗教とは、闇を覗かせる人の心の亀裂という
源流から、この世に生まれ出でたものだから。 人の力では解決できない、極
限の苦しみ悩みを癒すために、人が作り出した大いなる幻想・物語こそが、宗
教の正体だから。 だが時に、何も実体のないその幻想自体が、勝手に一人歩
きする巨大なバケモノに成長して、逆に、生みの親である人間を乗っ取り支配
下におくことがある。 カルト宗教とは、その状態。 でもそんな状態もま
た、やはり、人間の愚かさ・計り知れない複雑さに起因するもの・・・。

 JWの間違いに気付いた人とは、その人間の根源的な愚かさの構造に気付いた
人なのであり、故に、JWたちのいる次元そのものを、一つも二つも飛び越えた
状態にあるのだ、と私は思っています。(=真の宗教者、だと思います) そ
んなことをプライドにしても、何の満足感もありませんが。

 気付いたら、こんな長文なってしまいました・・。 失礼をしました・・。
 今後とも大きな期待をもって、貴サイトを拝見させて頂きたいと思います。
 よろしくお願いします。

《編集者より》
あなたの家庭は、児童虐待、家庭崩壊、精神疾患と、エホバの証人問題のほとんど全てを背負い込んだような家庭で、その中で育って成人したあなたが、いかに大変な人生を過ごしてきたかは、想像を絶するものだと思います。しかし、実はあなたの家庭はエホバの証人の家庭の例外ではなく、社会の表面には出てこなくとも、あなたの家庭と同じ様な問題を抱えるエホバの証人家庭や、その被害を受けてきたエホバの証人二世は、数限りなく存在することが、悲しくも恐ろしい現実なのです。このサイトの多くの証言が、この隠された社会問題を見事に浮き彫りにしていると思います。この社会問題に対して、私は世界的に社会を啓蒙して、エホバの証人問題を世界的な社会問題として世論に告発して行くことが重要であることを常に訴えてきました。あなたの証言もまた、一つの貴重な「証拠」として、この場を通して社会に提示したいと思います。今後も更に、同じ様な体験を持つ方々の投書をお願い申し上げます。