「不活発を恥じることは有りません。それは自己防衛本能だからです」

(10-27-03)

「不活発を恥じることは有りません。それは自己防衛本能だからです。」

なんかJWの講演のタイトルみたいですね。

 

「はじめに・・・」

はじめて投稿させて頂きます。元2世です。多くの2世同様12歳でなかば誘導的に「
証人」にさせられ30歳まで「証人」でいましたが離れて12年です。現役時代から幾
多の疑問を抱いていましたが貴サイトを知って自分の考えが間違っていなかったことを
確信出来ました。バプテスマを受けても救われた気がしませんでしたが、このサイトを
知って本当に救われた気がしました。

 

「概要」

自分がおぼろげながらも感じていた疑問や矛盾を、他の多くの方も感じておられたこと
を知って本当に救われました。そして18年間実質的な不活発者であったことが私のダ
メージを減らしました。不活発だったことは、私が中途半端で煮え切らない性格だった
からでは無く、私自身が抱いていた疑問や矛盾を潜在的に感じ取って将来予想されるダ
メージに対して自己防衛本能に近いものが働き自然にソフトランディングする方法を選
んでいたのだと思えるようになりました。そしてそれは選ぶべき選択肢が少ないJW2
世だった私の選んだ結果が不幸中の幸いであったことを確信することが出来ました。そ
れを確信させて下さった貴サイトには本当に感謝しています。

 

「求められたこと」

多くの献身したJWが求められるのは、仕事を削ってでも全時間奉仕に就くことであり
、集会や研究に参加することです。さらにエスカレートして僕や長老そしてベテル奉仕
者になるといったところでしょうか。ところが私は組織に多くの矛盾や疑問を感じるこ
とにより、それら「献身的行為」を行いたいという希望を全く抱くことが出来ませんで
した。しかしJW2世であり自らの考えを主張することすら悪とされる組織のなかでは
他の多くのJW2世と同じく「多重人格者」にならざるを得ませんでした。

 

「多重人格者だった日々」

集会や奉仕には「慎ましい兄弟」のお面をかぶって参加しましたが、会社や私生活では
その反動で「この世の人」より悪い人間でした。集会や奉仕でたまったストレスは会社
や私生活で発散しました。仕事を調整する気など毛頭有りませんでした。高学歴不要と
教えられた世代で、工業高校にしか行けませんでしたが、某電気メーカー(ダイアモン
ド誌なんかでいつも就職したい会社上位なる会社です)に就職出来ました。寄付などし
たことも有りません。異性と遊ぶことや、新しい車のために収入を得ることしか考えま
せんでした。特に抑圧された異性交遊は「この世の人」以上でした。「この世の人」の
彼女が常にいましたし、彼女以外にも複数の異性の友達がいました。僕や開拓者になり
たいなどとは微塵にも思いませんでした。奉仕時間はいつも最低限。研究生はゼロ。個
人研究や集会の予習もゼロ。たまに割り当てられる神権宣教学校のプログラムを果たす
のがやっとの状態でした。集会よりデートやスキーやサーフィンや残業を優先しました
。派手なスポーツカーや自動二輪で集会に行きました。なんて不活発なJWでしょう。
それでもたまの集会で慎ましそうな顔をしていればなんとかなったのです。外見しか見
ない人間の集まりだったのですね。

 

「自然消滅」

ある姉妹との婚約をめぐった騒動をきっかけに交わりを絶つことを会衆に告げました。
しかしこの騒動はきっかけに過ぎません。それが無くても他の何かをきっかけに交わり
を絶ったと思います。たまたまそれがトリガになったに過ぎません。

 

「交わりを絶った衝撃」

JWから離れた衝撃はほとんど有りませんでした。むしろ集会も奉仕も研究もなんにも
しなくていい開放感でいっぱいでした。そして抑圧され続けてきた異性交遊も一気に噴
出し、数年間遊び倒したあげく、自分の望む理想の美人と結婚し、今は二人の子供がい
ます。もともと好きだった生涯唯一無二の趣味(物を作ったり集めたりする趣味です。
)が有りましたから、時間もお金もつぎ込むようになれました。

 

「失われた18年間」

それでも私がJW2世だった18年間に失ったものははかり知れません。若さと体力に
あふれた貴重な時間。JWで無ければ失わなかった友人。格闘技拒否で下がった成績。
集会や奉仕と重なって行けなかったイベント。教理上の理由で参加出来なかったり買え
なかったものたち。奉仕で感じた屈辱。全部書けば本が出来てしまいます。悔しさと自
己嫌悪でとても書き出すことが出来ません。

 

「不幸中の幸い」

私のような不活発者ですらこれほど多くを失ったのですから、本当に人生の全てをJW
に捧げて、僕や長老や開拓者にまでなってしまった人たちが真実を知った衝撃は想像を
絶するものが有ったでしょう。貴サイトの読者の頁に有るいくつかの事例はそれを証明
していると思います。私はこう考えるようにしました。

「失ったものを数えていても仕方ない。私は多くを失ったが不活発だったことが不幸中
の幸いとなって、人生の全てを失ったわけではない」「不活発だったことは、私が中途
半端で煮え切らない性格だったからでは無く、私自身が抱いていた疑問や矛盾を潜在的
に感じ取って将来予想されるダメージに対して自己防衛本能のようなものが働き自然に
ソフトランディングする方法を選んでいたのだ」と考えるようになりました。私は本来
仕事も趣味も情熱的に取り組むほうです。集会も奉仕やその他のJWの活動にまったく
必要性を感じなかったのは自分自身が感じてきたJWに対する漠然とした疑問や矛盾に
対し、論理的にではないにしろ直感的に唯一の真理ではないと覚る能力が有ったからだ
と思うようにしています。そして貴サイトはJWに対する漠然とした疑問や矛盾を、論
理的に確信させてくれました。JW2世の選択肢は狭いです。それでも私は「最悪」の
コースを避けることが出来ました。「不活発を恥じることは有りません。それは自己防
衛本能だからです」こんなタイトルで講演してみたいですね。講演の最中につまみださ
れますね。きっと。

 

「現在」

自然消滅しましたが、いまだ現役JW両親といがみあうことなく普通に同居しています
。そして多くのJWの皆さんとはあいさつも会話もします。なぜ排斥されないかはまた
別の機会に語ります。JWだったせいで得たことも多少あります。会社では急ぎのプレ
ゼン作成を依頼されます。短時間でわかりやすいプレゼンをつくることが出来るからで
す。神権宣教学校の「賜物」です。営業やコンサルタントのような仕事も難なくこなせ
ます。見知らぬ人の家を何万回も訪問させられましたからね。前述の会社に今でも勤め
奥様と二人の子供と普通に暮らしています。趣味はとても充実しています。「失われた
18年間」に得そこなったものを少しずつ取り返しています。JW2世として限られた
選択肢のなかから自分の歩んだ道が「最悪」で無かったことを確信させてくれた貴サイ
トには本当に感謝します。本当にほんとうにありがとうございました。

《編集者より》
一つのエホバの証人二世の生き方として興味深く読ませていただきました。不活発であることは、自然消滅を簡単にしますし、やめた後の精神的な衝撃も少なくしてくれると思います。また、一切のつながりを断ち切らないことで、両親や他の親族との一定の家族関係が保てます。確かに、今どうしたらいいか分からないエホバの証人の方々も、とりあえず不活発化することはそれ程大きな困難は伴わず、しかも将来に色々な選択肢を開いてくれるので、ぜひ考えてみたら如何でしょうか。