「ねたみと あら捜しと 65点の私」

(8-28-03)

中年のつぶやき

近所の小会社での面接に、
派遣のオフィスワークの時と同じように、
黒のリクルートスーツ、白のブラウス、控えめな化粧と、栗色のオフィスカットで出掛け、
パソコンで印字した履歴書と職務経歴書を差し出したら、
一通り目を通した若手の男性社員は、
「ITに明るいみたいですが、LANの構築なんかは出来ますか?」
と質問してきた。
答えている間中、男性社員の横に座っている中年のオバさん社員は、
耐えずこちらに睨みを利かせ、フンと鼻を鳴らして、胡散臭そうに値踏みしている。

    ああ、またか…。

とっさにそう思った。
近所の小会社で、中年のオバさんが面接に当たる時は、合格した試しが余り無い。
合格しても、就業中に別のオバさん社員に恨みを買い、結果、辞める羽目になる。

結局、派遣で、オフィスビルのOAクラークに就くのが一番楽なのだ。
大勢の男性社員と、私よりもずっとITに明るくて、若くて綺麗な女の子達がいる
オフィスビルのなかでは、誰も私の事など、気に止めない。
くだらない、ねたみ、恨みなど、買う事が無い。
その分、アフターファイブで、彼女達とご飯食べたり、映画観に行ったり…
何てことも無いのだけれど…。(ちょっと、寂しい)

エホ証の世界では、(少なくとも、私が属した全ての会衆では)
近所の小会社の世界そのものだった。
見た目は勿論、夫の職業、収入、生活様式、学歴、etc。
エホ証やってく上で、本来どうっだていいはずの事柄で、うらみ、妬みを買い、
ねちねちいびられる。

    ばかばかしい!
    だから、中年のオバさんは嫌いなんだ!

心の中で悪態ついても始まらない。
若い姉妹達は、例え年齢が近くても、私の事を
主婦の姉妹
という目で観て、区別している。

たまたま、同い年の独身の姉妹がいると、
"きっと、親友になれるわ"
何て思ったら大間違い。
結婚できない自分のふがいなさと惨めなプライドで、妬みの矢面に立たされるのが、オチ。

独身の賜物。
うそこけ!
独身の妬みじゃないか!

あー、疲れた。

今の主人がいつも、私に言う言葉は、
「最初に会ったとき、なんて、気品があるんだろうって思ったんだ。
 俺なんか、きっと相手にしてくれないだろうなって、思ってたよ。
 でもさ、話してみたら、案外違っててさ、
 俺の話しに着いて来てくれるし、面白いし、ドジだし、マヌケだし…。」

はははははは(誉め言葉になってないぞ!)
勝手なイメージで、見られてしまうんだな…。て、つくづく思う。

最初に100点つけられた彼女と、
最初に50点つけられた彼女。二人の彼女がいる。
100点の彼女は、実は案外、ドジで、マヌケ。失敗ばかりする。
50点の彼女は、実は、見た目ほど出来が悪くなかった。

100点の彼女はドジや失敗をするたびに、減点される。
‐5点、‐10点、‐15点。
減点は重なり、持ち点が65点になった所で落ち着いた。

50点の彼女は、何とかこなしたところで、得点される。
+5点、+10点、+15点。
得点は重なり、持ち点が65点になった所で落ち着いた。

100点の彼女も、50点の彼女も、今は仲良く65点。
きっと、みんな、65点の二人を同じように見てくれるわね!

いえいえ、違いました。
100点の彼女は、マイナス35点の人で、
50点の彼女は、プラス15点の人なんです。

なんだか、さびしい。

エホ証やってく上で、本来どうだっていいはずのことほど、
エホ証やってく上で、本当は凄く重要な事なんだよ。

なんだか、虚しい。

マイナス点捜す為のあら捜しするの、もうやめて。
見た目、夫の職業、収入、生活様式、学歴、etc。なんかでさ、
私に点数つけないで!

抗って、抗って、抗って、抗って、
いつのまにか、こんなトシになってしまった。

キラキラ輝いてる若くて綺麗な女の子達見るたびに、いつも、
「中年のオバさんの餌食にならないでね!
 中年のオバさんには充分気をつけるんだよ!」
と、中年の私が言ってる滑稽さを、彼女達はどう見てるんだろう?

哀れみ? 疑問? 不可解なマナザシ…。

それでも、キラキラ輝いてる若くて綺麗な女の子達と、一緒に居たいと思う
わたしだったりする―――。

《編集者より》
残念ながらねたみとあら捜しは、エホバの証人に限らず全ての人間社会につきもののようです。ただ、エホバの証人のような統制されて閉鎖された社会では、それが先鋭化するようです。また、島国の単一民族である日本人の間には、アメリカのような多人種多文化社会よりもねたみ、あら捜しと言うような歪曲化された競争意識が強まるように思います。