このサイトへの賛辞と不満−ものもの塔に家庭を潰された方より

(8-9-03)

前略
 はじめてお便りさせていただきます。
まず、貴ホームページを読んでの率直な印象を、以下に述べます。
1.これだけのすばらしいH.P.を続けておられる、そのエネルギー
  と努力に賞賛を覚えます。
2.できるだけ公平にものを見て、それを冷静に伝える姿勢は、
  大いに評価できます。
以下は、不満な点です。
1.奥様と娘さんがエホバの証人、と仰っていますが、そのことで
  編集者ご本人がどの様に考えられ、どの様におふたりに接し、どのように
  悩んでおられるのか、が全く語られていない。
2.もちろん個人的なことなので、公にできない点が多々あることは
  十分理解できますが、家庭の中でエホバの証人とそうでない人間
  が、一緒に暮らしていくとどんな悲劇が起こるのか、そこのところを
  公にしていただきたい、と考えます。
3.はっきり申し上げて、貴殿がおやりになっていることは、ものみの塔
  に家庭を潰されようとしている人達には、あまり助けにならないと
  思います。
因みに、私自身は2年半ほど前に、妻がカルト宗教(ものみの塔)に
はまったために、離婚を余儀なくされ、しかも一家四人はばらばらと
なり、あげくの果てには兄弟(私の)とも絶縁状態になったものです。
 ご意見を頂戴したく、よろしくお願いします。
アンコール・トム

《編集者より》
私の家族に関する質問は時々頂きます。私自身が私の家族のことを表面だって語らないのは、あなたも察していられるように、私の家族の人権は、たとえ妻や子供でも私が勝手に踏みにじることが出来ないからです。私には彼らのプライバシーを保護する義務があると思っています。このサイトを始めた頃は、私の名前も存在も誰も知りませんでしたが、その後何年も経つと、このサイトや医学論文や、裁判関係の報道などで、私の名前がかなり公になり、そうなると私の家族が誰であるかも簡単に分かってしまうようなりました。完全な匿名で私の家族の状況を明らかにすることが出来ない以上、これは不可能なことなのです。

「家庭の中でエホバの証人とそうでない人間が、一緒に暮らしていくとどんな悲劇が起こるのか」を公にして欲しいと言うご希望ですが、私自身が自分のことを上に述べたような理由で公に出来ないのに対し、あなたのように匿名で投書できる方はそれが自由にできるはずです。あなたの家庭の状況は、ものみの塔がもたらす悲劇の最悪のものの一つでしょう。あなたこそが、その状況を詳しく公にすべきではないでしょうか。この読者の広場は、私がそれができない代わりに、多くの匿名の方々がそれをできるようにするために作られた場所なのです。

最後に「ものみの塔に家庭を潰されようとしている人達にはあまり助けにならない」という批判ですが、それはその通りであると思います。私も長年この問題に取り組んで来ましたが、直ぐに解決できる特効薬はないように思います。あなたのような家庭の悲劇に直面した人が、監禁による強制改宗という最後の手段に出るのも理解はできます。ただ、実際に夫々の家庭の状況を聞いてみると、一概にエホバの証人である夫婦の一方が問題であるだけでなく、他の多くの要因が家庭破壊に繋がっている場合があり、改宗するだけで問題が解決しない場合も多くあることを知りました。従って、私の最近のこの問題に対する取り組みは、エホバの証人とものみの塔協会の方針を変えさせて、家庭の軋轢を少なくすること、そして少しでも多くのエホバの証人の人々をその幻想から目ざめさせて、現実的な生き方を自発的にしてもらうこと、に焦点が移っています。世界的な批判を浴びて、ものみの塔協会は少しずつ、その荒唐無稽な教義と不可解な教えを変えてきており、より常識的な世俗宗教への道を少しずつ歩み出しています。私の今の取り組みを例え話を使って説明すれば、癌の患者の癌を切り取ることばかりしいても一向にらちがあかないので、むしろ癌の予防とその原因の撲滅に動き出した、と言ってもいいかもしれません。残念ながらこの取り組みは、癌が進行した人々には役に立たないことです。