「大学教育に関するベテルの実態・偽善」−エホバの証人と司法教育

(1-31-03)

編集者様へ

1、2年ほど前からこのサイトを拝見しています。当時はまだ現役の証人でしたので、非
常に大きな罪悪感と警戒心とを抱きつつ、それでもどうしても晴れないエホバの証人組
織への疑問の答えを渇望し、決死の思いでアクセスしたのを覚えています。そしてまさ
に納得のいく答えをここで見出すことができ、本当に心から感謝するとともに、こうし
た努力を払っておられる村本さんにはいつも心底敬服しています。
いわゆるエホバの証人の模範的な二世だった私の経験したことの中で、どうしても知っ
ていただきたいことがひとつありまして、述べさせていただけたらと思います。私が物
心つくころに母がエホバの証人になり、私も何の疑問もなく早いうちにバプテスマをう
け、普通高校に在学している間に正規開拓者になり、18歳で奉仕の僕になりました。
私にはわりと小さいときから弁護士になりたいという漠然とした、しかし強い願望があ
ったのですが、まじめな二世でしたからそんな夢はあきらめて、べテルに入ることを目
標にしていました。お決まりのように会衆の長老からも巡回監督たちからもはっきりと
、(強調したいのですがはっきりと)「大学には行かないように。大学教育を受けてべ
テルに呼ばれるなんてことはありません。むしろ家を早く出て、自立した人間になりな
さい。将来役立つから建設業を是非しなさい。」などと言われ、大学にはいきませんで
した。結局、大学に行かなかったために、社会的に高い地位にある父親からは10代で家
を追い出され、「つらい人生経験をすればするほど円熟してべテルに招待されやすいよ
」 というまわりの言葉を信じて、建設作業員や、新聞配達をしながら必要の大きな会
衆を転々としました。精神的にも肉体的にもかなりつらい日々でしたが、そういう経験
をして人間的に成長しないとべテルにいく資格はない、といわれてがんばっていました
。あるとき、一時的なベテル奉仕者として海老名に呼ばれ、大感激のうちに非常に大き
な期待を抱いてベテルにいきました。ところが・・・・
そこで正規の奉仕者として働いている人のうち、長老の息子たちのなんと多いことか・
・・しかも、多くの人たちは一度も家を出たこともなく、かなり若いうちにまるでシー
ド選手のようにそこに呼ばれて、偉そうにしているのでした。そして、なんと大卒の多
いことか・・・ 支部の方針は完璧に違いないと信じ込んでいる私には、目にした光景
をどう理解したらよいのかわからず、とても動揺しました。ベテルに呼ばれるための一
番の条件はコネだよ、と多くの人は平気で言っていました。そして現実もそれを裏付け
ていました。家を出た経験もなく、聖書の知識も人間性も霊性もほとんどないように見
える、わたしより年下の、何の苦労もしていない長老の息子たちや大卒の人たちがたく
さんいたからです。
やがてベテルでの私の奉仕の期間が終わり、いわゆる任命地に戻ったのですがそこで交
通事故にあい、しばらく働けなくなってしまいました。仕事も、貯金も、学歴も、親の
支援さえもなく、また、いつか呼ばれると信じていたベテルにもどうやら行けそうもな
いと思い、かなり精神的なバランスをくずしてしまいました。
そんなころ、私の知人の一人がベテルに呼ばれたと聞きました。やはり一度も家を出た
こともなく、まともに自立した生活もしたことがないと自分でも言っている人でした。
そして、ここからがぜひ皆さんに知っていただきたいことなのですが、その知人は支部
委員の杉浦氏から直接に、どこの大学の何学部を出て、どんな教育を受けたのかを詳し
くたずねられ、どうやらその学歴のためにベテルに呼ばれたらしいとのことでした。数
年前から日本支部では、名の知れた大学の法学部を出ている人たちをベテルに呼び、一
切ベテル奉仕をさせずに部屋にこもって司法試験の勉強をさせているのです。司法試験
合格者の輩出率の高さで有名な法律予備校の通信制の教材を、一人につき各100万円も支
払ってあてがい、勉強させているのです。ベテルに行くことを夢見、協会やものみの塔
誌の指示に生活を全てあわせて熱心に働き、親も、学歴も、夢も、健康すらも失った私
には結局何も残らず、大学にいくなとの協会の支持を無視して、いい加減に大学にいっ
てた連中が、親の是認も、学歴も得、なおかつ私のように必死に奉仕しながら、健康を
削ってまで多くの人が送ったであろう寄付を協会が湯水のごとく使って、その人たちに
司法試験を受けさせているとは、あきれるばかりの偽善だと思います。そして、これま
で司法試験に落ちつづけている人や、いい加減に教育だけ受けてあとはベテルをやめた
人もいるやに聞いています。(2,3年前の話ですが。) また、少なくとも現在までに
2人は司法試験に合格したのは確実です。そして、「全時間奉仕者の立場なんだけど、
司法修習で毎月20万以上もらえるなんていいよなー」といってるベテル奉仕者もいまし
た。またある兄弟が、一人の司法試験合格者に「自分は協会の言うとおりにしてすべて
を捨てて奉仕したけど、ベテルには呼ばれなかった。僕が開拓をやっている間に大学に
いっていた兄弟が結局はベテルにいて、協会のお金で司法試験も受けさせてもらって、
そのことをどう思うの?」と率直にたずねたとき、そのベテル奉仕者は、「そんなのは人
生の敗者のたわごとだね」と冷たく言い、自分は人生の勝利者だといわんばかりの態度
をみせてました。
ものみの塔の日本支部は、とにかくこうした事実はひた隠しにしたいらしく、ベテル奉
仕者の中でもあまり知られていないですし、実際ある巡回監督とひょんなことで彼らの
話になったとき、その巡回は得意げに「彼らはベテルの奉仕を8時間したあとに、自分
の部屋で自分の時間を削って独学で合格したんですよ」などとあきれたことを言ってい
ました。私が事実を少しだけ告げると、彼は「いや、絶対そんなはずはないです。兄弟
、兄弟はベテルの内部をご存じないんですよ」と、言っていました。私は半ば虚脱感と
、あきれた思いと、一種のおかしさを感じながら、「兄弟はその人たちの名前はご存知
ですか」と尋ねました。その巡回はほんの少しあせって、否定の答えを述べたので、私
は彼らのフルネーム、働いている部門、会衆名、出身大学もいっきにまくし立てました
。彼は随分気まずそうにしていました。彼は真実を知らなかったのでしょうか?それと
も'特例'として、事実を隠すためならうそをついてもいいように言われたのでしょうか?
少しでも多くの人が、この組織の正体に気づいてくれたらと今は思います。そして、私
の場合、マインドコントロールをといてくれたのはまさにこのサイトでした。もういち
ど感謝させてください。
<後略>

《編集者より》
ものみの塔組織にとって、弁護士は組織の外に対する戦いの最大の武器となっています。輸血拒否、格闘技問題、布教の自由など、全てエホバの証人の弁護士が多数動員されて、その威力を発揮します。従ってものみの塔協会は、弁護士を「世の人」に頼らず、証人の内部から調達する必要があります。私自身も最近エホバの証人の弁護士と対峙する機会があり、彼らが組織ぐるみで最大限の優遇をされて、最高の仕事をすることを期待されていることを目の当たりに見ることができました。第二代会長のラザフォードが弁護士であったことから始まり、ものみの塔協会と弁護士とは切っても切れない縁があります。しかし、高等教育を禁じていた時代には、大学へ行かせずに弁護士を育てることは不可能ですから、あなたが目撃したような自己矛盾を内密で行なわざるを得なかったわけです。エホバの証人の内部で弁護士を調達することは組織にとってそれだけ重要なことであったわけです。アメリカを敵視することを教えながら、エリートをこっそりとアメリカの大学に留学させて核兵器の製造を学ばせるどこかの国の政府に似ています。ベテルのエリートは同じように特別扱いをされて、組織の「武器」の整備の一環として働いていたのでしょう。一般のエホバの証人には大学教育を戒めながら、その裏で組織の戦略に必要とあれば、全く正反対のこともする、この組織の偽善体質をよくあらわす事例であると思います。将来、元エホバの証人で弁護士という人々が、被害者のために活躍してくれることを私は期待しています。