「世界政府の樹立」

(11-22-02)


拝啓
下記の通り投稿いたします。

人類の長年の夢は世界政府の樹立であり、国際連合及び国際連盟はその願い
の表れです。エホバの証人たちは、エホバという神の人間に拠らない、キリ
ストの支配する世界政府の実現を待ち望んでいます。しかし、聖書を学んで
いる人々もほとんど認識していない盲点があります。実は「世界政府」は人
類の歴史の初期の段階で存在していたのです。大洪水後バベルにおいて全人
類が一つの言語の下に統一され、ニムロデの支配する一つの王国の下に生活
していた時のことです。そうです。この時人類は一つの言語、一つの宗教、
一つの人種で構成されていました。大洪水後に言語が乱され、異なった言語
集団が異なった気候の地域に分裂して住むまでは、人種の分化は生じなかっ
たと考えるのが論理的だからです。しかし、エホバはこの状態を好まず、人
類の言語を乱されました。その理由は「このまま人類が同じ言語で統一され
て地に増え広がっていったら、(エホバを含めて)誰もその悪を止めえない
から」だとエホバご自身が言っておられます。当時の文明の水準を知る手掛
りとしてバベルの塔があります。その規模は塔の影の端から端まで半日路で
あるという想像を絶する大きさです。これはエジプトのギザのクフ王のピラ
ミッドをはるかに上まわるとんでもない大きさの建造物です。つまり、当時
バベルにはエジプト文明をはるかに上まわる高度な文明が存在していたとい
うことです。ではなぜエホバはその文明を忌み嫌ったのでしょうか?それは
バベルがエホバの支配を離れて人類自らの手で統一された世界政府を成功さ
せようという、全能者の支配に対する挑戦の地だったからです。すなわち、
ここに言う「悪」とは、全能者から離れた人類の支配を成功させようという
挑戦のことです。明確な形で自分の支配の正当性と被造物支配の無意味さを
立証しようとしていたエホバにとって、この地における人類の急激な発展は
非常に邪魔だったことでしょう。すなわち、エホバにとって自分に支配の正
当性の立証とは、挑戦者の立証妨害でもあったわけです。皮肉なことですが
、仮にエホバから離れた人類の支配が成功し、人類の問題が自らの手で解決
され、人類が自立して幸福になれば、エホバの支配の正当性の立証にとって
は不利になるのです。この点に関して逆の視点から言えば、サタンが仮に人
類をエホバから離反させるために苦難の状態に陥れているとすれば、エホバ
から離れた被造物支配が成功しないと立証することに貢献する結果となって
いるのです。それはサタンの立場が関係しています。すなわち、サタンには
両極端の支配のやり方があります。自分のエホバから離反した支配を理想的
に成功させようと試みること、そして、人類のエホバからの離反に専念して
可能なかぎり多くの人類を滅ぼすことです。エホバの証人はサタンがエホバ
と同等の支配者となりたいという願望の故にエホバに挑戦反逆したと確信し
ています。しかし、たとえこの願望と矛盾することがあっても、サタンは自
分の最終的な運命を知っている以上、後者の目的も遂行せざるをえません。
そこにエホバがサタンを利用しやすい状況が生じています。すなわち、サタ
ンがどちらかの目的に専念すれば、エホバの目的はもっと遂行しにくいでし
ょう。サタンは自身もこのことを認めています。荒野でのイエスへの誘惑で
、サタンは自分のすべての王国の栄華を示して、「これらすべてのものは定
められた時まで私に任されており、だれでも望むものにあたえることができ
る」と言っています。それはあたかも自分の栄光を永遠に立証することを望
むエホバが、自分の書いたシナリオに従って、イエスに善役を、サタンに悪
役を演じさせているかのようです。エホバにとって、支配者としては、平凡
で平和な永遠の時間の流れの中で支配を成功させて立証される栄光よりも、
苦難の.歴史を導き、最終的に治めた栄光の方がはるかに大きいことでしょう
。もしサタンの反逆と人類の苦難の歴史がなければ、人類は永遠にエホバが
ひとり子を購いとして犠牲にするのを見ることも、人類を復楽園へ導く際の
偉大な能力も見ることはなかったでしょうから。その意味ではサタンと最初
の人類の反逆は、エホバにとって極めて利用価値の高い状況であり、エホバ
がこのような絶好の機会を望んだとしても不思議はありません。

《編集者より》
あなたの聖書理解がエホバの証人の聖書理解と異なることを論点とされているのか、それともエホバの証人の教えを補足する積りで書かれているのか、あなたの真意がはっきりわかりません。ほとんど全ての宗教は悪と苦難を克服することに目標を置いており、そのために様々なシナリオと説明を構築しているので、それが聖書に基づくにしろ、ものみの塔協会の独創作にせよ、みな同じような話になります。その意味で私もあなたの結論と同じように「不思議はありません」と思います。


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