教理に苦しめられ続けた元研究生

(9-11-02)

こんにちは。以前メールさせていただいた元研究生です。私は、1980年頃から研究生に
なり、途中一時やめたこともありましたが、6年ほど続けました。その後大学に進学した
為それからは、直接は関わっていなかったのですが、このホームページに出遭うまでの
間はその時の教理に苦しめ続けられました。特に、「1914年の時点で、物事を理解出来
る年齢の人がすべて死に絶えるまでにハルマゲドンが起こる。」「国際連合が全ての宗
教を弾圧し滅ぼし、迫害に耐えたJWのみがハルマゲドンを通過し永遠の命が与えられる
。」「人々が平和だ安全だと言っている時に終りが来る。」等です。教理がこれで正し
いかどうかは、解りませんが少なくても私はそう理解していました。そしてもう一つ「
永遠の死」です。JWの方々は神は優しい方なので「責め苦に遭う地獄」などは存在しな
い。と主張しますが「永遠の死」ほど恐ろしい地獄は他に存在しないと思います。私は
教理を信じたまま大学に進学したという事情で組織から離れたという微妙な立場でした
ので、そのままハルマゲドンを迎えると「事物の体制」と共に滅ぼされるとずっと信じ
ていました。その為常にニュースや新聞の記事には敏感になりました。特に核軍縮など
米ソの動き、国連の動き、宗教の起こす事件、などのニュースのたびにビクビクしてい
ました。なぜならこれらのニュースが、叩きこまれた教理と結びついて頭の中でシュミ
レーションされてしまうからです。例えば、核軍縮が進むと核兵器がなくなり、人々が
平和だ安全だと言うのではないかとか、俗にカルトと呼ばれる宗教が事件を起こせばそ
れをきっかけに国連が動き出すのではないかとか等です。実際当時研究生だった私は国
際平和年の前の年の地域大会に出席したのですが、その時の公演者が「来年は国際平和
年であるが、人々が平和だ安全だと言っている時に終りが来るという預言の究極の成就
ではない」と言っていました。究極の成就ではないということは、裏を返せば一部成就
したということともとれ、その時の兄弟・姉妹の方々は終りが近いと認識していた様に
思えました。それから尾を引き核軍縮など平和への動きのニュースが入るとその度にビ
クビクしていました。特に冷戦を終らせたゴルバチョフの動きには恐怖さえ感じました
。宗教に関係するニュースではもちろん地下鉄サリン事件などもそうですが、スイスで
宗教団体の集団自殺事件のときにはもうだめだと思いました。スイスの一般市民にマイ
クが向けられ「宗教なんて全部無くなってしまえばいい」と言ったときにはついに預言
が成就したものと思いました。なぜなら、国連の非加盟国が国連に働きかけ国連が宗教
弾圧に動き出すと教えられていたからです。そのように教えられた当時の非加盟国は小
さな独立国を除けばスイスと南北朝鮮だけでした。そのニュースを聞いた時点では、ま
さにスイスだけだったのです。それでも何とか「事物の体制」は続きました。私は常に
組織に戻ろうと考えていました。しかし良い人たちばかりであると言う事は解るのです
が色々な面で「この世の人」と違った生活を強いられるのが嫌でした。1914年に10歳の
人は1994年では90歳、2004年では100歳なのでまだ大丈夫だろうと勝手に計算し、大学・
大学院在学中は恐らく何も起こらないから卒業してから始めようと思っていました。し
かし一度「この世」に出て罪を犯した人間は受け入れてくれないだろう。いくら研究生
でも排斥者と同じ扱いを受けるだろうという恐怖心もありました。そうこうしているう
ちに大学院を卒業し就職してから数年が経過し1998年を迎えました。研究生だった当時
の「司会者」が今世紀中にハルマゲドンが起こると言っていたのが頭にあり、それが本
当ならもう間に合わないのですが希望もありました。ノストラダモスや多くのカルト教
団が1999年にハルマゲドン?が来ると説いていたので、偽りの宗教の言うことは絶対に
当たらないと思っていたからです。しかし、何も無ければ人々は平和だ安全だと言い始
めるだろうし、1914年に5〜10歳の人は1998年には89〜94歳なので、そろそろ戻らなけ
ればと思っていました。JWの昔お世話になった長老にコンタクトを取ろうと思っても踏
み切れず、電話帳でエホバの証人問題相談所という電話番号を見つけたのですが、電話
するのも踏み切れず、インターネットの検索サイトで「エホバの証人」「ものみの塔」な
どと言う言葉も怖くて打ち込めず、震えながら自分に「ものみの塔」ではないと言い聞
かせ「ものみ」と入力し検索しました。そしてこのページと出遭いました。レイモンド
フランズ氏の記事を読み目から鱗が落ちる様でした。忠実で思慮深い奴隷級の実態はこ
な物だったのかと思い神からの直接の指示を受けていると言うのも嘘だと言うことが解
りました。本当に救われた気分でした。しかし最初のうちは戸惑いもありました。この
宗教が唯一の真の宗教でなければどこまでが良いことでどこまでが悪いことか解らなく
なってしまいました。例えば輸血をすることはよいことか、鯨の肉を食べることは良い
ことか、墓参りをすることは良いことか、これらの事が良い事ならば法律を破る事は良
い事か、完全犯罪で、ばれなければ何をやっても良いのか・・・それから数年経ち現在
は普通の人と同じ価値観で生活をしています。

《編集者より》
エホバの証人に関心をもつ人間の心理を、ご自分の体験から詳細に書いていただきありがとうございました。エホバの証人になる心理的背景は、「エホバの証人と精神疾患」の記事に書きましたが、恐怖と依存心の植付けにあります。幸いなことに、あなたは心の健康を蝕まれずにすんだようですが、あなたの経験したような妄想的な恐怖心が続くと、精神病の発病につながることがあります。あなたがものみの塔から離れることができた後でも、「どこまでが良いことでどこまでが悪いことか解らない」状態が続いたという症状は、典型的ないわゆる「マインドコントロール」の後遺症状です。つまり、人間としての基本的な独立した判断力を麻痺させ、赤ん坊のように組織に依存する人格を作り上げたのです。なお、このメールは7月30日付けになっていますが、こちらに9月11日に到着しています。