「投書を読んで思うこと−組織から離れないようにしましょう」

(9-7-02)

 いつも楽しく拝見しています。現役JWです。30年近く組織と交わっており、母親は2
0年以上熱心な開拓を行っています。妹も現役です。弟は3年ほど前は離れました。会衆
の責任ある方々につまずいたと本人は申しております。
 私と妹は長く開拓奉仕を行っていましたが、何年か前に降りました。不況が続きこれ
から生活が厳しくなると思い、また自分の奉仕時間を他人に公表してるみたいでなんか
聖書的じゃない?と思い降りました。
 多くの方の批判的な投書を読んで感じたことことですが、JWとはいえ不完全な人間
だから、世で普通に行われている嘘やねたみ、不誠実な行為が多少存在してもまったく
不思議ではないんじゃないかと思います。
 それにイスラエルの歴史を振り返っても彼らは反聖書的なことばかり行なっていたじ
ゃないですか。それでもエホバは1500年間も彼らを正式なJWとして認めていましたし、
、、。
 今は何でも許されているんですよ。本音も建前もありなんだと思いますよ。ハルマゲ
ドンのときに全て正されるでいいじゃないですか。だって必ずくるんだからハルマゲド
ンは。
 それまで気を長くして待ちましょうよ。そんなの来ないって考えることは絶対に出来
ないんだから。もし聖書が間違っていたら人間が存在してる理由、自然界の理知ある設
計、人間の将来など全て納得できる説明が無くなってしまうもの。そうしたら今自分が
何のために生きているのかも分からなくなってしまう。こんな時代がこのままずっと続
いて、何の希望もなくだらだら生きるなんてまっぴらです。
今だってエホバはたびたび祈りに答えてくださいますし。
だから今は日本独特の右へ倣え、のガチガチのJWじゃなく、自分で良く考え、将来自分
が困らないようしっかり人生設計を立てて、バランスのとれたJWになりたいと思います。
  王国を第一にしたら神が何とかしてくれるなんて考えが甘いと思います。(特に2世
はこの言葉を笠にきてろくに仕事もせず、遊び半分としか思えない開拓奉仕を行い、自
分は良くやっていると本気で考えている甘えん坊さんが多いと思います。)中には真面
目な気持ちで心から奉仕を行っている方も大勢いることでしょう。それは十分認めます
し、頭が下がります。
 結局のところ人に注目したらいけません。たとえ長老でも同じ人間です。良く考えて
みてください、長老たちはこまごまとした骨の折れる仕事を多くを犠牲にして、しかも
無償で行ってくれているのです!自分にはとても出来ないことです!それだけでも彼ら
は敬意に値します。もう一度言います、彼らは無償で働いてくれているのです。
 ハルマゲドンは絶対にくるのすから、組織内で嫌なことがあっても、ますます神に頼
り、決して組織から離れないようにしましょう!エホバは全てご存知です
 楽園には入れたら過去のいやな思いも全てきれいさっぱり忘れられますよ!

《編集者より》
あなたは、いわゆる「楽園待ち」の典型的なエホバの証人とお見受けします。あなたは、組織内に「世で普通に行われている嘘やねたみ、不誠実な行為が」存在することを認め、自分の奉仕時間を他人に公表するのは聖書的でないことに気づき、「王国を第一にしたら神が何とかしてくれるなんて考えが甘い」とエホバの証人によくある態度を批判し、その意味ではあなたは、かなり「覚めた」見方が出来る方のようです。しかし、その一方で、ものみの塔協会の聖書解釈の中核である、ハルマゲドンが必ず来て、組織に固くついている者は楽園に入り「過去のいやな思いもさっぱり忘れられる」という教義が絶対であると信じており、その点では実に組織に忠実なエホバの証人であると思います。

一つあなたに考えていただきたいのは、ハルマゲドンが絶対に来るにしても、何時来るか分からないことです。これは聖書にはっきりと書いてありますし、最近になってものみの塔協会も1914年の世代の教義を変更することで、認めたことはあなたも充分ご承知でしょう。2000年前にパウロも、やはりあの時代が終わりの時であり、イエスの再臨が直ぐであると信じていました。あれから2000年が経ちました。これは何を意味するでしょうか。ハルマゲドンも再臨も無く、パウロは間違っていた、というのは一つの解釈ですが、もう一つの考え方は、ハルマゲドンも再臨も「直ぐに」来るかもしれないが、その「直ぐ」は少なくとも2000年かも知れないということです。ものみの塔宗教の創始者であるラッセルも約百年前に、「今が終わりの時」であり1914年にハルマゲドンがついに始まったとまで思い込みました。あれからもうじき百年になります。これは神が人間に、「終わりの時」は何であり、「ハルマゲドン」とは何なのかを、この2000年の歴史を通して実例で教えてくれている例でしょう。

ハルマゲドンが何時どのように来るか誰も知りませんが、それまでの間に夫々の人は皆、夫々の人生を生きて行かなければなりません。この2000年間にも、無数の人が生まれて死んでいきました。私もあなたも、多分パウロやラッセルと同じように、ハルマゲドンを見ないで死んでいくと考えるのは、確率から考えると当然でしょう。もしそうであれば、夫々の人が、ハルマゲドン以外に人生の生き甲斐を見出して、自分の人生の範囲の中で生きる目標を見出すのは当然であり、それは大事なことではないでしょうか。ハルマゲドン後の楽園を生き甲斐にして生きていくエホバの証人の姿は、いつ抽選が来るか分からない宝くじに当たったことを想定して、絵に描いた餅を味わいながら人生を生きているようなもので、「信仰」と言ってしまえばそれまでですが、何と空しい人生ではありませんか。

その次に考えていただきたいことは、ハルマゲドンまでなぜ「決して組織を離れない」ことが必要なのでしょうか。神への忠誠を果たす必要性は聖書から読めますが、アメリカの大出版会社(ものみの塔協会)に付いていなければいけない理由は聖書には書いてありません。キリストとパウロの時代以来の2000年の間に、様々な神の「組織」が作られました。「神の組織」を自称する団体や「神の代理人」を自称する人々が、どのような結末をたどるかも、神が歴史を通して、実例で示して教えてくれているのではないでしょうか。また次の2000年でもますます色んな神の「組織」が作られるかも知れません。イエスはそのようなものにつくな、と言っています(マタイ21:8)。あなたは「人に注目したらいけません、たとえ長老でも同じ人間です」と書いていますが、私もその通りだと思います。そうであれば、ものみの塔の組織もまた人間であり、注目すべきものではないのではないでしょうか。

ハルマゲドンも、イエスの再臨も、何時来るか誰にも分からないということは、予想不可能であり、予想に基づいて人間の生き方を変えることがいかに空しいことであるかを教えていると私は思います。パウロの時代も今の時代も、人は全く同じように生きるべきではないでしょうか。神を愛し、隣人を愛することが最も大事なことであれば(マタイ22:37-40)、それがあなたの人生であり、また私の人生であり、ハルマゲドンが何時どのように来るかは、神にまかせておけばよいのではないでしょうか。あなたは、もしハルマゲドンが来なかったら「今自分が何のために生きているのかも分からなくなってしまう」と書いていますが、そんなことは無いはずです。ハルマゲドンが来ても来なくても、私もあなたも、神を愛し隣人を愛する大きな仕事があるはずです。それは、何も訪問販売員としてものみの塔協会の購読者を広げることではなく、身の回りのあなたの家庭や仕事の日常生活の中でできることのはずです。そのように自分の生き方を見直して見れば、ハルマゲドンに関係なく「何のために生きているのか」が見えてくるでしょう。