JWの母を憂慮する元2世の娘より

(8-23-02)

いつもこちらのページを拝見させていただいています。
私は現役JWの母を持つ元2世で、すでに家族を持ち母とは遠く離れて暮らしています。
 
2ヶ月前ぐらいに元2世の方の「昼寝するぶた」のサイトを発見してしまい、大変ショックを受けました。
私は小学生の頃より母に連れられ集会に言っていましたが、多くの2世が体験したような厳しい宗教教育を
受けませんでしたし、
JWのハルマゲドン説が信じられないと思った中学生の頃にはもう不活発になり辞めていました。
特に過去に傷を負わされたという自覚はなく、それどころかエホバの証人の人たち個人個人に関しては温和
でよいイメージすらありました。
ですからこのサイトの体験談を初めて読んだ時「まさか、大袈裟すぎる・・」と思ったのです。
しかし、何度も何度も読み返し、また他のJW関係のサイトも毎日ウロウロするようになりました。
 
見れば見るほど私が認知していなかった組織の全貌が明らかになり
私の過去の記憶もよみがえりました。
 
ここに挙げるのはその一例として、中学生の時の記憶です。
 
友達と買い物に行き、帰宅してバックの中を見ると値札の付いた指輪が入っていました。
ワゴンセールをかき回していた時に紛れ込んだとしか考えられないのですが、
未信者の父とともに母もそれを信じませんでした。
全く身に覚えがないので否定するしかありません。
すると母は「本当のことを言ってくれればいいのに」と言って泣き崩れました。
私はしばらく呆然とするばかりでしたが、やがて”自分は信じられていない”ということを静かに受け止め、
自分の足でしっかり立たなければという思いから独立心が芽生えました。
しかし同時にそれは今でも心に残る傷となりました。
 
ここにきて私はもう一つ重要なことを思い出してしまいました。
意気消沈して沈黙していた母ですが、2〜3日後、集会から帰ってくると何か吹っ切れたような顔で私にこ
う言いました。
「ママ、あなたのこと信じるからね」と。
母親の温かいぬくもりに触れた気がしたのもつかの間、その次の言葉で絶望の底に突き落とされました。
「**兄弟に相談したらね、子供のことを信じなさいって言われたの」
 
**兄弟は親切に適切なアドバイスをしてくれたのだと思います。
しかし問題は母で、自分の心を解決するのが精一杯だったのでしょう。
自分の目で子供を見、自分の頭で考えることを放棄していたのではないかと思います。
親として子に対し何の働きかけもできませんでした。
 
まだ10代前半、子供心にも悲しくなりました。でもそれは母の性格的な弱さからくることだと思ってきま
した。
しかし今様々な情報から、当時の母がJWの組織的な教育観に頼り、その方針に沿って私を教育しようとし
ていたならば、
私の生い立ちには問題があるのではないかと思うようになりました。そしてもしそうなら、JW的に母の力
は足りなかったことになり、
結果、教育は実を結んでおらず、私は不良品で、愛されていなかった、ということになるのではないでしょ
うか?
 
私はすぐに母に組織の現実を知らせるべく手紙を書き、インターネットに流れている2世や排斥者の体験も
コピーして同封しようと準備を始めました。
しかし、そのうちに「母は素直にこれらの資料を読むだろうか?」という疑問が沸きました。
キリスト教教会関係の文書ならともかく、元JWの体験談も背教文書になるのでしょうか?
 
私は貴殿の<はじめに>に書かれていることに同感で、母には自分の目で見、自分の頭で考えることのでき
る人になって欲しいのです。
(人間が生きていくうえでの基本であり、まるで親が子に言うようなことですが)
すべてを知り、その上で組織に留まることを決めるならそれでもいいのです。信仰の自由を私は認めます。
ただ、我が母がマインドコントロールされたまま井の中の蛙で人生を終わるのかと、
また母の伝道によって他の犠牲者(特に子供)を生んでいると思うと胸の痛む思いがしますし、娘として責
任も感じます。
 
これからどうアプローチしていったらよいのか。
実家では宗教的議論や互いの干渉は御法度です。ずっとそうやって平和を保ってきました。
私の働きかけが迫害行為と思われ、断絶されるのは避けたいところです。
なぜなら実家には未信者の父がおり悲しませたくないからです。
 
子から親へ喚起した成功例もあるようですが、具体的に何が心を惹きつけるのか。
母には特に元JWの体験談を読んでもらいたいと思っています。
なぜならそれらの内容が事実である可能性が高いことは容易に想像がつくと思うからです。
しかしここで現役の人たちに伺いたいのですが、どんな情報も批判的なことが少しでも見られるとそれらは
サタンの影響だと本気で思うものなのでしょうか?
事実だと認知しても、迫害行為によってもたらされた文書だからということで、良心が痛むことは全くない
のでしょうか?
 
思うままに書き長くなってしまいました。
どうしてよいか分からず、誰にも相談できず、ここしばらくずっと悩んできました。
こちらのホームページには現役の方も訪問されており、貴殿はそのような人たちにも真摯に愛を持って接し
ているように思われ頭が下がります。
私のメールは内容的にこちらのホームページに適するものなのか分からないのですが、適切であれば公開し
てださっても構いません。
膨大な情報を管理するのにお疲れのご様子ですが、今の私には大切な情報源であり、支えです。続けていた
だきたいと思っています。
 
    JWの母を憂慮する娘より

《編集者より》
非常に難しい、しかし重要な問題を提起していただきました。元JWの体験談も背教文書になるかというご質問ですが、もしお母様が組織に忠実な証人であるなら、そのようなものからは一切避けるでしょうし、そのような文書を送りつければ反発を買うだけでしょう。もしお母様が心を開いてそのような文書を読んでそれについて話あう用意があれば、希望は持てると思います。一般的に、このような話を持ち出してエホバの証人にじっくりと考えさせるには、時と場所とが重要な要素になります。時と場所の設定がお母様の心を和ませて心を開きやすくしている時に少しずつ話を切り出すのが良いかもしれません。8月12日の投書、「開放された歓び」−後に続く家族についてを読まれるとわかりますが、母親が組織に留まる娘に対し、上手に時と場所とを設定して、情報を少しずつ与えながら話し合いを出来るようにしました。この方の例は大変参考になると思います。毎週5回の集会と奉仕で明け暮れているお母様にこのような話を持ち出しても、火に油を注ぐだけでしょう。できれば、二人で長期間の旅行でもして、お母様がエホバの証人を少しでも休んでいる時に切り出すのがいいかもしれません。どうしてもそのような機会が持てないのであれば、お母様に特別に個人的な書籍(聖書)研究でもお願いして、教義についての話し合いの場を作る方法もあるでしょう。お母様はこの申し出は断りきれないと思います。そして定期的に話し合いの場が持てるようになったら、少しずつ組織の矛盾に関する質問を繰り返して、お母様に考えさせる機会を与えることです。以上は今、私の思いつく方法ですが、他の読者の方々からの提案をお願いいたします。