社会で充実した毎日を送る組織を離れた二世

(5-24-02)

村本さん初めまして。元二世で2#になる**と申します。エホバの証人について
調べていたところ、このサイトにたどり着きました。

このような内容の濃い充実したサイトを作ってくださったことに感謝しています。
組織の中では絶対に知らされない情報をたくさん得られました。外国のサイトに
はもっと詳しく載っているとのことでしたので、そちらのほうも調べてみようと
思っています。

このサイトを拝見して感じたこと、思うことをつづってみましたので、お時間の
あるときにでもごらんいただければ幸いです。元二世でも社会で充実した毎日を
送っている者がここにもいるということを知っていただきたいと思って、メール
を送った次第です。なにかと脈絡のない文章ですが、なにとぞご容赦ください。

現在私はアルバイトで週3日某外資系企業の庶務をしています。もともと体があま
り丈夫ではないのでこれ以上の勤務は不可能なのですが、それなりにとても楽し
い日々を送っています。

さて私は母親が聖書研究をすると同時に組織に交わるようになった二世でした。
組織にいたのはかれこれ20年以上になります。しかし母親が何もかも組織の提案
どおりにすることには疑問を持っていたために、一般的な二世が禁止される部活
動や友人関係の制限、高等教育の制限は全く受けずに育ちました。外国に長く滞
在していたこともあり、それが容易だった環境にいたことも大きな要素です。私
の幸せを第一に考えてくれている母親には心から感謝しています。

私が組織から離れるにいたったもっとも大きな要因は、大学に行ったことです。
組織が大学教育をあれほどまでに否定していた理由がわかるような気がします。
いろんな考えに接すると組織のボロがどんどん見えてきますから。また大学で
出会った人と近々結婚することにもなり、大学進学は私の人生の転機になった
といえます。

大学ではさまざまな学問分野にふれる機会があり、それまでにも疑問に思ったこ
とはたくさんあるのですが、あらためて組織の独善的な思想がどれほど現実ばな
れしているか、またどれほど危険なものであるかに気づくことができました。社
会主義体制について(主に旧ソ連と北朝鮮)学ぶ機会もあり、組織内部のようすが
そっくりそのままであることにおどろいたものでした。

またイスラーム法学にふれ、アッラーの存在や人格についての証明がことこまか
に体系化されていることにも興味が湧きました。日本ではあまりなじみのないイ
スラームですが、エホバの証人として育てられたことが功を奏してか、とても身
近に感じます。キリスト教とは違うアプローチでも、同じ神を愛する人々がいる
のです。そしてどの宗教であっても、その信仰を尊重しなければいけません。そ
んな基本的なことにやっと心から賛同できるようになりました。

「自分が信じていることは正しい」と思うことは、アイデンティティの確立上必
要ではありますが、独善的に「自分の考えのみ正しい」というのはどうしても納
得いきません。このあたりをはき違えている方が多いのではないかと思っていま
す。またすべてを善悪二元論的視点で見ることの愚かさも痛感しています。

さらに協会・統治体に、エホバの証人の600万人とその家族の人生に関わっている
という意識がみじんにも見られないことに憤りを覚えます。組織の方針のために
人生を棒に振ったり命を落としたりした人々が大勢いるという事実には目もむけ
ず、解釈が変わるときも謝罪のことばすらありません。

それどころか「組織に従いなさい」の一辺倒。こんな人たちに自分の人生を狂わ
されるのはあまりにもばかばかしくなり、離れる決意ができました。「おのおの
自分の荷を負う」とあるように、自分のことは自分で決めるのが筋ですね。当た
り前のことですが。。

しかしやめようと思ってから、いざ離れるまで数年を要しました。自分の気持ち
の整理し、母に自分の考えをわかってもらうまで、かなり時間がかかりました。
母が一人では寂しいだろうとしぶしぶ集会に行っていた時期も長かったですし、
(体が弱いことをうまく利用して、参加を徐々に減らしましたが)同時にことある
毎に母に自分の考えを伝えるようにしました。もともとコミュニケーションがう
まくいっていたこともあり、幾度も衝突はありましたが、現在母は私の考えを尊
重してくれていますし、私も組織に疑問を持ちながらもエホバと聖書と会衆の人
々が好きだから留まりたいという母の思いも大切にしたいと思っています。ただ
おかしいと思うことは随時伝えていくつもりです。命に関わる問題もあることで
すし。

エホバの証人の組織にいた20年間は後悔していません。この20年があったからこ
そ今の自分がありますし、この期間を生かすも殺すも自分次第だと思います。し
かし、私は組織からあまり被害を受けてこなかったのでこのように考えられるの
でしょうね。ただ、不信者の父にはずっとつらい思いをさせてしまったことがと
ても申し訳なく、これから腹を割って話をし今までの事態を修復していきたいと
考えています。

以上私の近況も交えてみました。いろいろ思うことはありますが、なにしろ膨大
な量で書ききれませんので、今回はこのあたりまでにしておきます。お仕事でお
忙しい中、このサイトを運営していくのはさぞかしたいへんであろうと思います。
これからもがんばってください。またメールを送ることもあると思いますので、
その際はよろしくお願いいたします。

長文失礼いたしました。それではまた。

《編集者より》
貴重な体験談をありがとうございました。あなたとあなたのお母様の比較的柔軟で、冷静な物の見方が、あなたの充実した人生を可能にしたのだと思います。組織に残るお母様と組織を出たあなたとがコミュニケーションを続けられるということは素晴らしいことであると思います。非常に微妙で難しい関係ではあると思いますが、折に触れて時々核心に触れる質問をしていくことが良いのではないでしょうか。あなたのような積極的な生き方をされる元エホバの証人の方から、是非とも色々なアドバイスを頂きたいと思います。今後の投書を楽しみにしています。