(5-20-02)
数年前にこのサイトを知り、提供されている情報を興味深く拝見させていただいたクリスチャンです。 私自身はエホバの証人の訪問を契機に聖書に触れ、彼らの矛盾と向き合いながら、自分自身の 信仰の道(イエス・キリスト)を発見し、今はプロテスタント系の教会に所属するものです。 村本さんの投稿者に対する思いやりと、快刀乱麻を断つような語り口にいつも感心しています。 私はJWを契機にイエスとであった事もあり、JW伝道をしていた頃もありましたが、結局彼らの 心を開く事ができずに、今はそのことに特に関わっていません。 以前から関心があったのは、そんな村本さんご自身の事です。 このサイトを立ち上げた背景には村本さん自身の奥様と娘さんのJW信仰があると思います。 村本さんご自身は、ご家族とどう向き合っておられるのですか? その後どうようになっているのですか? 当然予想されるのは、あなたがこのようなサイトを立ち上げ、多くの時間と労力を注いでおられる のを奥様と娘さんもすでに知っておられ、強い反発を感じておられるのではないか?ということ が予想できます。 あなた自身がもっておられる熱意と、知識と情報をもってしても、ご家族をJWから引き離す事は 今だできないのですか?(あるいはそれを望んでおられますか?) 多くのJWに関わっておられるご家族、JW伝道に関わっているクリスチャンにとっても、村本さん ご自身のご家族へのアプローチは興味深く、参考になるものかと思われます。 プライベートな事でもありますが、もし差しさわりがなければ村本さんご自身とそのご家族の事を ぜひ語っていただきたいと思うのですが。
《編集者より》
確かに個人的な家庭問題に関する質問ですが、編集者の立場上お答えする責任を感じますし、読者の方々への参考になる可能性を思い、恥をしのんでお答え申し上げます。これに関しては、他の投書や編集後記に少し書きましたが、私の自分自身の家族への見方と態度は、このサイトの活動を通じて少しずつ変わって来ました。それは、このサイトの活動を通じて様々なエホバの証人の方々と知り合いになり、その結果より深いエホバの証人への理解ができたことによると思います。(これは日本のエホバの証人だけでなく、世界中のエホバの証人との交流から来たものですが、それは驚くほど一致していました)。自分の家族をエホバの証人から「救う」という目的は、かなり以前になくなりました。エホバの証人の様々な生き方を見る中で、「エホバの証人」か「背教者」かのレッテルはどうでもいいと思うようになったのです。やはり「人間」はレッテルよりも、「人間」そのものが大事なのだということです。もちろんこの当たり前のことを無視して、「エホバの証人」か「世の人」か「背教者」かのレッテルによって、人をより分けるのがものみの塔の教えですが、私はそんなものに習って、必死でそのレッテルを変える努力をする必要はないことを知りました。ただ、家内にも娘にも、宗教を超えた人間としての基本的な家族愛を持ち続けることを私は強調しており、そのことでは不思議と家族が「全員一致」しております。
私の家庭は、現在は平和共存状態というのが実態と思います。家族一人一人は強い宗教への関心がありますが、家族としては宗教を全く取り除くことによって、何とか平和な家族を続けています。私も家族もお互いに外での活動は真っ向から対立していることを知っていますが、それは家庭内に持ち込まないようにしています。もちろん完全ではありませんが、これで何とか平和で愛ある家庭を続けて行けると思っています。私は家族のエホバの証人の活動は全く妨害せず、ある時は協力していますし、家内も私がエホバの証人に関する資料が必要な時には提供してくれることもあります。もちろん、ものみの塔協会の問題が話し合われることになれば、意見は衝突しますし、私も家内も決して自分の立場を譲ることはありません。しかし、お互いに議論が白熱すると頭を冷やして話題を変えるタイミングを心得ていますので、夫婦喧嘩はこの数年皆無と言ってよいでしょう。
ちなみに、これは私の家庭に特別なことではありません。キリスト教の牧師とエホバの証人の妻が平和な家庭を続けている例を私も私の家内も知っており、私たちもそれを見習っています。ただ私が個人個人のエホバの証人とよい関係を保っていることは、決してものみの塔協会への批判を緩めることではないということです。逆に多くのエホバの証人を知れば知るほど、この腐敗した組織の膿を搾り出して世界に警鐘を鳴らすことの重要性を益々痛感しています。