(4-24-02)
ドメスティック・ヴァイオレンスへの対応について、情報提供をします。どこの地域 か、また状況もわからないので一般的な情報になっています。 1. 女性センターの相談窓口 各都道府県の女性センターに相談窓口があります。ここの代表に電話をして、ドメス ティック・ヴァイオレンスについて相談したいというと、電話相談や、専門のカウン セラーとの面談を紹介してくれるはずです。地元のシェルターやサポートグループの 情報も持っていると思います。匿名での相談が可能です。ネット上や、自治体の広報 誌で探してみてください。 2. 警察の相談窓口 各都道府県の警察にも女性のための性被害やDVに特化して対応してくれる相談窓口が あります。最近は女性の警察官が対応してくれることもあります。ただし窓口によっ て対応はさまざまです。 3. 身の危険を感じたら 110番通報をしたり、警察に駆け込むという方法があります。そして、民間のシェル ターや各都道府県にある婦人相談センター(婦人相談所)につないでもらってくださ い。 4. 第三者である人が相談を受けたら (1)被害者の女性の感情や話を受けとめること。その際、被害者が悪くないことを伝 え、責めないこと。いかなる理由があっても暴力をふるう方が悪いので。 (2)適切な情報の提供をすること。 (3)行動の主体はあくまでも被害者なので、サポートは被害者自身のペースでおこな うこと。 (4)彼女自身の持っている力を奪わないように、サポートすること。 (5)相談を受けた側は、できることとできないことを判断して、できないことについ ては、被害者の承認を得た上で必要なサポートを信頼できる他の人やグループに依頼 すること。サポートはたいへんなことなので、ひとりで抱え込まないように。無理を しない。 「離婚を考えている」という話を読んで思ったことですが、暴力をふるう男性は、 通常、相手の女性と別れたがりません。暴力をふることで自らのストレスを発散し、 女性を支配し自分自身の力を確かめているためです。別れ話によって、暴力がひどく なるケースも少なくありません。だから、別れようと思っているのならば、それを気 付かれないように、慎重に準備する必要があります。将来的には離婚し、その準備を すすめるということにしても、現状では、今を最も安全に過ごす方法をとられること をお薦めします。命にかかわりますから。 また、周囲はDVから逃れる最もよい方法は、加害者から逃げることだと考えます が、これが被害者にとっては最も難しい選択だと思います。被害者の多くは、加害者 によって周囲から孤立化されており、精神的にも支配され無力化されているような状 況なので、逃げられないと思っています。また、専業主婦である場合には経済的問題 や、子どもの問題も絡んでくるからです。 いずれにしても、暴力を受けている女性が「どうしたいのか」が大切です。第三者 から、行動をおこすことはできません。ですが、エホバの証人のメンタリティーや行 動様式から考えると、自分から「こうしたい」と思って行動にうつすのは、大変困難 なことだと想像します。 被害者のご友人の方、あなたが今の彼女の大きな支えだと思います。また、あなた の組織へ働きかけるべきという行動も、エホバの証人の方が被害者ということを考え ると必要なサポートだと思います。これからも、彼女が孤立化しないように、彼女に 生きる力があり自分らしく生きる権利があるということを伝え続け、必要な時には情 報を提供しながらサポートされますように。
《編集者より》
これは「家庭内暴力の被害者を助ける方法は−「離婚についての見解」追加質問」に関しての情報提供です。投稿者の方は、ドメスティック・ヴァイオレンス(家庭内暴力)の被害者のサポートをされているそうで、経験に基づいた貴重な情報であると思います。ありがとうございました。ちなみに、日本の体制はアメリカのものとよく似ています。エホバの証人の内部でのドメスティック・ヴァイオレンスも、他の社会に劣らず深刻なものがあります。カナダでは、エホバの証人の夫による妻の殺人事件が大きく取り上げられ、本として出版されてちょっとした反響を呼んでいます。読者の中で家庭内暴力に悩まれる方、家庭内暴力の被害者をご存知の方は、この情報を活用していただきたいと思います。