「腐敗した組織の中でどのように行動するか」−正規開拓者より

(8-5-01)


 たいへん参考となる偏らない意見を提供してくださっている
貴方に感謝しております。
それで、もしよろしければ私の悩みにご意見いただけないでし
ょうか?

 現在私はエホバの証人の正規開拓者ならびに奉仕の僕という
立場にあります。私はいわゆるエホバの証人の二世としてこれ
まで24年間この組織とかかわりを持ってきました。

 私は個人的にエホバを信じており聖書が神の意思伝達の手段
であると確信しております。

 それと同時に他のキリスト教の宗派に目を向けて調べてみて
も呼び方はなんであれ神ご自身に賛美を向ける点でエホバの証
人以下にしか感じられず、宗派を変える気にもなりません。

しかし、サイトでもいくつかの点を明らかにしてくださってい
るとおり、エホバの証人の組織は時折偽善的な行為を行うある
いは容認しており、現場でそのような事を見る度に、心を痛め
ております。

 それで、いろいろと考えた私なりの結論なんですが、エホバ
の証人は神の用いる組織(エホバの証人だけとは決して思って
ないが)だが、腐敗しているだけで、そのような事は聖書時代
のイスラエルにも珍しいことではなかったと考えております。

 そこで、相談なんですが腐敗した古代の神の民イスラエルの
中にあっても神との関係を個人的に保ち、神の是認を得ること
が出来た預言者たちの例に倣い、現代に住む私はどのように行
動することができるでしょうか?

 預言者たちの例によると、イスラエルから離れるのではなく
その中にいて、偽善を暴露し神からの裁きを公にしたようです
が、今のエホバの証人では排斥になるだけなので、古代の預言
者たちのように行動し続けるのは不可能です。

 今後の方向性を迷いながら、とりあえず組織内での立場を保
っている、そんな状態です。

 「良心の危機」も読み、脱会することも考えています。が、
この立場を用いてエホバに喜ばれること(もしかしたら、貴方
のサイトを支援することかもしれない)を行えればとも考えて
います。

 ぜひ、ご意見をお聞かせください。
  
  貴方のサイトがエホバのご意志と調和したものであり、祝福
されることを願っています。

《編集者より》
あなたの質問は非常に深淵な内容で、私も断定的なお答えは出来かねます。しかしそれでも、私なりの個人的な意見を申し上げましょう。先ず、腐敗はエホバの証人の組織に限らず、多くのキリスト教宗派、あるいは聖書に基づいた宗派に多かれ少なかれあります。従って、「腐敗したイスラエル」に当たるものは今のものみの塔の組織だけではないかも知れません。その点で言えば、「腐敗したイスラエル」を告発するのに、必ずしも一つの組織の中にいなければならないというものでもありません。全ての人が、それなりの立場で多くの宗教団体の腐敗を告発することができるはずです。では何故、私が特にものみの塔宗教を取り上げているのかという疑問が出てくるでしょう。それは、現代の多くの「腐敗したイスラエル」には様々の自己浄化作用が働いているのに対し、ものみの塔にはそのような自己浄化が働いていないことです。もちろん、審理委員会と排斥処分が自己浄化であると主張することもできるでしょうが、ここで問題となるのは組織の支配層の腐敗であり、これは民主的な機能を持たないいわゆる「神権組織」にはあり得ないことなのです。私が目指しているのはエホバの証人の組織の内外にこのような自己浄化の機能を育てることです。あなたのおっしゃるように、エホバの証人の指導部を組織の中で公然と批判はできませんでした。しかし、インターネットの普及により、それに近いことが少しずつ出来るようになってきました。

もちろんあなたの人生とあなたの将来はあなたの最も大事なことであり、あなたが納得いくように決めるべきですが、組織の中に留まって指導部との対立を避けながらも組織に牽制をかけることはできます。これは確かに難しい、巧妙な立ち居振舞いが必要であり、誰でもできることではありませんが、現実に何人もの長老がこれを行っているのは確かであり、あなたも考慮されたらいかがでしょう。もちろん、到底こんなことはできないと思われれば、不活発な証人になりながらインターネットで活動されるのも一つの方法でしょう。もちろん組織を完全に出て公然と批判活動を始めるのも一つの道です。あなたの将来の生活設計に合わせて よく考えて行動されることをお勧めします。


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