エホバの証人が入院した場合そのことを全職員に知らせる必要がありますか

(6-11-01)

関西の公立病院に勤める看護婦です。
<中略>

ところで、私の勤める病院にエホバの方が入院され、何の関係のない部署にまで(エ
ホバの人が入院しているので、気をつけるように)との通達がありました。何を気を
つけるかについては具体的な話ではなかったので、それは差別と偏見につながると抗
議し、本日病院長と話し合いをしました。

私、個人の考えとしては、あくまで患者と医師の問題であって、看護婦が関与するべ
きではないし、全く関係のない部署に通達する必要はないといいましたが、医療従事
者としてその人がどうなるか分からないのだから(突然出血して何も知らない当直医
が指示を出す事もある)、知っておく必要があるし、エホバの人は自分たちがエホバ
だという事を隠しはしないのだから、公表してもかまわないというのです。ではエホ
バ以外の人ならば許可も取らずに輸血するのかという事は、私からその場では言いま
せんでしたが・・・


(輸血は拒否しているが、同じエホバでもアルブミンなどを使用してもいいと考える
人もおり、その患者もOKしている)とのこと。また(普通、輸血といえば血液その
ものを指すのであって、血液製剤は輸血とは言わない)。そう切るのです。

その病院長は以前、関西の国立病院にいたときに、エホバの証人の心臓の手術も無輸
血でしたし、その病院の倫理委員会のメンバーだったとかで、エホバに関しては詳し
いと豪語しています。

輸血に関しての考え方やエホバの証人が入院していることを公表する必要性の有無に
ついて、根本的に考え方が違うので、後味の悪い話し合いとなりました。

編集者の方に質問させていただきたいのですが、エホバの証人は入院した場合、自分
がそうである事を病院中の人に知って欲しいものでしょうか?またそのことを本人の
許可なしに公表してもかまわないと考えているのでしょうか?

輸血に関してですが、私は知らなかったのですが、人によってアルブミンなどの血液
製剤はいいとされているのでしょうか?自己輸血の許可も取ったようです(貯蔵式)
が、それも人によっていいのでしょうか?

もし院長がその患者を説得するために、私に言った様に(輸血というのは血液そのも
のを輸血というんであって、血液製剤は輸血とは言わない)などと院長の立場と強引
さ、で患者を説き伏せ許可を取ったとしたら、後でそのことが組織に知れたら、その
人はどうなるのでしょうか?

お忙しいのに申し訳ありませんが、教えてください。

《編集者より》
非常に興味ある問題です。医療倫理の問題ですが、「倫理」というものは社会、文化、宗教などのの習慣に大きく縛られており、それぞれの社会によって異なります。私の意見は、私の住むアメリカの医療界での倫理になり、日本社会の見方とは異なることをご承知ください。

先ず第一に、エホバの証人が入院したことを、本人の承諾もなしに病院中に知らせることは、到底ありえないことですし、先ず患者のプライバシーの侵害になる行為で決して許されないと思います。院長の「医療従事者としてその人がどうなるか分からないのだから(突然出血して何も知らない当直医が指示を出す事もある)、知っておく必要がある」という理由は全く理由になりません。そうであるなら、ペニシリンアレルギーの患者が入院したら、当直医などがペニシリンを使わないように、それを病院中に知らせる必要があるでしょうか。エホバの証人が輸血を受けないこと、ペニシリンアレルギーの患者がペニシリンを受けないこと、は全て病院の病歴に明記され、担当医と担当看護婦が周知していれば、それ以上の人が知る必要もなければ、知る権利もないはずです。

「エホバの証人は入院した場合、自分がそうである事を病院中の人に知って欲しいものでしょうか」の質問に対しては、エホバの証人個人個人に聞いて見なければ分かりませんが、私の知る限り、彼らはこのようなことは望まないと思います。

輸血拒否の内容に関しての様々な質問ですが、これについてはエホバの証人の医療に関する最近の進展の記事に大部分の答えが見つかると思いますので、そちらを参照してください。