カルトについて<2> (七転八起)

(1-7-01)

今年に入ってから日本で犯罪のニュースが絶えませんね。明るい情報が少ない状況で
も、互いに元気を分かちあえたらいいですね。

フランスでエホバの証人がカルトと呼ばれ「ものみの塔」はそれを否定しています
が、フランスではカルトに関して、どんな見方をし対策を取っているのでしょうか。
昨年の11月11日の投書で紹介した 「カルトか宗教か」(竹下節子著  文春新
書)の中から抜粋してみます。

第4章  カルトの見分け方

複雑な歴史を背景にしたフランスでは、カルト問題には複数のアプローチがあるとい
う意識が少しずつ育ってきた。
まず、公的機関による調査、情報公開、リスクの見積もり。これらは常設されており
予防対策といえよう。
次に、カルトの犠牲者や家族を支援し、元信者の社会復帰を助ける民間グループがあ
る。しかし、それだけにカルトの定義そのものに注意を払っており、ある特定のグ
ループを無条件に弾該するのではなく、人権や法を実際に侵したかどうかの事実関係
に注目し、柔軟な対応に努力している。
次に学者による研究がある。カルトを犯罪学や社会病理学から分析したり、カルト問
題が社会に起こす恐怖や警戒心を分析したりする。

フランスの反カルトグループである、1981年創立のロジェ・イコール・センター
(民間の組織)が作成した、もっともスタンダードなカルトの見分け方マニュアルを
紹介します。

*チェックポイント

<勧誘>
・勧誘の仕方に執拗さはなかったか?何が勧誘の謳い文句だったか? その約束は果
たされたか?

<規範>
・グループの規範となっているものは何か? 絶対に正しいとされるリーダーか? 彼
によって書かれたテキストか?
・グループの教えの中に、一般科学知識から見て極端に異なったものがないか?
・グループの中で、現代世界の推移を全体として弾劾しているか? それは、一般的
な批判か特徴的なものか?
・グループ以外の世界の考え方や生活様式をすべて否定しているか?
・メンバーは自らを選ばれた人間だとみなしているか?
・グループの中でしか通用しない特殊な語彙を多く持っているか?(特殊語彙は、グ
ループの団結を固めるだけではなく、外界とグループを客観的に比較したり、外界か
らの批判や研究を参照したりできなくする役割も果たす。)

<メンバーの操作や利用の仕方>
・どのくらいの時間をグループ活動に割かねばならないか? 勧誘期間と加入後の、
拘束時間の変化はどの程度か? 睡眠時間は? 食事は? 会合への出席義務の間隔は
?
・特殊な薬や飲料水があるか?
・反復される祈りや肉体的修行があるか?
・セレモニーや肉体的修行の折に集団的な熱狂や異常な感動があるか?
・幹部はグループが外部から弾圧されていると言っているか?
・メンバー相互の監視システムがあるか? 作業はすべて二人のチームで行なわれる
か? 密告システムはあるか?
・他のメンバーのいる公開の場での個人批判があるか?

<グループの幹部機構>
・誰がグループを運営指導しているのか? 1人か選ばれた複数の人間か? 選ばれた
としたら誰によってか?
・決定すべき事項についての審議があるか?
・グループに絶対無条件の忠誠を要求されるか?
・運営を批判したり幹部から距離を置いたりしたら、どう扱われるか? 黙殺される
か裏切り行為だとされるか?
・リーダーたちはどうみなされているか? リーダー達もメンバーによる批判の対象
になり得るか? 絶対忠誠か? 尊敬か礼拝か?

<金銭について>
・メンバーから金を集めているか? それを使うのは誰か?
・グループの規模が大きい場合、収支が国内レベルで公開されているか? 国際
レベルではどうか?

<布教>
・新しい信者の獲得が目標に入っているか?
・グループ以外の人間はどう扱われているか? グループ外の人間を警戒するか、接
触を避けるか、潜在的信者市場とみなしているか?
・メンバーは、家族や知り合いや他の団体などに教えを浸透させるよう勧められてい
るか?

<孤立>
・家族や友人と縁を切ることを勧められているか?
・以前の生活方法について自己反省をせまられるか? 過去の家庭生活や愛情生活に
ついては?
・学習や修行の完成を目指して外国へ出ることを勧められるか?

以上のチェックによってカルトの特徴がすべて当てはまるようなカルトは、とても少
ない。逆に、全く無害のグループでも、いくつかの点が当てはまることは大いにあ
る。しかし、以上の観察ポイントの多くのものが当てはまるグループに対する場合
は、よりいっそうの慎重さが要求される。     The end.

このチェックリストから皆さん御自身で考えてみるならば、フランスでエホバの証人
がカルトとして注目されることに、納得できるのではないですか?
この本は決してエホバの証人を対象に書かれたものではありません。部分的にエホバ
の証人が出てくる項目もありますが、全体のなかでは、ごくわずかです。それに、宗
教だけを取り上げているのではなく、健康カルトや能力開発系カルトなど、現代の多
様化したカルト全般を網羅しています。文庫本なのに中身はぎっしり詰まっていま
す。また、次の機会に別の面を抜粋したいと思います。

《編集者より》
これは昨年11月に投稿していただいたカルトの定義 (七転八起)の続きの紹介だと思います。読者の方が自分のエホバの証人生活の中からこれらのいくつの特徴があてはまるか、真剣に吟味して下さることを希望します。続きを楽しみにしていますが、七転八起さんは証人生活から復帰して大変に多才で忙しい生活をされているようですので、どうか無理をしないで余裕のある範囲で投稿して下さい。