証人二世の方々へ −気分開放についてのメッセージ− (七転八起)

(12-7-00)

だんだん寒さが増し加わってきましたが、皆さんいかがお過ごしですか?
12月17日には特別集会が開催されるようですね。世間の人々は12月は忙しく過
ごしていますが、世捨て人となっている証人には関係ないのでしょうね。私は仕事攻
めで、ギブアップしそうです。

今日は「気持ちの整理の上手い人 下手な人」という本から抜粋して書いてみます。
この本は97の項目が2ページづつ書かれていて、とても読みやすい本です。著者は
精神神経科病院の名誉院長で「心のやすらぎコンサルタントをつとめる斎藤茂太さん
です。精神科医で歌人だった斎藤茂吉さんの長男で1916年生まれです。(新講社
¥1,238)

セクション<4>  気分を開放するからこそ集中力が出る

女子選手で初めて、陸上競技の1万メートルで30分台の記録を出した、ノルウェー
のイングリッド・クリスチャンセン選手。彼女は、結婚して子供が生まれてから急に
記録が伸びたという。それまでは、それほど目立った活動をしていなかったのに、長
男の出産を機に、めきめきと頭角を現わしたのだ。その理由を、彼女はこう語る。
「それまでは競技のことばかり考えていた。十分にリラックスすることもなかった
し、レースでは逆に精神集中ができなかった。子供ができてからは練習時間は減った
けど、すごく集中できるようになった」
 子供の世話に時間をとられるようになったおかげで、かえって頭の切り替えが早く
なったという。家事は全て自分でやり、料理や掃除をしたり、子供の世話をしている
時は、レースのことは全く考えないのだそうだ。
 この話を聞くと、仕事をするばかりが能ではないことがよくわかる。仕事をする時
間が多ければ多いほど、いい仕事ができるわけではない。仕事のことばかり考えてい
れば仕事がうまく運ぶわけではないのだ。
 リラックスする時間を持つと、逆に、集中するときには集中できる。遊びの時間を
上手にとれば、仕事もはかどる。クルスチャンセン選手のように、家族との団欒の時
間も大切だ。世のおとうさん族も、夜、家に帰って、妻や子供が話しかけてきた時、
「仕事で疲れて帰ってきたのに・・・・・」
 と面倒がらずに、おしゃべりする時間を持ってみてはどうだろう。
 一日中、仕事のことで頭をいっぱいにしていては、ずっと張り詰めたゴムのよう
に、伸びっぱなしになってしまう。時にはゆるめることが、長持ちさせるコツだ。
 ワーカーホリックにとっては、仕事以外のことを考えている時間は「もったいな
い」「ムダな時間」と考えがちだ。しかし、実はそれが全くムダではなく、生きた時
間になるのである。日本人も、そろそろ「仕事人間」から抜け出して、もっと毎日の
生活を楽しみ、家族と過ごす余裕を持ってもいいだろう。
 クルスチャンセン選手はこう言う。
「レースが全てだと疲れるでしょう。勝てなかったらものすごくがっかりするし。負
けた時は家に帰って子供の世話をしていると、気も楽になるし、すぐに忘れられる
わ」
 気持ちの切り替えが下手な人は、ぜひこの方法を試してみたいものだ。
the end

仕事の部分を野外奉仕に置き換えて読んでみてください。開拓者など長時間携われば
内容の良い奉仕ができるというものではないことを、皆さんは十分にご存知だと思い
ます。
私の会衆では、時間さえすごせばよいという開拓者が大勢いました。ですから、野外
奉仕中におしゃべりで時間をすごしたり、終って再訪問に行く前に車の中でおしゃべ
りに熱中している開拓者を何度も見てきました。お家の人はそういう光景をちゃんと
見ています。証人は暇を持て余して、毎日ぶらぶらと歩き回っていると思われていま
すよ。
特に働きざかりの若い人が平日に奉仕でまわっているのは、親のすねかじりの若者だ
と見られて、好印象を持ってもらえません。面と向かって言う人は少ないので、そう
感じないかもしれませんが、実は反感を感じている人は多くいます。若い人は、ま
ず、全時間の仕事につくことが一番のなすべき道です。これからの社会をになう若者
が、仕事を放棄してどうなると思いますか?

日本の経済は、まだ低迷が続きます。公的な保険・年金・消費税・医療の負担金・な
どますますアップして生活は厳しくなる一方です。親の経済援助で成り立っていて
も、親自身の生活も苦しくなってくるのですよ。親の面倒を見ることも考えなくては
ならないのです。介護保険ができたので大丈夫と思っている人はいませんか?それは
間違いです。老人も介護保険料を払わなければいけないし、これまで公の機関が無料
で行なってくれたサービスが有料になったのですよ。それに老人の医療費負担が1月
から2倍以上にアップします。そういう、世の中の流れに無頓着であってはならない
のです。20世紀中にこの体制が終るのであれば成り立った生活設計では21世紀に
は通用しません。少しでも若い内にきちんとした仕事につかないと、後で困ることに
なります。

働いたからといって、証人としての活動ができないわけではありません。私自身ずっ
と働いてきましたが、短い時間でも効果的な奉仕をしてきました。クリスチャンセン
選手の言ったように、大切なのは集中力です。月に15時間ぶらいの奉仕でも多いと
きは研究を5件ほど司会していました。家の人は、私達の生き方や人格もちゃんと見
ています。ですから、かえって仕事をちゃんとしながら証人としてやっている人の方
が好感を持たれるのです。
それに海外旅行やスキー・スノボーなどでリフレシュしたほうが、若者らしくきびき
びと行動できますよ。開拓者で気分転換ができていない証人は世の人から見ると魅力
がなさすぎます。緊急感(幾十年も前から述べられてきた言葉です)という組織の言
葉に惑わされないでもっと、リラックスして歩んでいってください。

《編集者より》
先日のアメリカの新聞に日本の特集記事があり、その中で現代の日本の若者が虚無感に陥りやすく、非行や犯罪が増えていることが問題になっているということでした。アメリカでは青少年の非行犯罪は1990年代前半をピークに下降傾向にあり、どこに違いがあるのか不思議に思っています。一つの原因は日本経済の立ち直りが遅れていること、そしてもう一つ私が思うには日本人に強い競争意識が競争についていけない若者たちを虚無の世界に追いやることではないか、と考えました。そしてこの問題は日本のエホバの証人の世界にも例外なくあてはまるのではないでしょうか。世界で抜群の開拓奉仕の多さと奉仕時間の多さは、一般日本人社会で試験の点数の多さや会社での業績の多さで競う合う姿と共通のものではないでしょうか。もちろんエホバの証人はそのような競争についていけない場合、非行や犯罪には走りませんが、逆にそのストレスを内側に向けて精神や身体の病気になる人が多いようです。しかもその人たちの問題は常にまず「霊的な弱さ」のせいにされるので、適切な医学的アドバイスを得るのではなく、逆に「霊的な強さ」を示すために更に奉仕や集会に駆り立てられて病状を悪化しているのが現状ではないでしょうか。このような背景を考えると七転八起さんの気分開放、リラックスの提言は日本のエホバの証人に対して実に的を得たものと思えます。七転八起さんご自身が証人の家族とともに苦労しながらその方向を実践していられるようで、その提言は多くのエホバの証人にとって耳を傾ける価値のあるものと思います。