カルトの定義 (七転八起)

(11-11-00)

皆さん、少し寒くなってきましたが元気でお過ごしですか?
 
今日はカルトの定義について、ものみの塔の記事と他の文献とを比較して考えてみたいと思います。
 
ものみの塔1994年2月15日号の3〜4ページにある「カルト教団とは何ですか」という記事からカル
トの定義の部分を抜粋してみます。
 
(1)新しい、非正統的な教義や慣行を推進する生きた指導者に従うグループを指す。
(2)普通は小さな非主流派のグループで、その信者は自己意識や目的を一人のカリス
      マ的な人物から得る。その、指導者は大抵、自分は神の化身であると主張する。
(3)カルト教団の指導者は、追随者に対してマインド・コントロールを行なうためにごまか
      しの手段を用いることで知られています。
(4)彼らは宗教活動を秘密裏に行います。カルト教団のグループの多くは共同社会
      を作り上げて、実際に外の世界から孤立しています。
 
  上記の定義にエホバの証人が当てはまらないという記事が続く5〜7ページに載せられています。ここか
ら、当てはまらないという主張を(1)〜(4)まで抜粋してみます。
 
(1)エホバの証人は、指導者またクリスチャン会衆の頭としてイエス・キリストに従います
(2)かれら(証人)の信じていることは、すべて聖書に基づいている。
(3)ヨーロッパ人権裁判所が最近下した判決によれば、「証人には思想、良心、宗教の
     自由があり・・・」(中略)追随者に対してマインド・コントロールを行なうためにごまかし
     の手段を用いているならば、そのような判決は下されなかったはずです。
(4)エホバの証人は、あらゆる人種や宗教の人々の間で生活し、共に働きます。
      集会は開放されており、一般の人も出席するように勧められています。
 
上記の説明を見て私もかつては、エホバの証人はカルトグループではないと信じてきました。ところが、1
998年の「神の命の道地域大会」で個人的に行なう7つの項目に「はい」と返事をする決議を行ないまし
た。(1999年5月15日号  ものみの塔 19ページ参照)
この方法は、かつてヒットラーが群集の中で自分の主張に対して聴衆に「ハイルヒットラー」と叫んで同意
させる手法と似ています。それで、疑いが生じカルトについて調べてみました。
 
「カルト」  マーガレット・シンガー 著    飛鳥新社発行  より要点を抜粋してみます。
 
*カルトとは
自分は特別な使命か知恵を持っていて、その自分に全権を委ねる者と、その使命や知恵を分かち合う者であ
ると主張する人物を中心に形成されたグループ。
指導者の人格・好み・欲望が集団の発展で中心的な役割を演じている。
 
*カルトの3つの要素
(1)グループの起源と指導者の役割(指導者は特別な知識・使命があると吹聴する)
(2)権力構造(指導者たちと信者との関係)
(3)巧みに組み合わされた説得法を利用する。
     (2)の権力構造は独裁的で自分の願望と規則に信者を従わせる目的で少数の部下に権力の一部を分け
与える。指導者のシステム以外のところには、上訴できる権威は存在せず、指導者が最高の司法者となって
いる。
 
つまり指導者は一人とは限らないのです。指導者を統治体に置き換えて読んでみると、よく似ていると思い
ませんか?
 
*カルト信者の共通点
ある所まで行くと、もはや引き返すことのできない地点を通過してしまったことに気づく。
以前のライフスタイルから脱却し、以前あった関心や付き合いを捨ててしまってから、急にもはや帰れると
ころは、どこにもない事に気づく。
誰でも生涯の間に外部からの暗示や説得に弱くなる時期がある。
 
*カルトの行い方
・現代のカルトは誰が見ても明らかなユートピアを信者に提供する。
・カルトの方から出かけて行って積極的、攻撃的に信者をかき集め、終いには信者を麻痺
  させる処置を施して、信者の批判的な思考を阻止し、自主的な選択の力を奪ってしまう
・カルトは訴訟好きで、批判者を黙らせるために金と権力を惜しみなく使う。
・マインド・コントロール(強圧的な説得・思考改造)によって、信者たちを非人間扱いする
・マインド・コントロールは場面に応じて幾通りもの方法で行われる。
・信者の人生に対する根本的な態度を改めさせ、生活を著しくコントロールすることを狙っ
  て行われる心理的・社会的な説得の組織的な過程に信者の心をさらす。
・できるだけ長期に渡って信者を手元につなぎとめておこうとする。
・哲学・理論・実践に対する信者の態度を改変させるテクニック(昔ながらの説得術)を   
  使って、強圧的な影響を及ぼして行動をコントロールできる巧みに組み合わされたプ
  ログラムを押し付けようとする。
・すべてのカルトは、我グループの信者は「エリートとして選ばれた特別な人間である」の
  に対して、世間の人達は「皆、劣った存在なのだ」と主張している。
 
以上です。あなたは、このうち幾つの項目が当てはまりましたか?私は、数えてびっくりしました。ほとん
ど当てはまっていました。カルトの定義についても、ものみの塔の記事だけをうのみにしていては正しい知
識に程遠いことが、わかっていただけたでしょうか。
 
ほかにも参照したい文献があるのですが、次回にします。本の紹介をしておきますので読みたいかたは、是
非、ご自分で読み通してください。
「カルトか宗教か」   竹下節子 著  文芸春秋 発行  (文春新書  073)  ¥660
著者はパリで研究された学者です。現代のカルトいついて、様々な種類があることも書かれているので広い
視野で考えることができるでしょう。読まれた方は是非ご意見をこのHP
に投稿してください。

《編集者より》
興味ある本のご紹介をいただきありがとうございました。私もぜひ読んでみたいと思います。「カルト」の定義とその解釈には非常に大きな問題があり、ある宗教をただ「カルトである」と断言するだけでは、内容のない誹謗中傷になりかねません。しかし、世の中の「カルト」と呼ばれる集団にいくつかの共通の特色があり、ある宗教団体がその特色を多く持つか持たないかは分析が可能です。そしてそれに基づいてある宗教の「カルト色」の度合いが決められると思います。あなたが上に書かれたとおり、エホバの証人は非常に「カルト色」の強い集団であることは間違いないでしょう。