「エホバの証人と共に」−聖書の読み方について−エホバの証人を妻子に持つ方より

(4-30-00)


「エホバの証人と共に」- 聖書 -

私はエホバの証人を妻子に持つ者です。家族と共に有意義な人生を歩むため、
幾つかの試みを開始しました。ここでは、私が最も不得意とする聖書への取
り組みについて述べます。

ものみの塔の冊子では、頻繁に聖句を引用します。それ自体は問題ないので
すが、読者が各聖句の背景を良く知っていないと、とんでもない誤解の原因
になると思います。「〜である事実を以下の聖句が証明している」という表
現は、一見、聖書自体がある事実を物語っているように誤解しがちですが、
本文の論旨はあくまで統治体の考えであり、必ずしも聖書が物語っている論
旨と一致するとは限らないからです。つまり、統治体の論旨が妥当であるか
否かを判断するには、自分自身が聖書を通読し、引用される聖句の背景を知
っておく必要があると思います。

私は「聖書 新共同訳」と、「聖書 口語訳」を持っています。一部の聖句を
参照する目的であれば、特に問題はないのですが、通読するにはあまりに量
が多く途中で挫折してしまいそうです。何とかしてその骨組みを知る方法は
無いものかと調べてみました。以下の参考図書がそれです。

1)は数年前に買った本ですが、神学的な注解が難解で、最初の部分で挫折し
てしまいました。そこで気楽に読めることから、8)を選びました。小形氏は
某企業の広報部長でありながら、25年間、毎週日曜日、教会で説教をしてこ
られました。本の冒頭にマルコの福音書が掲載されています。次に、6)、7)
はエッセイ風のタッチですが、阿刀田氏の長年の取材に基づき、聖書が伝え
ようとしているメッセージを一般人向けに紹介しています。これに対して、
4)、5)の著者は宗教社会学者であり、聖書を信仰の書として読解すべき要点
を見事に表現されています。5)の巻末に創世記が掲載されています。2)、3)
は一部を参照したばかりですがそれぞれ、カトリックの立場、福音主義者と
しての立場で聖書についての考えが述べられています。

--- 参考図書 ---
1)「イエス・キリストを語る ヨハネ伝講解」 由木康著
2)「聖書についての101の質問と答え」       R.E.Brown著 裏辻洋二訳
3)「福音主義キリスト教とは何か」          宇田進著 
4)「聖書の論理が世界を動かす」            鹿嶋春平太著
5)「誰もが聖書を読むために」              鹿嶋春平太著
6)「新約聖書を知っていますか」            阿刀田高著
7)「旧約聖書を知っていますか」            阿刀田高著
8)「日曜日 部長は牧師になる」             小形真訓著

次に、ものみの塔聖書冊子教会は 以下のCD 1)を発行しています。これには、
新世界訳聖書以外に、1970以来の全雑誌、書籍が格納されており、大変便利
な情報源です。また、新世界訳の翻訳に関して疑念がある場合に、2)が有用
であると思います(英語、ギリシャ語、ヘブル語)。さらに、日本語では3)が
あるようですが、私は未入手です。

--- 参考CD ---
1)「Watchtower Library 1999」             ものみの塔聖書冊子協会
2)「Bible Works 4」                       Hermeneutika社
3)「J-ばいぶる」                          いのちのことば社

さて、これで道具は大体揃ってきたように思いますが、問題は聖書を読む
時間の確保です。ものみの塔では、1年間で通読することを薦めています。
他に、FBIBLE(@niftyのフォーラム)では 2年で通読するプロジェクトがあ
ります。いずれにせよ、相当の覚悟がないと達成できそうにありませんが、
私なりに計画を立ててみようと思います。これをご覧になった皆様の経験
談をお聞かせいただけると助かります。

--- 参考サイト ---
1)FBIBLE   http://www.nifty.ne.jp/forum/fbible/
2)電子聖書 http://www.wlpm.or.jp/jb/jb000.htm
3)聖書協会 http://www.bible.or.jp/

《編集者より》
有用な情報をありがとうございました。聖書の通読ということはやさしそうで結構難しいことです。読むこと自体も大変ですが、読んだことを文脈と聖書全体の位置付けの中で理解することは更に難しいことです。私もあなたのように、幾つかの解説書を使うことをお勧めします。しかし一つの解説書、注解書だけに頼ると(例えばものみの塔協会のものだけ、カトリックのものだけ)どうしても解釈に偏りが出てきます。従って多くの注解書を比較してみる必要が出て来るわけです。ものみの塔宗教を研究することの望ましい副作用は、ものみの塔の独特の聖書解釈を他の解釈と比較することで、聖書を多くの観点から見直すことができることだと思います。


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