「ある光景で感じたこと」−エホバの証人に対する差別と迫害

(11-19-05)

お疲れ様です。多忙の中サイトの管理をされている先生につきましては益々ご健勝のこと
でしょう。

ものみの塔国連協力疑惑についての記事を読ませていただき、感想としましては、大変わ
かりやすく詳細に書かれており、数々の引用もあることからこれは事実であると認めなけ
ればならない記述だと感じました。
話は変わりますが今年の春、ちょっとした事件と申しますか、ある出来事に遭遇しました。
GWの連休を使い実家に妻と里帰りし、自宅へ戻る途中でした。ある町で昼食を取ろうと、
某牛丼屋に立ち寄りました。しかしそこは混雑を極めており座る席がなく付近に適当なレ
ストランもなかったので席が空くまで待とうと言うことになりました。
お客さんが次々に出ていくのに空いた席にはまだ食器があり、なかなか片付けてくれなく、
忙しいのだから仕方ないか、と諦めて店員さんが注文を聞きに来るのを待ちました。
若い男の店員が3〜4人と小柄な若い女性店員が1人居まして、男子は厨房内作業に、女の
子は帰った客の食器の片付けと注文を聞く役をしてました。しかし、不馴れなのか要領を
得ていないのか、その作業一つ一つが歯がゆく、ため息が漏れるほどでした。妻は「きっ
と新人の子なんだよ」と言っていたら、いきなり『ガラガラ!ガッシャーン!!』と店内
に物凄い音が響き渡りました。客は一気に凍りつき何事かと見ると、さっきの店員の女の
子が食器を高く積み、それを無理に運ぼうとしたため落としてしまったのでした。「あ〜
ぁ言わんこっちゃない。無理しなきゃいいのに」妻が言いました。
男子店員は「すみませんでしたー!!」と声をそろえて威勢のいい謝罪をしました。

私はその子を見ていて何か可哀想になりました。どうも雰囲気からすると、その子は皆か
ら相手にされていないような、もしくはイジメられているような感じがしたからです。

その直後でした。私は厨房の男子店員同士の会話が聞こえてきました。「まったくアイツ
はバカだなぁ」「店長、本当にアイツ使えないっすよ」「まぁまぁ慣れてないんだから仕
方ないさ」「仕方なくないっすよ、ふざけてますよ、あのエホバ女」

私はこの会話をはっきり聞きました。同時に無性に腹が立ちました。
エホバだから何だって言うんだ?
仕事の要領の悪さとエホバの信仰と関係ないじゃないか!!
実は私も元二世のです。妻も知ってます。狂信的な母親はいまだに私たち夫婦に勧誘して
きます。妻はそれを理解して私と結婚してくれたのだから頭が下がります。
妻もその店員の会話を聞いて「関係ないじゃんね」と呟いてました。その後に出てきた牛
丼がどんなに後味悪かったことか…

私が推測するに、その女の子はバイトの面接の時か何かに自分はエホバの信仰を持ってい
る、ということをあらかじめ担当者に告げていたのでしょう。それが職場でのイジメや陰
湿な無視に繋がるなら、それをしている奴等は卑劣極まりないと思います。なぜなら職場
での仕事の評価を信仰している宗教によって下すのですから。その子が何をしたというの
でしょう。
私は決してエホバの証人に肩入れしているわけでも擁護しているわけでもないのですが、
根拠のない非難は正しいと思いませんし、むしろ幼稚です。
例えば、その女の子の仕事の能率が悪いのは単に慣れていないか、或いは個人の能力の問
題か、先輩の教えた方が悪いだけであり、エホバの証人だからではないのです。
私も就職の際には数々の試練がありました。ある会社に就職してから、春の巡回大会があ
るので1日休めないかと会社に申し出たら、理由をしつこく聞かれたので話すと翌日から
皆が口を利いてくれなくなりました。だんだんと居ずらくなり退職しました。
ある大手飲料メーカーの会社に面接に行ったとき、日曜も仕事があるというので日曜日は
エホバの証人の集会があるので休めないかと聞いたら、その宗教の方は迷惑だから帰って
くださいと言われました。
ある会社にいた時、上司がプロテスタント信者だったので話が打ち解けて、つい自分のこ
とを話してしまいました。すると後日別な上司から「会社内で勧誘だけはするな」ときつ
く言われてしまいました。(会社内での勧誘など一切してないです)
このように、エホバの証人は世間の風当たりが冷たく、それが余計に王国会館での仲間の
信者たちが暖かく感じ、強い信仰心の源になっていったような気がします。
つまりエホバの方は孤独で不器用な方が多いのです。反面、正直で誠実、真面目に仕事を
すると言えます。しかし世間からは「怖い」「気持悪い」「迷惑」といったレッテルが一
方的に貼られ、それが『世から離れていなさい』というものみの塔の教えと見事にマッチ
することから、信者達は益々孤立するばかりです。これはあまりにも可哀想ではないです
か?

確かに彼等にも問題はあるのですが、一番の問題は統治体とその組織であり、個人ではな
いはずです。しかし世間は一番見えるもの、つまりそこら辺にいる信者を攻撃します。こ
れも大きな問題ではないでしょうか。
一時期世間を騒がせたオウム真理教も、実際の悪は麻原とその側近達で、犯罪の実行犯も
信者の一部でしかなく、ほとんどの信者は教祖を純粋信じた被害者であると思うのです。
それがマスコミの報道で、オウム信者=犯罪者というレッテルが貼られ、オウム信者を見
たら殴ってもいい、オウム信者は殺してもいい、と勝手な解釈をする人間も出てきたので
す。

このサイトはエホバの証人を攻撃するサイトではなく、理論的に証拠をあげて問題点を指
摘するものだと私は思っていますが、先生もそういうつもりで作成したのでしょう。
ただしかし、一部のデリカシーのないユーザーがこれを見たら、暴走しないのでしょうか?
あるエホバ関連のサイトを見たらとても酷く目を疑いました。『エホバの女が性交を拒む
ので無理矢理犯してやった。たぶん今頃排斥だろう』『王国会館のガラスを割ってやった』
『エホバの証人に危害を加えてやる』
こんな言葉がいくつも羅列されていました!あまりにもひどいではないですか!
もちろんこのサイトと関係のあるサイトとは思いません。ただ、このサイトで見たであろ
う内容の記述もあって、やはり何らかの影響を与えているとは言えないでしょうか?

信者に本当に必要なのは救済だと思います。その為には先生のようにたくさん勉強をされ、
正しい批判の方法を取り彼等を目覚めさせて行く事しかないのですが、反対にこのサイト
がエホバの証人を攻撃するために大いに役に立っているのであれば、先生ははっきりとそ
のスタンスを主張し、脱線しないような管理が必要になってくると思います。

重ねて言います。悪いのは組織であります、個人ではありません。批判と悪の便乗を勘違
いしないで欲しい。エスカレートすればこれはマラウィのエホバの証人の迫害に近くなる
かも知れません。

これについて是非先生のご意見をお聞きしたく思います。

《編集者より》
あなたのおっしゃることに、私は全て賛成いたします。エホバの証人に対する差別と迫害は、エホバの証人の歴史を通して各地で見られました。このサイトは、エホバの証人への迫害を許容するものでは決してありません。このサイトの10年近い歴史の中で、エホバの証人の差別運動を推進するグループからの連携の申し出もありましたが、そのようなグループとは関係を持っておりません。特に言論以外の暴力や破壊行為に対しては、私は断固として反対の姿勢を示したいと思います。恐らく、元エホバの証人の一部の人々や、エホバの証人が理由で家庭や人生が崩壊してしまった人々が、恨みを晴らすためにそのような行為に出るのだと思いますが、怨念から出る行動は基本的にはヤクザの論理で、加害者も被害者も結局は泥沼の不幸に入るだけでしょう。全ての人が、いつも基本的な信教の自由とは何かを考えてもらいたいと思います。それは宗教を批判する自由と、宗教を信じる自由とのバランスが取れて成り立つものだと私は思います。サッカーの試合で例えれば、両方のチームが自由に完全にプレーできることが基本であり、もし一方のチームが熱狂的なファンによって迫害されれば、対戦相手であっても相手チームを助けにに行く事は義務であろうと私は思っています。このサイトとして、エホバの証人への差別行為を行なっている人々に何かできることがあれば、是非お知らせ下さい。