2005年地域大会3日目

(8-8-05)


2005年「敬虔な従順」地域大会3日目の報告
先日に続き3日目の内容を報告します。
この日の主題聖句は『これらのすべての事葉に従いなさい。あなたにとって物事が良く運
ぶためである』−申命記12:38
次の7つのプログラムから構成。
@	日々の聖句
A	シンポジウム
第1部  玄関先での聖書研究を始める
新しい書籍を使い研究を始める。どのように。
実演:若い奉士者が、年金生活者を訪問。再訪問を行なう。
研究に結びつけるためのポイント
ポイントその1 巧みな質問をする
ポイントその2 聖句を用いる
ポイントその3 話に加わってもらい、会話に引き込む
ポイントその4 次回の訪問の確約を取る

第2部	 聖書研究で効果的に教える
どうすれば研究生の心に真理を植え込むことができるか。
ポイントその1  聖書を中心に研究する
ポイントその2  司会者が巧みに質問し自分に当てはめるよう助ける
ポイントその3  情報を簡潔に、明確に、正確に伝える
ポイントその4  1回の訪問を適度の量と時間とする

第3部	良い霊的習慣を培うよう研究生を援助する
研究生が将来の家族の反対や様々な試練に立ち向かうためどのように援助できるか?
ポイントその1  個人研究の良い習慣を身に付けさせる
ポイントその2  集会の出席を習慣付ける
ポイントその3  証言活動への週間を身につけさせる
経験:
奉仕の僕の兄弟:聖書通読の週間を身に着けるよう司会者から促され、毎日7時に起きて
聖書を読む。個人研究の型が出来上がり真理を自分のものにできた。
開拓者の姉妹:研究開始直後、集会の出席を促される。子供達の行儀の良さに感銘。
       集会で聖書を良く使うことにも感心し、教会から離れた。

開拓者の兄弟:研究生の時から、司会者が学んだ資料をどのように他の人に説明したらよ
いか訓練してくれた。そのおかげで非公式の証言を行なえるようになり友人知人を研究生
にすることができた。
B	若い皆さん−目標を定めて成功への道を歩んでいますか
次の劇Cの紹介。
若いテモテが当時おかれていた環境。パウロとの出会いが及ぼした影響。
テモテの特質(敬虔な心、兄弟への愛、謙遜さ)。どのような目的をもち、どのような選
択を行なったか注目するように促される。
C	劇:神の誉れとなる目標を追い求める
    若き日のテモテの経験をテモテと彼の友人であるヨナタン(架空の人物:聖書に
は出てこない)の息子と回想するフィクション。
    若き日のテモテは友人であるヨナタンとアテノの大学へ行きギリシャの高等教育
を受けることを夢見ていた。しかし、パウロとの衝撃的な出会いから神への奉仕に目覚め、
その夢を断念。ヨナタンは憤慨しアテネへ。テモテはギリシャ人の父親にクリスチャンと
して生きていくことを直訴するも、父親は猛反対失望する。その後父親を失い、母と祖母
と生活を送っていたが、パウロ及びイコニオムの長老団から宣教団に加わるよう招待を受
ける。躊躇するテモテに母親と祖母は、「宣教に参加することこそ私たちの最大の喜び」
と説得。テモテはパウロとともに行動するようになる。パウロの訓練を受けたテモテはや
がて成長し、パウロの使いとして問題のある会衆へと派遣されるようになる。そこは物質
主義や高等批評の考えで満ち、なんとあの幼馴染のヨナタンが住んでいたのである。ヨナ
タンは、美しい妻と4人の子供に恵まれ、事業も会衆の長老フィレトのおかげで成功して
いた。2人は再会を喜び会うものの、フィレトの事業の申出に関し意見が対立する。テモ
テは自分をただ利用し私服を肥やそうとするフィレトの腹のうちを見抜く。家族を経済的
に世話する責任を強調するヨナタンに霊的バランスを取り戻すようテモテは説得する。フ
ィレとはやがて会衆から追放。テモテの助言を聞き入れたヨナタンは平衡を取り戻し、神
への奉仕を第一とする生活へ戻る。
結論:テモテは高等教育を退け、パウロから強い影響をうけクリスチャン宣教の道を選ぶ。
D	公開講演:わたしたちの従順はだれのものですか
省略
E	ものみの塔の要約
省略
F	敬虔な従順−わたしたちの生き方
省略

以上ですが、私の率直な感想を述べさせていただくと、3日目のプログラムのメインであ
る聖書劇は、明らかに若い人に対して、高等教育を回避するよう奨めているとしか思えま
せん。ここ数年、高等教育に対して協会が規制を緩めたため、若い人が高等教育に走って
いることが原因だと思いますが、実際私の周りの若い人達の中には、なぜか分かりません
が大学院に行ったり、また最近大変目に付くのは、長老の子供たちが海外留学するケース
が多く見受けられることです。規制が緩和されるからと言ってちょっと極端ではないかと
思っておりましたが、さすが統治体も敏感に感じ取ったのではないでしょうか。
しかしながら私が最も懸念するのは、このようにあからさまに高等教育を否定するならば、
宣教に生きがいを見出せず、学問や他のことに目標を持とうとしている2世、3世の若い
人を窮地に追いやるのではないかと言うことです。貴殿もホームページ上に書かれている
とおり、エホバの証人の2世の中には、引きこもりや精神障害になる若い人が年々増えて
います。彼らの殆どは、幼いときから母親の言いつけを守り、言われたことは真面目に行
なう一見いい子です。しかしある日突然、糸が切れたように無気力になり、集会にさえ行
かなくなり、自傷行為を繰り返し、ひどい場合は自殺にまで至ります。長年長老をやって
いて感じることは、証人の子供たちにも色々なタイプがあり、皆が同じ目標を持つこと自
体がナンセンスと言うか無理なことなのです。もしそれをやると、処世術を身につけてい
る子は、開拓者となり僕や長老になるかもしれませんが、気がつかないうちに裏表のある
二重人格的な人になって、いずれは問題を起こします。また融通の利かない子供は、学校
や会社での人間関係で押しつぶされてしまい、登校拒否や登社拒否、引きこもりを起こし
てしまうのです。協会が勝手に目標を掲げるのはかまいませんが、それを若い人に押し付
けるのはいかがなものかと思います。日本の法律では、教育を受ける権利や就業の選択権
は誰も侵すことのできない基本的な人権として保証されています。その大切な権利を宗教
の名の下に、協会員から奪い取ることは憲法違反であり、神が要求されている「上位の権
威に服する」と言う原則に従っているとは言えません。とても他の人に「敬虔な従順」と
いえるようなことを行なっている宗教団体とは思えないのです。教育を受け、それにより
働ける技能を身につけ、そこから税金を納め国民全体が幸福に暮らせるようになることを、
この国は国民に求められているのであり、決して金持ちになることを求めてはいません。
教育を受け、その技術を生かす仕事をすることがどうして悪いことなのでしょうか?私は
協会が教育を受けさせない大きな理由は別にあると思います。それは高度の知識を身につ
けることにより協会の嘘がばれることです。ものみの塔協会にとって、協会員は皆馬鹿で
いいのです。統治体に逆らわず、出した指示に忠実に従い、協会員を増やし、寄付さえす
れば、ボランティアや社会貢献の仕事なども余分なことで世的なものでしかないのです。
ただ協会のために働いてくれる人がいいのです。

《編集者より》
近年のエホバの証人の間での高等教育の普及は目覚しいものがあります。10年前には考えられなかったことですが、ほとんどのエホバの証人もその家族も、大学に進学することに何の疑問もないようです。私のいるアメリカにも日本から沢山のエホバの証人の留学生が来ます。ほとんどが語学留学で、地元のエホバの証人の家にホームステイをして、こちらのコミュニティーカレッジに行くと言うのが人気のあるコースのようです。集会や奉仕に参加しては英語の練習もしているようです。このような留学生が余りに増えたために、地元のエホバの証人の中には留学生受け入れを副収入源にしている人さえいます。しかし、そこまでして勉強をすることが王国宣教にどのように結びつくのかは、多くのエホバの証人が首をかしげる所です。ここでも、「世的」なエホバの証人の増加が懸念されているようです。そのような背景から、このような主題が大会で取り上げられているのかもしれません。高等教育では、語学学校や、技術資格学校などを除いて、客観的でバランスの取れた批判的なものの見方、世界観を、最初から訓練されます。インターネットを使うことも必要ですし、ものみの塔協会が最も警戒する心理学の勉強をすることもあるでしょう。ものみの塔にとって高等教育が最も危険なことは今も昔も変わっていないと思います。


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