「腐れゆく巡回監督」

(4-14-06)


エホバの証人の各会衆(協会区の協会みたいなもの)は6ヶ月に1度、年2回巡回監督と呼
ばれる長老とその妻から1週間の訪問を受けます。つまり6ヶ月に一度各会衆は、会衆の活
動状況の監査を受け、活動が活発であるなら、お褒めの言葉を、停滞するなら次のような
発破をかけられます。「ものみの塔、目ざめよ誌の配布数は前回より2%増加、しかし再
訪問、研究は30%減少、それで次回の訪問までに再訪問を強化、研究を見つけバプテスマ
へ一人でも多く導くことを目標にしましょう。また集会の出席率は98%でエホバの備えに
対して認識のない傾向が見られます。集会を生活の全ての計画より優先して集会の出席率
を上げましょう。」と言う具合です。まるで売上や利益率の向上を目指す民間企業の営業
会議のようです。そしてこの集会には当然子どもたちも出席しており、幼いときから増加
が正しく、減少は悪であるという感覚が植え込まれることになるのです。
巡回訪問の1週間は次のようなものです。
まず火曜日に王国会館で記録調べを行ないます。@区域の網羅率(会員が6ヶ月で何回各
家を訪問したか)を確認し、A各人の個人カードのチェック(会員になったら会員毎に伝
道者カードと呼ばれる個人カードが作られ、各月の伝道時間、書籍の配布数、関心を持っ
た人への再訪問数、研究司会数を報告しなければならない。いわゆるエホバの証人の個人
成績表。一般的にこの成績表の良い者が、特別開拓者、ベテル奉仕者、巡回監督に推薦さ
れる)を行い、報告数の少ない会員や日本の平均数を下回る会員のカードを一つ一つ分析
し、原因を会衆の長老に聞き、改善策を提案します。さらにB会計検査(各会衆の寄付金
等の出納は協会が作成した詳細なマニュアルによりその取り扱いが厳格に決まっている。
しかしものみの塔本体は支部レベルでも会計内容の詳細を協会員に公表しない。)を行い
寄付金が協会に正確に間違いなく送金されているかどうか各帳簿の確認と領収書と銀行口
座との突合せを行ないます。
続く水曜日から会衆の会員の一部と野外の伝道を行い、宣教奉仕の現状を観察し会員のレ
ベルアップのための訓練を施します。その際会員の悩みの相談も受けます。
そしてこの訪問の1週間、巡回監督とその妻は、1日3度の食事招待を受けます。
会衆の会員は巡回監督夫妻を家に招けることを大きな特権とみなし、最高の料理をふんだ
んに用意します。つまり巡回監督夫妻はタダで1週間毎回美食を味わうことになり、それ
が当たり前の生活になるのです。そのため、巡回監督の中には、高級嗜好の紅茶や、果物
でなければ食べられないとまで言う人が出てきているのです。(冗談でも口にしてはいけ
ないこと)またある巡回監督の妻に及んでは、出されたものを口に合わないから食べない
とはっきり言う無感覚な者もいます。美食は人の感覚を麻痺させるといいますが、私はこ
の制度に大変疑問を感じます。イエスやダニエルは美食を避け、むしろ貧しい人を自らの
家に招きアイサンを楽しまれました。巡回監督夫妻も自らの宿舎に会衆の困っている人や
恵まれない人を訪問期間中に招くぐらいの気持ちが必要ではないかと思うのです。

《編集者より》
最近の他の投書にありましたが、エホバの証人に裏と表がある理由は、このように会衆内でも外面的な成績や形式が真の内容より重視されるために、自然とエホバの証人の態度に「外側をつくろう」という癖がつき、それが裏表のある人間を作り上げてしまうのだろうと思います。ただ、このような外面的な秩序を美しいと感じ、それが「真の組織のあり方」と信じて疑わない人がいることも確かで、それだからこそ、エホバの証人はいつまでもその勢力を失わないのだと思います。


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