宗教をやめる怖さ

(4-5-05)

 初めまして。19歳の2世の女です。バプテスマを受けていましたが、2003年4月からもう
集会にも行かないし、辞めることを伝えました。私は高校を卒業して、自立したくて働き
ながら行ける看護学校に行き、夜勤や毎日朝早くから出勤し、昼から学校、そしてまた仕
事、集会の日々を送ることがとてもしんどく、夜勤の日も集会や奉仕の妨げにならないよ
うにと何度も言われましたが、勤務上無理な話です。あと、私はずっとやめたくて何人も
の人と性行為は持たないではいましたが、隠れて付き合っては性行為を誘われると理由を
つけて振りその繰り返しでした。でも、高校3年の終わりに知り合った11歳年上の30歳の
彼とインターネットで知り合い、彼に初めて自分がエホバの証人であることを伝えました。
彼はすべてを理解してくれ、私の過去もすべてを受け入れてくれました。集会に参加しな
がら付き合っていることに罪悪感を感じ、自分は汚れている・・・と自己嫌悪にさいなま
れ、生活も時間に追われもう壊れてしまいそうでした。そんな生活を送っているうちに、
彼を選ぶことを決心しました。本当に賭けのようなものでした。彼に振られてしまったら
私は排斥されているでしょうし、今までの友も失くし家族との関係も断たれ本当に独りに
なってしまいます。案の定、身信者の父は帰宅時間が遅いため、家族には無視され逃げら
れ、食事も経済的な援助も打ち切られました。病院の給料は7万くらいしかなく、学校の
授業料が3万3千円、交通費が2万円、携帯代やクラス費や学校でいろいろ費用もかかるた
め雑費に1万円はかかり、給料の中から食費なんて出るはずもなく給料日からしばらくの
間のお昼しか食べられませんでした。時々、彼が夜ご飯をおごってくれ、一緒にいてくれ
ました。夜家に帰るとたまたま家で会うと「うわっ!帰ってきた」と妹に言われ逃げられ、
居間にも入れず、家にもいられない存在で、行く場所がなくて帰りたくない自分の部屋で
家族に怯えて暮らすしかありませんでした。本当に死にたかった。そんな生活を何ヶ月か
続けていると、本当に身体がしんどくて微熱が3週間続いていましたが働かないといけな
くて、そうしているうちに41度の熱が下がらなくなり、入院しました。宗教をやめたため
精神的にも身体的にも追い詰められ、ボロボロでした。見かねた仏教徒の母方の祖母の家
に引き取られました。やっと自分の場所を見つけられました。もう病院で働くことは無理
でした。学校もやめ、祖母の会社のあとを継ぐことを決心しました。本当につらかったで
す。彼とは今も付き合っています。本当に彼のおかげで救われました。彼だけは私を本当
に宗教のような上辺だけの付き合いではなく私を見てくれました。宗教をやめることはと
ても大きなリスクがありました。でも私はやめてよかったと思います。
 まだ、人を信じられないし、毎日が現実感がないまま流れていっている悪夢ような感覚
です。でも、いつの日か前のように母親に話ができるように自分のしたことは正しかった
と現実を受け入れられるようになりたいです。質問欄によく掲載されているエホバの証人
と付き合いたいというものがありますが、クリスチャンは宗教をやめるとき、怖く、孤独
さや、惨めさ、今まで自分が築いてきた年月、友人などを捨てなければいけないというリ
スクがあるということを理解してほしくて、メールしました。文章がおかしくてごめんな
さい。

《編集者より》
あなたの例もエホバの証人二世の特殊な精神状態をよく物語っていると思います。このような恐怖心、惨めさ、人生の崩壊感は、エホバの証人の宗教を中核にして子供の頃からの人格形成をされてきた二世が、その中核であった宗教を失う時に、多かれ少なかれどうしても通らなければならない過程だと思います。もちろん、そのような経験をしなかった二世の証言も沢山ありましたが。ここは、嗜癖を脱出する時の苦しみと同じで、一時的な試練を我慢するしかありません。それを通過した後に、本当の心の自由の喜びを噛みしめる時が来ると思います。あなたの彼のように、「世の人」の中に必ずあなたの助けになってくれる人がいるはずです。人々の親切に頼って自分を建てなおしましょう。